#一抹の不安
世界スーパーバンタム級四団体王座統一戦をLemino生中継にて。
WBC/WBO王者の井上尚弥と、WBA/IBF王者のマーロン・タパレスが
互いのタイトルを賭けて一騎打ち。王者同士の対決なのにも関わらず、
“尚弥の楽勝”という下馬評が圧倒的な試合だったのだが・・・。
サウスポーのタパレスは、上体を極端に下げたクロスガードで防御に
徹する。形態こそ違うが、ポール・バトラーと同様な戦法。この段階
で、この試合は長引く気がした。
ところが4R、強烈な左フックをきっかけにラッシュに入った尚弥が
ダウンを奪う。なんとか立ち上がるタパレスだが、ダメージは明白。
次のラウンドあたりで、と予想をアップデート。
しかし、ここから尚弥の動きに違和感を感じる。
主導権こそ握っているモノの、パンチの大振りが目立ち、ガードの奥
から時折タパレスの出すジャブを被弾。そのままズルズルとラウンド
が進んで行く。タパレスが良いのでは無く、尚弥の動きが悪い気がし
たのは、僕だけなのだろうか?
イヤな雰囲気が充満したが、10Rに試合が動いた。
またもや左フックからのコンビネーションでタパレスをリング中央に
引っ張り出した尚弥が、右ストレートを一閃。ガードの上からに見え
たが、どうやらテンプルを直撃した模様。タパレスは崩れるようにダ
ウンし、もう立ち上がることは出来なかった。
井上尚弥、たった2試合でスーパーバンタム級四団体王座を統一。
テレンスに続いて史上二人目の2階級での四団体統一、という偉業を
成し遂げたのだから、やはりモンスターである。
・・・しかし、5Rから9Rまでの尚弥の動きの悪さには、一抹の不安も。
次の防衛戦はあのクソ野郎、ルイス・ネリか、タパレスに不覚を取っ
たムロジョン・アフマダリエフが有力。それまでに、“完璧な状態”の
井上尚弥を取り戻して欲しいところ。
特にネリに関しては、完膚なきまでにぶちのめして欲しいので!