ONE PIECE magazine Vol.14

#RIVALS


▼ONE PIECE magazine Vol.14

コミックス102巻のリリースに合わせ、翌日に発売されたOPM13号
今回の特集のタイトルは「RIVALS」。これまでルフィと戦ってきた
総勢39名のライバルたちが、かなりの物量で紹介されている。

初期のクリークなど、存在自体を忘れていた(^^;)キャラも居たが、
それよりも実力的にライバル認定したくないキャラもチラホラ。
昔ならその筆頭にベラミーの名前を挙げた気がするが、彼が見事な
ベビーターンを果たした今、いちばんのクソ雑魚候補(^^;)は、や
っぱりホーディ・ジョーンズかな? ワポルシーザーも捨てがたい
けど。

ちなみに次号vol.15では『ONE PIECE FILM RED』の総力特集。
映画観てから読むべきなんだろうなぁ、きっと。

シェア

#イヤミスの教祖 #ミスリードメーカー


▼シェア / 真梨幸子(Kindle版)

2022年最初の真梨幸子作品。
今回もイヤミスの王道を行く作品で、もう他の追随を許さないクオリティ
メチャクチャ面白かったのだけど、ちょっとだけ背景を深堀り

今作品のテーマ「真梨幸子のコロナ禍解釈」にすべきかと。
何人かの作家がコロナ禍の状況を加味した作品を出しており、そのおおよ
そは通り一辺倒なカタチに収まってしまいがち。しかし、我らが幸子サマ
発信手法はあまりに見事コロナ連鎖倒産や何故か価値の上がった不動
、そして持続化給付金詐欺など、実際に起こった事象をしっかりとイヤ
ミスにアダプト。これにはハッキリと唸らせていただきました

残念ながら今回は珍しく途中で結末が読めてしまったが、それすらも楽し
めてしまうのがポイント。登場人物に善人の類いは一人としておらず、誰
もかれもがダメ人間(^^;)、という状況で作品を構成するのは、真梨幸子に
しかできない芸当な気がしてならない。

イヤミスが大好物な僕からすると、至極の快楽
次はどんな悪意が来るのか、と思うと、もう楽しみでしょうがない。
今年の真梨幸子にも更なる注目を!

タコピーの原罪

#大問題作


▼タコピーの原罪 / タイザン5(Kindle版・上下巻)

ジャンプ+で連載されていた大問題作タコピーの原罪」。
ネットでは各所で話題になっており、僕も早い段階で上巻は読んでいた
のだが、ここに来て下巻がリリース。いいタイミングなので、物語を通
したカタチでレビューを。

ゆるキャラにしか見えない主人公の宇宙人・タコピーが放り込まれたの
は、残酷すぎるイジメの渦中に居る女の子の側ハッピー星人であるタ
コピーは、その少女をなんとか楽しくさせようとするのだが、やること
なすことが全て裏目に出て・・・という内容。

とにかく、話題になる理由明白。それは「イジメ」の描写がリアルを
通り越して【恐ろしさ】を感じるレベルであるから。

僕らの世代からハッキリとしたカタチを見せ始めた「イジメ」の現状は、
加担する側・される側のどちらかに、強制的に属されてしまう場合が多い。
今から思えば吐き気のする状況なのだけど、だからこそいじめている人の
気持ちも、いじめられている人の気持ちも、それなりに解ってしまう。
普通の人間なら、そこでジレンマを感じるハズ。

この作品で現出するイジメは相当酷いモノで、その加害者は因果応報と
ばかりに恐ろしい目に遭うのだが、その後に「何故そうなったのか?」が
しっかりと明らかになる。ここで生じるジレンマは、僕がこれまで味わっ
て来た同種のモノの中でも相当な根深さで、深刻なトラウマになったほど。
正直、少年マンガのカテゴリーに入れるのもどうかと思ったのだが・・・。

まさか、こういう落とし処があるとは!と思わず感心したラスト
ある種無理矢理な感こそあるものの、この終わり方であればなんとか心の
モヤモヤを払拭できる。いや、本当に良かった、マジで。

とにかくジャンプ+の連載は要チェック
今年の「このマンガがすごい!」、取るだろうな、きっと。

TRACE

#時をかける新人


▼TRACE 東京駅おもてうら交番・堀北恵平 / 内藤了(Kindle版)

内藤了東京駅おもてうら交番・堀北恵平シリーズ第七弾
新人女性警察官・堀北恵平、通称ケッペーちゃんと、先輩刑事・平野
はそろそろタイムリミットが近い。うら交番「謎」とは・・・。

今回は完全に終幕前のクライマックスうら交番柏村さんは冒頭か
らずっと出ずっぱり状態の上、未来から来た二人を完全に受け入れて、
長きに渡った謎を解決する気満々。一方、ケッペーちゃんは現代の東
京駅で、大事な人を失う・・・という感じ。

シリーズ第一作から散りばめてきた伏線は続々回収されているのだが、
肝心なところの謎は謎のママ(^^;)。もちろん、こうじゃないかなぁ、
という予測は立つが、それが最後まで楽しめる構成になっているのは
さすが。

おそらくメインタイトルに『LAST』の付く次回作(このシリーズは最
後に次回作の触りが記載される)が最後になるかと。ずいぶん長いシリ
ーズと思っていたが、その歴史は約4年。皆が納得する“ラスト”を期待
します!

恋愛中毒

#Harem Shuffle


▼恋愛中毒 / 山本文緒 (Kindle版)

Kindleのリコメンドに出て来た本。
山本文緒直木賞受賞の女流作家で、この作品はその前に吉川英治文学新人
を取っている。ストレートなタイトルに、過度な期待をしていたのだが・・・。

基本的には極度の人見知り孤独に慣れているタイプの女性が主人公。
大学時代から付き合いのある男性と離婚、一人で慎ましく生活していたとこ
ろ、ファンだった作家(兼タレント、既婚)と遭遇。豪放な人柄に惹かれ、
彼の秘書兼愛人に。彼の事務所には、他にも複数の愛人が・・・という内容。

いわゆる恋愛体質とか恋愛依存症というのは、どちらかといえば男性に多い
とされており、主人公の女性はまさにソレをこじらせたパターン。だから、
途中まで女流作家の書いた文章とは思えなかったのだが、中盤から終盤にか
けてのたたみかけで戦慄。越えてはいけない一線を越えてしまう部分は恐怖
でしかなく、オンナって怖ぇ、と心から思った。

さらに終盤には主人公の驚くべき秘密も明らかになり、ますますサイコ感
増して行く。さすが直木賞作家、いたるところに才能の片鱗が見える快作

とはいえ、ラストまで読んでも更に感じる薄気味悪さ(^^;)は、読む人をあ
る程度選ぶのかもしれない。

ドロドロ系とはまた違う、サイコヒューマンミステリー、かな。
少なくとも読み応えは充分なので、興味を持った方はぜひ!