連続ドラマW「片想い」

録り溜めしておいたWOWOW連続ドラマW「片想い」を一挙に観る。
原作は東野圭吾。氏の作品の中でも「さまよう刃」と並ぶ問題作で、いわ
ゆるジェンダー、LGBT問題を題材にした作品。

内容が内容だけに、地上波でドラマにするのは絶対に無理だと思っていた
のだが、さすがは硬派な連続ドラマW枠。予算もキャスティングも脚本も、
ちょっとした映画を凌ぐレベルで構成してくるのだからさすが。

僕が片想いの原作を最初に読んだのはおそらく2008年頃。読後感が著し
く悪く、レビューも書かなかった作品なのだが、そういう作品であるから
こそ強烈に心に残っているのだが、アレが映像になるのが全くピンと来な
かった。しかし・・・。

とにかく、主役「男性の心を持った女性」日浦美月を演じた中谷美紀
文字通り鬼気迫る演技。最初はどうかと思ったキャスティングだったのだ
が、終わってみればもう彼女以外に美月を演じられる役者はいなかった、
と思うほど。これを受ける桐谷健太鈴木浩介の演技も凄まじく、重厚
の上無い。他のキャストも捨て役が全く無く、完成度MAXと言っていい。

原作を読んだ時のあの感じ・・・なんとも言えないイヤな気分・・・を随所に感
じたのだから、この映像化は大成功。連続ドラマW、来年は伊坂幸太郎
あの作品をドラマ化するらしい。マジか!と今も思っているが、片想いを
極上のドラマに仕上げたWOWOWチームなら、あるいは・・・。

今のところDVDになっていない「水曜どうでしょう」まとめ

「水曜どうでしょうDVD第27弾」が届いた。
今作はレギュラー放送ラス前として有名な「屋久島24時間耐久魚取り対決」と、
「一挙公開!! 未公開VTR&NG集」のカップリング。“屋久島”がDVDになったこと
で、レギュラー放送分の再編集は終了、と(アンオフィシャルに)アナウンスさ
れていた。もちろん感慨深く観たのだが、視聴完了後、ちょっと気になってまだ
DVDになっていないシリーズを調べてみた。

いわゆるスペシャル(過去企画の振り返りや未公開VTRの放映)はかなり残って
いるものの、純粋な企画としては以下のレギュラー放送時の2シリーズがDVDに
なっていない。

・1998年2月:第1回水曜どうでしょうカルトクイズ世界大会(オンエアは全2夜)
・2000年11月:四国R-14(オンエアは事前・事後番組含め全7夜)

レギュラー終了から復活後のシリーズ、実はわりとDVD化されているが、単純に
今現在で新しい3シリーズが未DVD化。

・2007年1月:ヨーロッパ20ヵ国完全制覇〜完結編〜(オンエアは全9夜)
・2011年3月:原付日本列島制覇 東京−紀伊半島−高知(オンエアは全12夜)
・2013年10月:初めてのアフリカ(オンエアは全13夜)

カルトクイズ肖像権の取得が難しい素人出演企画だから、DVD化は望めないか
もしれないが、R-14復活以降の作品に関しては確実に再編集の上のDVD化があ
りそう。特に今やカルトドラマとすら言われる「四国R-14」に関しては、藤村D
による再編集が本当に楽しみ。

でも、コレ関係を全部観ちゃったら、後は新作に頼るしか無いのか・・・。
なんか寂しいなぁ・・・。

Blade Runner 2049

「ブレードランナー 2049」、舞浜シネマイクスピアリ。
フィリップ・ディックの「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」を原作
に、リドリー・スコットがメガホンを取り、ハリソン・フォードが主演し
第一作の公開は1982年、もう35年も前。前作の設定、もうリアルで再
来年となる2019年から30年後の世界を描いたSF大作。

とにかく感心したのは、良い意味でも悪い意味でも映画史に確実に残るで
あろう古い作品「続編」が、きっちり成立する形で制作されていること。
特にストーリー世界観は新旧を2作品続けて見ても違和感が無い気がする
のだから、うるさ型の映画マニア・SFマニアも納得せざるを得ない筈。
ハリウッドの底力を見せつけられた気がした。

