Prime Boxing 10 day2

#Another Monster


Prime Boxing 10有明2days二日目
最初に第一試合、アンソニー・オラスクアガvsジョナサン・ゴンサレス
ついては、偶然のバッティングでゴンサレスが負傷、ノーコンテストとな
ったため、レビューはせず。アンソニー、次に期待!

■第二試合:WBO世界スーパーフライ級選手権
前回防衛戦が中止となった王者の田中恒成が、同級6位、南アフリカのプ
レレ・カフを迎え撃った試合。カフの情報は殆ど入ってこなかったのだが、
どんな相手でも恒成が負けるワケが無い、と思ってたのだが・・・。

カフがとにかく凄い。初めての日本であの田中恒成を相手に、全く動じる
ことなく互角の闘いを展開。恒成ももちろん互角に渡り合うが、5Rにカフ
ダウンを奪う。このダウン、かなり致命的だと思ったが、恒成はなんと
か回復。後半はかなり盛り返したが、カフからダウンを奪い返すことは出
来ず・・・。このダウンの差が判定に出た。まさか・・・。

■第三試合:WBOアジアパシフィックバンタム級選手権
この二日間で唯一の世界タイトルマッチでは無い試合。前回の目の覚める
ようなKO劇で勢いに乗る那須川天心が、2位のジェルウィン・アシロ
空位のWBOAP選手権を争う。もちろん天心のKOが期待されたが・・・。

アシロ思った以上にやる選手だった、という結論。
具体的には、カウンターを狙う天心にそのチャンスを殆ど与えないボクシ
ングに徹し、その距離のまま時折左右の強打を振るう、という厄介な相手
そんな相手に対し、パンチを裁いた上で9Rにはダウンを奪ったのだから、
やっぱり天心も並のボクサーでは無い。しかし、アシロがいくら良い選手
だとはいえ、あくまで東洋レベル。今のままでは現状のバンタム級世界王
者の四人に、全く届かないと思う。
それは本人もしっかり理解している気がするので、今後の2〜3試合で更な
る成長を期待。天心なら出来ると思うんだけどなぁ・・・。

■第四試合:WBC世界バンタム級選手権
“NEXT MONSTER”こと中谷潤人が、同級1位、タイのペッチ・ソー・チッ
トパッタナと二度目の防衛戦。凄いのはペッチの戦績で、77戦76勝1敗
うち53試合KO勝利。1敗は井上拓真に喫したモノ。ちなみにこれまで
一度もダウンした経験が無い

・・・レベルが違う
いやもう、最初から最後まで口アングリ状態になるくらい、中谷の強さば
かりが際立つ。これまでダウン経験の無い強打者を文字通り子ども扱いし、
ほぼほぼ被弾することなく6R二度のダウンを奪い完勝。
もし中谷に勝利する選手が居るとすれば、それはもう井上尚弥しか思い浮
かばない。同時に、井上尚弥を倒す可能性のある選手も、中谷潤人しかあ
りえない、とまで思った。この試合がいつ実現するか解らないが、仮にス
ーパーバンタム級で実現するなら五分五分、フェザー級以上で実現するな
中谷の勝ち、な気がする。
中谷は既にNEXTではなく、もう一人のモンスター。このカード、そろそ
現実味を帯びてきたかも!

Prime Boxing 10 day1

#オトウト


Live Boxing改め、Prime Boxing 10有明2days初日
どうレビューするか迷ったのだけど、殆どの試合が世界戦なので、1試合
ずつ触れていければ、と。

■第一試合:WBO世界ライトフライ級王座決定戦
出場したのは同級1位の岩田翔吉と、2位のハイロ・ノリエガ。岩田はアマ
チュア時代に井上拓真・田中恒成に勝利しているのだが、2年前に世界取り
に失敗し、同期に比べて出世が遅れていた選手。

・・・岩田すげぇ強い
前回の世界戦で感じたアマチュア臭さが完全に抜け、相手を倒すボクシン
を魅せた上での完勝劇。ここ最近の試合を観ていなかったので、この変
貌ぶりに感動さえした。
試合後は、前日にIBF同級王座に就いた矢吹正道との統一戦を示唆。この
カード、実現したら好試合必至。ちょっと楽しみにしておきます!

