MURATA vs GOLOVKIN

#爪痕


さいたまスーパーアリーナで行われたWBA・IBF世界ミドル級統一王座戦
WBAスーパー王者村田諒太と、IBF王者ゲンナジー・ゴロフキンの対戦は、
あまりに感動的な、歴史に残る一戦となった。

試合序盤、ペースを握ったのはなんと村田
GGG背筋が凍るような左ジャブをものともせず、距離を詰めた村田が強烈な
左右のボディ。あのGGGが、伝説のゲンナジー・ゴロフキンが、明らかに村田
の攻撃を嫌がり、苦痛の表情を見せる。カネロとの試合でも、GGGはこんな顔
を見せなかった気がする。

判官贔屓が凄くある見方だが、3Rまでは明らかに村田のペース・・・な気がした。
この段階で、僕は間違い無く夢を見た。もしかしたら、本当に最強のミドル級
の日本人世界王者が誕生するのではないか?と。

しかし、GGGはやはり規格外の強さ
村田のボディを嫌いながらも、時折強烈に入る左ジャブワンツーの効果は絶
大で、村田の顔はラウンドを重ねる毎に大きく腫れていく・・・。

間違い無く劣勢の村田だが、それでも果敢に前に出てパンチを放つ。
そんな村田の姿を観ていたら、試合の途中なのにも関わらず、涙腺が崩壊した。

9R。あのGGGを相手に、9Rまで勇敢に打ち合った村田を、誰が責められよう。
この一戦で村田はカネロやGGGと同じ土俵に居ることをしっかり証明。そして、
村田諒太というボクサーがオールタイムで最強の重量級日本人ボクサーである
ことも証明された。心から拍手を贈りたい。

おそらく今日を最後に、村田諒太はグローブを壁に掛ける
最後の試合を生涯のベストバウトとし、負け試合にも関わらず観客を感動させ
た村田を、僕は心の底からリスペクトする。最高の試合を、ありがとう!

ReMATCH

#黄金のバンタム


井上尚弥が本日記者会見
2022年6月7日、さいたまスーパーアリーナでのタイトルマッチ開催を発表。

WBA・IBF王者井上尚弥と、WBC王者ノニト・ドネアによる3団体統一
王座戦。今や伝説となりつつある3年前のWBSS決勝の再戦。この試合をきっ
かけに、40歳を手前にしたドネアは大復活。もう一度最強の「挑戦者」とし
て、井上の待つリングに上がる。

本当の気持ちを言えば、ジョンリール・カシメロを破って三団体統一王者と
なった井上が、バンタム級最後の試合としてドネアと再戦、の流れが好まし
かったが、カシメロの現在はウェイト調整の失敗などで惨憺たるモノ。カシ
メロは4月にタイトルマッチの予定があるが、正直期待が薄い。

つまり、この試合が事実上のバンタム級最強王者決定戦
井上の年齢を考慮すると、スーパーバンタムに転向するにはこのタイミング
がベストであり、相手がドネアであれば内容も期待できる、もしかしたら、
負けもあり得るかもしれないのがちょっと心配だが・・・。

とにかく期待大。今度はKOで勝利して欲しいなぁ、尚弥・・・。

2022年4月9日(土)・さいたまスーパーアリーナ

#MEGAMATCH


昨年末に予定されながら、コロナ禍で延期となっていた日本ボクシング史上
最大の【メガマッチ】の日程が、遂に決定した。

2022年4月9日(土)・さいたまスーパーアリーナ
WBA世界ミドル級スーパー王座及びIBF世界ミドル級王座統一戦
WBA王者は日本の村田諒太、IBF王者は元統一王者であり、今もなお最強の
呼び声の高いカザフスタンのゲンナジー・ゴロフキン

この延期が、村田にどのような影響を与えているのか?がカギとなる。
村田がミドル級のトップどころと当たるのはこの試合が初めてであり、これ
までの実績を考えればGGGの絶対的な優勢は否めない。しかし・・・。

村田諒太はオリンピックで金メダルを獲得した男。アマチュアルールでは、
誰よりもテクニックに長けていなければ金は取れないハズで、その村田がこ
の延期された期間を徹底したゴロフキン対策に充てていれば、あの強打者を
封じ込めることができるかもしれない。

今風の言い方なら「ワンチャンある」かもしれない。できることなら、その
ワンチャンの可能性が、この期間で格段に上がっていることを切に願う。

・・・もし勝利すれば、村田諒太は神の領域に達するな、きっと。

INOUE vs DIPAEN

#PFP


井上尚弥WBAスーパー&IBF世界バンタム級統一王座防衛戦、今回の会場
日本・両国国技館。この年末、この試合を含めたボクシングのメガマッチ
3試合がマッチメイクされていたが、他の2試合はあえなく延期。そういう
部分でも“持っている”のが井上尚弥である。

対戦相手はタイのアラン・ディパエン。正直言って役不足、もちろん戦前の
予想は10-0井上のKO勝利。ところがこの【噛ませ犬】と思われた選手が、
とんでもない根性を魅せたのだから面白い。

井上の“恐怖のボディ”を何発喰らっても耐え続けるタフネス。倒される間際
まで足を使い続けたのだから、この男も只者では無い。もしかしたら判定も
あるかも、と思ったのだが・・・。

8R、これまでも圧倒的に試合を支配した井上がパンチをまとめ、タイミング
よく入った左ジャブでディパエンは吹っ飛ぶようなダウン。すぐに立って来た
時は驚いたが、事実上試合はここで終了した。

追撃の左フック一発でレフェリーは試合をストップ。井上尚弥はTKOで久し
ぶりのホームでの試合を完勝して魅せた。

この後井上がやるべき試合はただ一つ、ノニト・ドネアとの再戦のみ。
カシメロの所為で悲願の四団体統一は暗礁に乗り上げたが、ソレはスーパー
バンタムで叶えればいい。出来れば日本がいいなぁ・・・。

Holyfield vs Belfort

#正気の沙汰では無い


フロリダ州で行われたボクシング(風)マッチの件。
元統一世界ヘビー級王者イベンダー・ホリフィールドと、桜庭和志
に完敗した男として不本意ながら日本でも有名な元UFC王者ビクト
ー・ベウフォートの一戦。

当初はビクトーと元6階級制覇王者のオスカー・デラホーヤが闘う筈
だったが、デラホーヤの病欠(コロナ感染?)で大会8日前にホリフ
ィールドにオファーがかかったという。

全盛期のマイク・タイソン2勝しているホリフィールドは、間違い
なくボクシング史に残る選手。だからこそ、この試合のオファーを
「受けた」こと自体が間違い、と思われる内容。力の無いジャブし
か打てない老人が、金目当てで取り敢えずリングに上がったとしか
思えない。

結局、2分間も保たずにレフェリーストップ
試合後、ホリフィールドは不満を口にしたそうだが、レフェリーの
ストップは間違いなく正解。アレ以上パンチを喰らったら、下手す
れば命の危険すらあった。

このなんちゃってボクシング流行りの風潮、ちょっとよろしく無い。
あのビクトーがこんな試合に出ちゃうのも悲しいのだから、以前の
印象が強烈なホリフィールドなら尚更。
そんなに金が無いのかなぁ・・・。う〜ん・・・。