PARマンの情熱的な日々

▼PARマンの情熱的な日々(1)-(4)

藤子不二雄Ⓐ先生、いまのところの最新作である「PARマンの情熱的な日々」
を、1巻から4巻まで一気に読んでみた。
明らかにこないだ読んだ「81歳いまだまんが道を・・・」に引き摺られた結果。
Ⓐ先生の作品には、そういう魔力のようなモノが確実にある。

2007年ジャンプSQの創刊時から連載(!)を開始し、2015年12月まで続け
られたⒶ先生日記のような作品。文章と絵の割合はほぼ半々であり、他の作品
と比較すると間違い無く“緩い”のだが、そのユルさを表現する作業がかなり緻密
全く手を抜かないで“手抜き感”を表現しちゃうのだから、生来のヒネクレ振り
やっぱり半端じゃない。藤子不二雄Ⓐのファンとしては、それが本当に嬉しい。

そしてこのキュートな作品をずっと大事にしてくれている集英社・ジャンプSQ
にも、最大限の感謝を。売れている雑誌を作っている会社はやっぱり懐が深い。

今年に入ってから療養中のⒶ先生だが、ある日当たり前のようにこの連載は再開
される、と根拠無く信じている。それまでゆっくり休んで貰い、気が向いた時に
もう一度描いて貰えれば。

Ⓐ先生の新作が読める、という事実だけで、我々はかなり幸せだ。

「暗殺教室」の見事な終わり方

週刊少年ジャンプで連載していた「暗殺教室」
本日売りの本誌にて4週に渡った追撃戦・スピンオフエピソードも終了の模様。
4年弱に渡った連載は単行本にして20冊分全180話+番外編4話
人気はほぼ絶頂期なのにもかかわらず、ストーリーに歪みが出ないうちに潔く
終了。全く以てすばらしい作品だったと思う。

少年誌なのにも関わらず、テーマは「暗殺」。一歩間違えば危険な領域なのに、
どちらかといえば金八系に近いハートフル学園モノの香りを始終感じさせ続け
松井優征の構成力は見事としか言いようが無い。きっと、この作品に影響を
受けて教師を志す若者も増えるんじゃないだろうか?・・・そういう事例が本当
に出て来そう(^^;)。

そして、またもや“定番”が一つ終わってしまったジャンプ。
ONE PIECEは心配無いにしても、人気作品もしくはかつての人気作品(^^;)に
終了ないしは打ち切りの香りのするものがいくつかあるのが気になる。
個人的には篠原健太の新連載を待っているのだが、果たして?

そして、もちろん松井優征の次回作にも期待。取り敢えずお疲れ様でした!

▼暗殺教室19巻 / 松井優征 ※最終巻の一つ前♪

「将棋」に疎い人こそ読むべし!

▼ものの歩 / 池沢春人(Kindle版)

週刊少年ジャンプで連載中の「ものの歩」が妙にオモシロイ
少年マンガとしては異色な将棋マンガ。雰囲気的には専門用語の飛び交う作品
になってもおかしく無いのだが、これがまた実にジャンプらしい調理

連載開始から今に至るまで、技術的な解説が殆ど無い。さながらスポーツ系の
マンガを読んでいるかのような爽快感に溢れ、ジャンプお得意の友情・努力・
そして勝利が全て詰まった快作に仕上がっている。

基本、ジャンプの場合は「下手な鉄砲数打ちゃ当たる」方式でいろんな素材を
登場させ、人気が上がらなければ取り敢えず打ち切り、というのが多いのだが、
この「ものの歩」はどうやら生き残りそう。最近は相撲マンガ「火ノ丸相撲」
も一山当てているから、下手な鉄砲も精度が上がって来たのかも。

その方法論はともかく、唯一のスーパーメジャー誌でありながら冒険を止めよ
うとしないジャンプにはアタマが下がる。次は何が化けるか、すっごく楽しみ!