小説版・転生したらスライムだった件

#追いつく想像力


アニメでその存在を知った『転生したらスライムだった件』
いわゆる“異世界転生モノの代名詞”とされる作品なのだが、初出は
Web小説。それがコミカライズされ、アニメ化され、映画化され・・・
という無双状態が続いている。

かくいう僕もアニメの続きが非常に気になっており、取り敢えずは
コミックを手に入れてその先を読んだ。アニメの続きはコミックで
いうと19巻。現在22巻まで発売されているので、4冊を一気に読ん
だところ・・・その続きが気になってしょうがないじゃねぇか(^^;)。
ということで、僕にとって禁断のアレ(^^;)に遂に手を出してしまう
ことに。

▼転生したらスライムだった件⑧ /  伏瀬 ・みっつばー(Kindle版)

・・・原作小説
いやもう、紛うこと無きライトノベル(^^;)。以前から宣言していた
ことだが、僕はこの世界がかなり苦手。思った通り文章はアレ(^^;)
で、さすがにコレを読み続けるのは辛いかなぁ、と思ったのだが!

全然イケる(^^;)。
コレはもうアニメで世界観やキャラクターがしっかり理解出来てい
たことが原因だと思う。その予備知識のおかげで情景がしっかり想
像出来るから、ストーリーがすんなり入ってくる。こうなるともう
コッチのモノで、数日前から1日1冊のペースで読めちゃっているの
が凄い。

小説版も22巻まである。ゆっくり読もう、コレは(^^;)。

全巻は→で! 転生したらスライムだった件(全22巻)

プロレス団体の終焉

#始まりと終わり


▼平成マット界 プロレス団体の終焉 / 高崎計三

不定期刊行のMOOK「俺たちのプロレス」で連載されていたコラム
に書き下ろしを加え、一冊にまとめたモノ。著者の高崎計三氏は、
最近よく目にするプロレス関係のライター。元ベースボールマガジ
ン所属なのに、週プロには関わることなく、それなのにプロレス系
を書いている、という不思議な人(^^;)。

タイトル通り、平成期終焉を迎えた13のプロレス団体について、
関係者へのインタビューを交えながら当時の状況を振り返る回顧録
取り上げられているのは、以下の通り。

ジャパン女子・SWS・新格闘・W★ING・FFF・UWFインター・キン
グダム・夢ファク・FMW・WJ・全女・NEO・IGF

・・・この中で当時の状況を全く知らなかったのは、レッスル夢ファク
トリーのみ(^^;)。当然夢ファクの章は生々しくておもしろかったの
だけど、更に興味深かったのが一度も興行を行うことなく崩壊してし
まったFFFの件。こういうのを押さえるところにセンスを感じた。

驚いたのが、僕は上記13団体のうち12団体生観戦している、とい
う事実。どうせならコンプリートしたかったけど、FFFさえ無ければ
なぁ(^^;)。

禁じられた遊び

#現代ホラー


▼禁じられた遊び / 清水カルマ(Kindle版)

読むべき本は取り敢えず読み終えたので、繋ぎに何か、ということ
Kindle Unlimitedを徘徊。気になるタイトルの作品を見つけたの
だが、同じ著者の少し古い作品があることに気付き、まずはこちら
から読んでみよう、ということに。

清水カルマ、2018年にこの作品で第4回本のサナギ賞大賞を受賞し
てデビューした比較的新しい作家さん。この作品は相当話題を呼ん
だらしく、橋本環奈・重岡大毅主演で実写映画化が確定、来年9月
の公開が決まっている。ということで、過度な期待を持った状態で
読んだのだけど・・・。

・・・いや、困った(^^;)。
全編から薄気味悪い状況が漂い続ける秀逸な現代ホラーであること
は間違い無いし、単純にストーリーだけをサラッと舐めれば、映像
化に最適な素材であることは間違い無く、そちらを観るのは非常に
楽しみなのだけど、文芸作品としてはちょっとだけ?マーク。状況
描写や言葉の選び方にはそれなりの才能を感じるのだが、どうも
イントがずれているような気がしてならない。

ラストも含め、構成的にも申し分無いだけに、その辺りが非常に惜
しい感。ただ、コレがデビュー作だと考えれば、その伸びしろには
期待していいかもしれない。

この作品に関しては、前述の通り映像化に注目。
特に橋本環奈がどんな演技を魅せてくれるか、すっごく楽しみ!

許されようとは思いません

#珠玉五篇


▼許されようとは思いません / 芦沢央(Kindle版)

「悪いものが、来ませんように」に衝撃を受け、続けて芹沢央作品。
こちらは全5篇からなる短編集

・・・いや、脱帽
全く関連性の無い5篇だが、どのストーリーからも計算され尽くした
『薄気味悪さ』が漂う。いわゆるイヤミス系とはまた違った感覚で、
読書中にいたたまれなくなり、思わず本を閉じてしまう機会が数度
あった。しかし、ミステリーとしても非常に秀逸で、見事に5回、し
っかりしたどんでん返しを喰らったのだから驚く。

特に印象に残ったのは、1篇目『目撃者はいなかった』と、タイト
ル作・ラスト『許されようとは思いません』の2つ。前者は仕事の
ミスの隠蔽を図った冴えないサラリーマンの顛末を描いたひたすら恐
ろしい物語、後者は身内に殺人犯を持つ男が苦悩しつつ事件の真相に
迫るオカルトテイストのミステリー。最後のタイトル作のみ、ホンの
少しだけ清涼感を含んでいるところが小憎らしい

マジで良い作家に巡り会ったかも。
しばらく読書に困らないくらい著作もあるので、今後バリバリ読む!

証言 武藤敬司

#内側が語る「天才」


▼証言 武藤敬司 / 宝島プロレス取材班

気付けば全て購入してしまっている、宝島「証言」シリーズ
今回の素材は先日東京ドームで大々的に引退した武藤敬司。サブタイト
ルは『平成プロレスを支配した「天才レスラー」の光と影』。案の定、
と言うか、やっぱりと言うか(^^;)。

今回の証言者。新日本プロレス時代船木誠勝、ジミー鈴木、永島勝司、
大仁田厚全日本プロレス時代川田利明、和田京平、TARU、諏訪魔、
大森隆男、そしてリングの外側橋本かずみ、神奈月、小島和宏

これまでの武藤の歴史を考えると、もっと関係の深そうな人物・・・例えば
蝶野とか・・・が思い浮かんでしまうのだが、よくよく考えてみれば非常に
興味深いメンツ(^^;)。コレが期待を裏切らないオモシロコメントを連発
しており、結果証言シリーズの中でも屈指の内容となっている。

引退興行のインパクトが強烈なこの時期、タイムリーなリリースかと。
宝島のこういう嗅覚、ちょっと見習った方がいいかもしれない。

ちなみに今回から著者が宝島プロレス取材班になったらしい。
レビューするにはこっちの方が楽でいいね、うん。