■第二試合:WBA世界フライ級選手権
王者のユーリ阿久井政悟が、8位のタナンチャイ・チャルンパックと二度
目の防衛戦。タイのタナンチャイ、ランキングこそ下位だが、若くてスタ
ミナに長けた選手。

僕は阿久井に対し、かなりの安心感を持っている。一発こそ無いが、相手
のパンチを上手くかわし、コツコツ有効打を当てる戦法は見事。阿久井の
凄いところはコレをフルラウンドに渡って出来ること。今回も全く予想通
りの展開で、12Rに渡ってタナンチャイを完封・・・したと思っていた。
判定がスプリットだったのが本当に疑問。どんな基準で採点したのかな?

■第三試合:WBC世界フライ級王座決定戦
二団体のライトフライ級王座を返上、フライ級でWBC1位にランクされた
寺地拳四朗が、2位のクリストファー・ロサレスといきなり王座決定戦
試合前はロサレスの体格の良さに少し不安が残ったのだが・・・。

いやぁ、見事。拳四朗は一階級上の相手に怯む様子は全く無く、多少被弾
しながらも前へ出て、相手の顔を壊す作業を淡々と繰り返す。ロサレスも
なかなかタフな選手な上に、リングサイドにはチームメイトの“カネロ”
サウル・アルバレスの姿も。しかし、11R開始後実施されたドクターチ
ェック鼻骨骨折が判明、拳四朗が転級初戦世界王者となった。
こうなるとどうしても期待してしまうのが阿久井との統一戦。メチャクチ
ャシビれる試合になると思うのだが、どっちを応援しようか迷う・・・。

■第四試合:WBA世界バンタム級選手権
王者の井上拓真に挑戦したのは、2位の堤聖也。堤は高校時代に拓真に敗れ
たことがトラウマになっており、この試合が「最終目標」である、と公言。
大きな試合こそ無いが、堤は何気に無敗。こういう選手は怖い

まず最初に言っておくと、この試合は井上拓真のベストバウトだと思う。
とにかく異様な気迫で拳を振るってくる堤を正面から迎え撃ち、もの凄い
打ち合いを魅せてくれた。10Rダウンは僕もスリップだと思うが、その
前のパンチが効いていたことも事実。堤の執念を褒めるべき。

僕は井上拓真というボクサーをかなり評価している。
どんな相手でも12R闘えるスタミナがあるし、細かなテクニックもかなり
のモノ。だからKOを狙うボクシングではなく、しっかり守るボクシング
に徹すればこの試合、勝てないまでも「負ける」ことは無かった気がする。
偉大な「兄」の存在が無ければ、とは思うが、ソレが無ければ注目されな
かったかも、と考えると複雑。リベンジして欲しいな、コレは。

Lemino BOXING World Championship × 2

#初の不完全燃焼


有明アリーナ『Lemino BOXING ダブル世界タイトルマッチ』をLeminoの
生中継にて。スーパーバンタム統一王者井上尚弥二度目の防衛戦であ
り、ドーム後初となる大事な一戦。状況的に負けの許されない試合だった
のだが・・・。

対戦相手は元IBF同級王者TJドヘニーパワーに溢れるインファイター
で、一発の威力に関してはネリ以上との触れ込みだったのだが、序盤に
尚弥のパンチをガードの上から受けただけで意気消沈してしまった模様。
インファイターなのに全く前に出されて貰えない展開。

尚弥は特に倒しに行くでもなく、ヒット・ガードを正確に繰り返す教科書
のようなボクシング。それでも7R開始時、ようやくラッシュに出たのだが、
その瞬間にドヘニーは腰の負傷を訴えてギブアップ・・・。

さすがに今日の試合を観戦したお客さんはちょっと気の毒(^^;)。
井上尚弥の全キャリアで、初の不完全燃焼試合だったんじゃやないかと。
強すぎるとこういうことも充分起こりうる。次の対戦相手、大丈夫か?

