「怪物」の恐ろしいボクシング

米国・カリフォルニア州カーソンスタブハブ・センターで行われたボクシン
W世界戦セミファイナルに登場した日本井上尚弥は、米国・WBO7位の
アントニオ・ニエベスを相手に横綱相撲、自身の持つWB0世界スーパーフェザ
ー級王座を防衛、米マットで衝撃のデビューを果たした。

言ってしまえば、あまりに「恐ろしいボクシング」
中央に立つのは王者の井上で、ニエベスは足を使ってその周囲をサークリング
する、という展開が主なのだが、それほどフットワークを使用しているように
見えない井上の動きが鋭すぎる5ラウンドに炸裂したボディブローの印象は
かなり強烈。誰もがウゲェと思ったに違いない。

6ラウンド、王者のパンチを警戒した挑戦者が全く中に入って来ない。コレを
挑発する井上の姿はもう神懸かった格好良さ。ダウンこそ奪えなかったものの、
挑戦者に次のラウンドを闘う気力は無く、井上の6R終了TKO勝ち

山中の王座陥落以来、ちょっと寂しくなった感のある日本ボクシング界だが、
怪物感を増した若き王者のおかげで今後が俄然楽しみになってきた。惜しむら
くは、メインでリマッチに敗れたローマン・ゴンザレスとの試合が実現しなか
った(おそらく)ことくらい。

目指すのは三階級制覇でも、統一王者でも、どちらでもいい。
日本にはまだ、怪物・井上尚弥が居る!

MONEY vs NOTORIOUS

8月27日(現地時間)、ラスベガスで行われる「メガファイト」
ルールボクシング・3分12R、スーパーウェルター級契約、8オンスグローブ。
カードはフロイド・メイウェザー・ジュニアvsコナー・マクレガー

メイウェザー5階級制覇パウンドフォーパウンド歴代最強とされるプロ
ボクサーで、マクレガーUFC唯一2階級を同時に制覇した総合格闘家
ボクシングの試合をするのだから、普通に考えればメイウェザーの勝利は動か
ない。しかしこの試合、妙な期待感がある。

UFCでのマクレガーを知っている人なら、彼が殆どの試合をパンチ→パウンド
でカタを付けていることもご存じなハズ。MMAとはいえ、あのパンチの決まり
方は凄まじく、もしマクレガーのパンチが先に当たったら、と考えると・・・。

この試合が決まってから瞬間的に思い出した試合がある。
何年か前の大晦日、魔裟斗山本KID徳史K-1ルールでの一戦がソレ。
KIDがまさかの開幕ダウンを奪い、本職であるハズの魔裟斗がタジタジ。
最終的には逆転で魔裟斗が勝利したのだが、この試合がそういう展開になる
可能性は充分にある、と思う。

DAZNで生中継かぁ・・・。
コレはライブで観ておいた方が良い試合かも。2日前にお試し契約かな?

保存

“山中慎介”という偉大なボクサーは・・・

WBC世界バンタム級選手権
王者山中慎介日本記録となる13度目の防衛を掛け、同級1位のメキシコ、
ルイス・ネリと対戦。結果は4R・TKO「神の左」は、遂に力尽きた。

今回、僕は戦前の予想を素直に「山中のKO勝ち」に出来なかった。
理由は動画サイト等ネリのいくつかの試合を見てしまったから。フック系
強打山中ストレートにも引けを取らないし、何より若いもしかしたら
という思いもあるにはあったのだけど・・・。

それでも、最後は山中がKOしてくれる、との願望を持って観戦したのだが、
無情のTKO負け。終了直後からセコンドのタオルが早い、との指摘が多々あっ
たけど、あのまま続いていたら偉大な王者がKOされるシーンに化けたかも・・・。
そう考えると、セコンドの判断を責めることは出来ない気がする。

・・・いやぁ、想像以上に悔しい
おそらく山中は日本ボクシング史上でも「最強」のボクサーであり、ここまで
ずっと僕らに夢を魅せてくれた。だからもちろん感謝もあるし、ここまでの労
を労う気持ちもあるのだけど、ここで終わってしまうのは・・・。

キャリア的にも年齢的にも、山中に現役続行を求めるのはかもしれない。
でも、もし・・・。もし山中が2階級制覇などの他の目標に向かって走り出すのな
らば、どんな結果になろうが僕は山中に付いていく覚悟がある。

とにかく、お疲れ様でした!
しばらくの間は、何も考えずに休養してください・・・。

村田諒太vsアッサン・エンダム

問題のWBA世界ミドル級正規王者決定戦村田諒太vsアッサン・エンダムを、
ようやくフルラウンドチェック。敢えてエンダムに肩入れするつもりで素人
採点を試みたのだが、それでも村田の大差判定勝ち・・・なような気がした。

WBAは試合翌日に会長から謝罪コメントがあり、ジャッジ2人の資格を停止。
その上でダイレクトリマッチ(次戦で同一カード再戦)の指示を出し、村田
を徹底擁護する体勢。だけどねぇ・・・。

まず、村田はKO勝ちをするべきだった。エンダムは決して酷い選手ではなか
ったけど、あの程度の選手に判定まで持ち込まれてしまうのなら、統一王者
ゴロフキンに遠く及ばない。この試合はあくまで「正規王者決定戦」であ
り、その上にスーパー王者が存在することを考えると、文句の無い勝ち方を
するのはマストだったように思う。

そして、日本人として「疑惑の判定」に文句が言い辛いのも事実。
亀田兄弟の一連のタイトルマッチ等で解るように、あきらかなホームタウン
ディシジョンを連発していた時代が、ホンの少し前にあった。間違っている
とはいえ、ジャッジの判定はエンダム勝利だったのだから、コレは認めざる
を得ない・・・んじゃないかなぁ、と。

個人的には再戦の必要は無い、と考える。もし次に村田がエンダムと闘えば、
今度はきっと村田が勝利すると思うのだが、それは名目上チャンピオンにな
るだけであって、真の「ミドル級世界王者」となるワケでは無いのだから。

村田が次に狙うべき世界王座は、WBO世界ミドル級選手権しか無いと思う。
タイトルホルダーはイギリスビリー・ジョー・ソーンダース。無論大物だ
が、このタイトルを取ればゲンナジー・ゴロフキンへの挑戦資格は充分。
本物かどうかも疑わしいベルトに執着するより、文句の無い世界王座を。
僕が村田に望むのは、そういう“強い王者”の姿だな、やっぱり。

村田諒太、敗北!?

宿泊場所にテレビ無い。そして、ネット繋がらない。携帯も4G全滅で、
3Gが繋がったり繋がらなかったり。一瞬3Gが繋がった時に、飛び込んできた
ニュースに仰天する。

村田、タイトル奪取失敗・・・。
ダウンを奪いながらも判定で負けた、ということだけ辛うじて解ったのだが、
有明コロシアムでいったい何が起こったのか?

悔しすぎる・・・。