#コント
高校生の頃の話。
日本のパンク・インディーズに完全に傾倒していた僕は、その枠をサブカル全般
まで拡げていた。定期購読している雑誌は宝島、通うレコード屋は六本木WAVE。
そして、毎週欠かさず観るテレビ番組は冗談画報だった。
その冗談画報のプログラムに、見慣れない異様な風貌の4人組が。
YAZのリズムに乗せて裸同然で妙な事を叫び、とんでもなくシンプルかつシュー
ルなネタを矢継ぎ早に繰り返す。客席四方に散り、全員で「通りゃんせ」を歌う
『スクランブル交差点の真ん中にいる感覚』には、正直度肝を抜かれた。
それまで観たことのない新しいコント。彼らはダチョウ倶楽部と名乗っていた。
以降、テレビでバラエティを観る度に、ダチョウ倶楽部のメンバーを見掛けるよ
うになっていく。人数は1人減って3人になり、かつてのようなラジカルさは無く
なっていたが、それでも身体を張りまくる姿に爆笑。時間が経過するにつれ、1人
は肉料理と筋肉の専門家に、1人は森本レオの兄弟分に、そしてもう1人はいつ如
何なる時も熱湯に飛び込む、という唯一無二とも言える立ち位置を獲得。いつの
まにか、茶の間になくてはならないグループとなっていた。
・・・上島竜兵。
リアクション芸というそれまで誰もやらなかった分野を開拓し、続々とフォロワ
ーを産み出した。大仁田厚のモノマネをやり始めた時は呆気に取られたし、出川
哲朗との鉄板と言って過言の無い絡みは、バラエティ界の宝だと思う。
だから、あなたは居なくなってはならない偉人なハズ。
何があったのかは解らないし、どんな辛い思いをしていたのかも解らない。
でも、あなたが居なくなったことで、どれだけの人たちが悲しく寂しいか・・・。
だから、冥福は祈りません。
どこかで必ず、どうしてこうなったのかを説明してもらいたい。その結果は、
きっと大笑い出来る些細なこと、と信じています。
だからまた必ず、どこかで。