僕がブレードランナーを最初に見たのは、おそらく18〜19の頃。
当時通っていた学校の作品鑑賞で上映されたモノで、授業なのに度肝を抜
かれたことを鮮明に思い出す。そういう作品の続編はどうしても採点の辛
い見方になってしまうのだが、今回は及第点を完全にクリア。

ただ、ちょっと気になった点が無かったワケでも無い。
監督のドゥニ・ヴィルヌーヴ、リドリー・スコットの世界観を崩さなかっ
たのは見事なのだけど、ワンカットが非常に長いリドスコばりのカメラワ
ークがちょっとハナに付く。僕が現代映画に慣れてしまった所為かもしれ
ないのだが、ロング多用のシーンは明らかに無駄。そこは踏襲しなくても
良かった気がする。

しかし、前作同様のレンジが広くボリュームの大きい音響や、現代ならで
はのCGを駆使した画面造りはやはり秀逸。満足度はかなり高い方だと思う。
取り敢えず後ほど第一作をDVDで確認!その後、もう一度観てもいいかな?

THE COBRA PV

Amazonプライムビデオで新しく配信された「有田と週刊プロレスと」、今週
のネタは“悲運のマスクマン”、あるいは、“謎のアストロノーツ”など、数多く
の異名を持つザ・コブラデビュー戦

有田氏曰く、「途中からプロモーションビデオになった」ことで伝説になった
デビュー戦、vsデイビーボーイ・スミス。これは僕もよく覚えている試合なの
だけど、間違い無く新日本の黒歴史(^^;)。まさかこのVTRは無いだろ、と思っ
てたのだが、普通にYouTubeにあった(^^;)。

問題のPVは07:17あたりから(^^;)。
改めて見れば、そこまでしょっぱい試合では無い気がするのだけど、そこは
やっぱり編集の力か? ダイジェスト部分無しで1試合観たら、やっぱり辛いの
かもしれない。

一応コブラの名誉の為に言っておくと、名勝負もあった。
最初の小林邦明戦、巴になったダイナマイト・キッド戦や2回目のスミス戦等、
新日本プロレスワールドあたりで探せると思うので、是非みて欲しい。

・・・間違っても最初のブラック・タイガー戦は観ないで欲しい(^^;)。

江戸の売り声

本日、一つ現場を終えた。
個人的に非常に楽しい仕事で、身体はやたら疲労してるけど心は充実、とい
すばらしい環境。職務の詳しい内容はアチラを参照いただくとして・・・。

3日間に渡り、すばらしい「声」を聴かせてくれたのは宮田章司先生。
寄席「江戸の売り声」という芸を披露する、齢84、今も現役バリバリ
噺家。今では全く聴くことが出来なくなった“街の行商”の声を、すばらしい
トーンで聴かせてくれる、人間国宝のような偉大な芸人さんである。

かなりの幼少期、僕は街中であさり売りの声を聴いた記憶がある。
自分の年齢からすると、リアルにソレを聴いたのか、それともテレビか何か
で観たのか、本当のところは正直曖昧だけど、あの節回し独特の発声は何故
だか強烈なイメージとして残っていた。

そして昨日、宮田先生はお客様からのリクエストを受け、あさりの売り声を
披露してくれた。「あさりぃ〜しじみぃ〜あさりおぉ〜」という名調子を聴
いた瞬間、ちょっと、いやかなりグッと来た。もしかしたら、ちょっと泣い
ていたかもしれない。

声ももちろんだけど、お客様とのコミュニケーションの取り方にも唸る。
飴売りの声をリクエストし、ソレを聴いて涙ぐんでいるお母様方の姿を観て
いると、楽しいのに思わずホロっと来る。最後は必ず皆がニコニコ顔で拍手
を送るのだから、この芸は本物中の本物。まさに至福のパフォーマンス。

これはもう、絶対にもう一度観たい!
極近いうちに寄席に行き、また宮田先生の名調子を聴こう、と決心。
どうかいつまでも、お元気で高座に臨んでいただきたい、と心より願う。
すばらしかった!!!