ハヤブサ消防団 森へつづく道

#田舎暮らしミステリー


▼ハヤブサ消防団 森へつづく道 / 池井戸潤(Kindle版)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前作の『ブティック』から約3ヶ月、という、これまでにない短いスパン
で発表された池井戸潤の新作は、4年前にリリースされたピュア・ミステ
リー、『ハヤブサ消防団』の続編。

前作で異様な事件に巻き込まれながらも、田舎暮らしが功を奏し、
“中堅ミステリ作家”から“新進気鋭の期待の作家”くらいの位置まで自らの
立ち位置を上げ、文学賞の最有力候補にまで成り上がった小説家が、今回
も奇妙な事件に巻き込まれる、というストーリー。

大きな流れは二つ。
地元消防団員として発見してしまった不審な水死体に纏わる謎解きと、文
学賞で最大のライバルとなる作品の盗作疑惑がソレなのだが、全く別次元
と思われた二つの事件が、絶妙にリンクする、という「正しいミステリー」
をしっかり展開。伏線の貼り方とその回収手法はやはり絶妙で、かなりの
文章量ながらもページをめくる手が止まらない、という状況。

今回も池井戸作品としては珍しい、ビジネス系の絡まない純粋なミステリ
ーだが、その路線はこの続編でも健在。正確には、幾つかのビジネス要素
も一応出てくるのだが、あくまでスパイスに止め、ミステリーに全振りし
ているところに、池井戸潤という作家の“意地”と“才能”を強烈に感じた。
やっぱりこの作家、売れるべくして売れている。もちろんコレは皮肉でも
イヤミでも無い、正直な意見。おそらく今後も、池井戸先生のメシの種で
いるんだろうなぁ、僕は(^^;)。

ちょっとだけ興味があるのは、この作家が住む素敵な街が「どこをモデル
にしているのか?」ということ。聖地巡礼に持ってこいなんだけど・・・。