そしてセミで行われたWBO世界バンタム級タイトルマッチ武居由樹
比嘉大吾の一戦が凄い内容。両者のボクシングレベルが余りに高いところ
で拮抗し、3Rを超えたところで「ずっと観ていたい」と思ってしまった。

判定武居に上がったが、ダウンを奪ったのは比嘉。個人的には引き分け、
もしくは僅差で比嘉かと思ったが、比嘉本人が判定に納得しているような
ので、文句は全く無い。比嘉は試合後に引退を示唆したが、正直もったい
ない。なんとか続けてくれないものか・・・。

もう一つ、第二試合で行われたウェルター級佐々木尽アジア二冠王座
防衛戦についても。オーストラリアのカミル・バラ、ランキング10位にも
関わらず、打たれ強くアグレッシブな非常に良い選手。しかし“僕らの希望”
である尽は、そんな挑戦者を見事にKOしてくれた。

テレンスがスーパーウェルター級に転級したため、尽の世界獲りが一歩近
づいた感。相変わらずディフェンスがちょっと怖い(^^;)のだが、絶対に
天辺へ上り詰めて欲しいキャラクター。組まれるかな、タイトルマッチ。

井上尚弥は12月にもう1試合やるらしい。
対戦相手はサム・グッドマンが有力だが、判定の多いボクサータイプに
尚弥が苦戦するとは思えない。それならまだ、アフマダリエフの方が良
い気がするんだけど・・・。

INOUE vs DOHENY

#いつもの「不安」


有明アリーナで行われる井上尚弥四団体統一スーパーバンタム級世界タイトル
マッチが、あと3日に迫ってきた。

あれだけ尚弥の試合を観ているのに、毎回感じる一抹の不安(^^;)。
対戦相手のTJドヘニー元IBF同級世界王者であり、パンチの強さでは定評のあ
る選手。それでも尚弥の相手になるとは思えないのだが、もしかして一発を貰っ
てしまったら・・・などと考えてしまう。まぁ、これまで覚えた不安は、毎回杞憂
に終わってくれているのだけど・・・。

そしてセミファイナルのWBO世界バンタム級タイトルマッチ、王者の武居由樹
比嘉大吾が挑む一戦も大注目。武居が強いことは解っているが、僕は体調万全
な比嘉が強いことも知っている。もし比嘉が世界王者時代と同等のコンディショ
ンを作って来たのなら、本当にどちらが勝つか解らない・・・。

そしてアンダーマッチでは、ウェルター級の佐々木尽OPBF・WBOAP王座の
防衛戦。実はこの試合、メインと同じくらい興味がある。尽にとっては正念場
コレをクリアして、世界に行って欲しい。

なんだかんだで見どころの多いスペシャルイベント。ボクシングの一人勝ちは
しばらく続くだろうな、きっと。

10月・有明2days

#World Champion Carnival


アマゾンジャパン記者会見
10月13日・14日両日、有明アリーナにて『Prime Video Boxing 10』の開催
をアナウンス。二日間7つの世界タイトルマッチ1つのアジアパシフィック
タイトルマッチが行われる。

これまで「Prime Video Presents Live Boxing」として開催されていたボクシ
ングイベントは、解りやすく「Prime Video Boxing」に名称が変わる。ナンバ
リングはそのままで、記念すべき第十弾興行一つのイベントで世界戦7試合
というのは、日本ボクシング史上初の試みとなる。

注目しているのは、初日・二日目のそれぞれのメイン
おそらく初日はWBA世界バンタム級王者・井上拓真、二日目はWBC世界バン
タム級王者・中谷潤人の防衛戦になると思われるが、どちらの試合が内容で
上を行くのか?というのがポイント。現状では明らかに中谷が拓真を上回る
が、両者共に防衛、その後に統一戦、という流れが相応しい。拓真が圧倒的
に勝てれば、コレも夢のカードになりそうなのだが・・・。

とにかく、今現在日本の格闘技のメインコンテンツは間違いなくボクシング
もちろんコレには“集客”という要素も含んでいる。
かつてK-1・PRIDEが隆盛を極めた頃には、こんな状況は考えもしなかった。
そして10月14日、新日本プロレス両国と被る。キツいな、コレは・・・。