#すばらしき廃駅の世界
▼帝都地下迷宮 / 中山七里(Kindle版)
以前からちょっと気になっていた中山七里作品が、遂にKindle Unlimited
に登録。これ幸い、とばかりに速攻で読んでみた。
鉄オタの中でもかなり特殊な「廃駅マニア」の公務員が主人公。
趣味が高じ、秋葉原付近から地下鉄内に不法侵入する、という一線を越え
てしまうのだが、お目当ての廃駅『万世橋駅』付近で少女に遭遇。彼女に
導かれた先で、彼が目にしたモノは・・・という感じで始まる物語。
ネタバレ抜きで書くのがちょっと難しいので、これから読む方はココから
先を読まない方がよろしいかと。
東京都心の地下で人知れず存在するコミュニティ、という設定が最高。
言っちゃえば荒唐無稽以外の何物でも無いのだが、こういう「秘密基地」
的なシチュエーションは心が踊る。勿論それだけではなく、物語の展開も
やたらと突飛で、刻一刻と変わっていく状況にハラハラさせられる。
現代ファンタジーとして、非常に優秀。
しかし、問題が。
中山七里と言えば「どんでん返し」であり、どの作品にもソレを期待して
しまう。今作にも当然ソレはあるのだが、そのタイミングがオーラスな上、
その後を不明瞭なまま終わらせてしまう、というのはどうなんだろうか?
なので当然、続編を期待したいところだが、以降地下鉄が使えない、とな
ると難しいのかなぁ・・・。