ONE PIECE #92

▼ワンピース 92巻・花魁小紫登場 / 尾田栄一郎

ワンピース最新刊ワノクニ篇の第二幕。
「四皇」百獣のカイドウが遂に本領を発揮し、ルフィ一撃で倒される
という衝撃の展開からスタートする。いやぁ、このエピソードも長くなり
そうな気配濃厚(^^;)。まぁ、尾田栄一郎がいちばん書きたかった場面らし
いから、ちょっと大目に見た方が良いかも。

おそらくワノクニ篇に決着が付く頃、この大作は100巻を超えると思う。
まだ拾いきっていない伏線も多々あるし、僕が忘れている件はもっとたく
さんある(^^;)。危惧されたことだけど、ワンピースの完結を読むのは諦め
た方がいいかもしれない。

今回は表紙下1/3が非常に秀逸。そこらへんも注目!

週刊プロレス・2000号!

週刊プロレス、今週売り分で創刊以来2000号を達成。
記念号は増ページ、伝説の編集長ターザン山本の誌面登場、昔の企画の
リメイクなど、古くからのファンがニヤッとする誌面構成。というワケで、
さすがに今週号は「雑誌」を購入しました。

1983年の創刊から現在に至るまで、僕は週プロを1冊も読み逃していない。
本当は「ずっと買っている」と表現したいのだが、週プロがKindle Unlimited
の対象になってから店頭購入を止めた。まぁ、Kindle Unlimitedに入ったのは
週プロをリーズナブルに読むためであり、サブスクリプションとはいえその
分のお金は払っているから、「買い続けてる」のも間違い無いが(^^;)。

通常の雑誌でも休刊・廃刊が相次ぐ中、なんとか生き残っている週プロ
これは本当に特別な雑誌で、いろんな人に買い置き配送を依頼された。
海外出張中の人なんてのは当たり前で、長期入院中の人留置中の人(^^;)
など様々。こんなパワーのある雑誌は、おそらく他には存在しない。

願わくば、僕の今際の時間最新の週プロと共にありたい。
順調にリリースされ続けられるのであれば、ペースは2年で100号。だと
すると、2500号まではギリギリ付き合えると思うんだけどなぁ・・・。

虎の回顧録

▼虎の回顧録 昭和プロレス暗黒秘史 / タイガー戸口(Kindle版)

“野生の虎”こと、タイガー戸口の自伝。
御年71歳にして未だ現役。この間のジャイアント馬場没20年追善興行
バトルロイヤルにも出場し、元気なところを魅せてくれた、昭和を代表す
るプロレスラーの一人。

以前から著書熱望されていた戸口さん。
その理由は、Gスピリッツ等の雑誌で時折見掛けるインタビュー面白さ
にある。とんでもない毒舌に加え、ややヤバめの話題でもポンポン口に出
してしまう暴露癖(^^;)。コレを思いっきり楽しむには、何かを一冊仕上
げてもらうのが一番。ということで、期待大のまま読み始めた。

・・・いやぁ、どうだろ(^^;)?
これまで読んだ各種のインタビューに比べると、やや大人しい感否めず。
お得意の「他レスラーへの悪口」も若干歯切れが悪いのは、自分史という
性質上、一つのことに文章量を割けなかったのが原因なのだと思う。

それでも、日本プロレス時代から今に至るまで現役を続け、そのキャリア
の半分を海外で過ごした豪傑の語る自らの半生は本当に面白い。自分の
を隠そうともしない姿は潔くてカッコイイし、馬場猪木ですら一刀両
してしまう口の悪さもある意味ですばらしい。プロレスとは如何なる物
、が見えてくる佳作。プロレスファンならぜひ!

刑事に向かない女

▼刑事に向かない女 / 山邑圭(Kindle版)

Amazonのリコメンドで購入した作品。
山邑圭という作家は初めてなで調べて見たら、ゆうきまさみの代表作で
ある「機動警察パトレイバー」のノベライズ等で活躍している人らしい。
純粋な小説としては、コレがデビュー作の模様。

就職試験を間違って不本意ながら警察官となり、さらに手柄を上げてこれ
また不本意ながら刑事になってしまった今風の女性・椎名真帆が主人公。
世田谷で起こった女性刺殺事件を捜査中、真相に近づいたかな?というと
ころで理不尽に捜査を外される。納得出来ない真帆は休暇を取り独自に捜
査を始めるのだが・・・という内容。

テンポの良いミステリーで、主人公を始めとする個性的なキャラクター陣
もおもしろい。ギミックもかなりこなれており、デビュー作とは思えない
テクニシャンぶりを見事に発揮している、とは思うのだが、全体的な印象
ちょっと軽めなのがやや残念。ラストの処理をもう少しショッキングに
すれば、違った印象を持ったのかもしれないけど・・・。

とはいえ、将来が楽しみなミステリー作家。
おそらくこの作品にも続編があるだろうし、全く新たな作品もぜひ読んで
みたい、と思わせてくれた。次回作をお楽しみに!ということで。

『週プロ』黄金期 熱狂とその正体

▼『週プロ』黄金期 熱狂とその正体 / 俺たちのプロレス編集部

サブタイトル・・・というか、そもそも最初にアナウンスされたタイトル
「活字プロレスとは何だったのか?」

「活字プロレス」とは、80〜90年代に週刊プロレスで編集長を務めてい
ターザン山本が発した言葉。それまでのプロレス雑誌の試合リポート
試合の展開を追う文字通りの「リポート」であったのに対し、週プロに於
けるソレは記者の主観が中心。悪い言葉で言えば単なる「感想文」なのだ
が、その内容は思い入れに溢れ、読者の想像をとことんまで膨らませ
てしまう。今になって考えてみれば、麻薬のような雑誌だった。

その週刊プロレスの全盛期に活躍した編集者ライター関係者証言集
・・・まず、この段階で凄いと思う(^^;)。

もちろんプロレスラーも数名出てくるが、主役は間違いなく一介の雑誌編
集者。それを読んでいる我々は、殆どの人物の名前(と下手すれば顔も)
に覚えがある。自分も含めてのことながら、プロレスファンとはかくも恐
ろしき存在、と改めて思った。

それにしても、あの頃の週プロはまさしく「狂気の沙汰」だった。
解っていながらも毎週のように週プロを欲し、週プロに書いてあることを
確認したくて会場に何度も足を運んだ。僕も間違い無く週プロの「毒」
侵され、ヤバい、という自覚を持ちながらソレを存分に楽しんでいた。
もしかしたらUWFFMWも、ユニバーサルみちのくプロレスも、週プロ
煽りが無ければ熱狂しなかったのかもしれない。

今も週刊プロレスは存在するし、相変わらず毎週読んでいる。
でも、あそこまで熱くなる事はもうきっと無い。だって、この本に出てく
る人たちの熱は本当に「異常」であり、さすがに今の週プロにそんな人材
は居ない。よく考えてみれば、それが至極当たり前(^^;)なのだけど。

週プロは僕にとって今も「憧れ」だけど、人生がやり直せたとしてもあの
中には絶対に入れない。この本に載っている人たちはみんな言えると思う。
「選ばれし者の恍惚と不安、二つ我に有り」って。