W県警の悲劇

▼W県警の悲劇 / 葉真中顕(Kindle版)

期せずして強化月間驀進中葉真中顕作品。はやくも4作目
こちらは警察小説、全6篇から成る連作短編集。W県という架空の都市の
県警とそれに付随する各地の所轄警察署を舞台に繰り広げられるミステリ
ーで、各篇に細かくリンクが貼られており、長編小説並みの手応え。

この作家のアドバンテージは叙述トリックどんでん返し
どんでん返しの部分は、その分野の神様とされる中山七里にはやや及ば
ないが、そこに組み合わされる叙述トリックがこれまでの誰よりも優秀
今回は「欺されないぞ、暴いてやる!」という気概を以て読書に臨んだ
のだが、1〜4話までは完全にやられた。特に3話「ガサ入れの朝」に関
しては、もう反則だろ、と指摘したくなるくらいの巧妙さで、結局その
テクニックに舌を巻いた次第。

しかし、さすがに見破ったぞ、5話6話(^^;)。
ただ面白いことに、トリックが思った通りであったとしても、普段他の
作家に感じる「こんなもんかよ?」という悪態をつく気になれない
そうか、そういうことを考えるのか、というシンパシーまで生まれて来
ちゃってるらしいから、僕は本当にこの作家にハマっている

いやぁ、この強化月間はまだまだ続くなぁ、きっと。
今月中にリリース分を読み切ってしまいそうなのがちょっと怖いけど、
怯まずに進むつもり。さて次は・・・。

ロックン・ロール

どうかな?と思った時期もあるし、期間としてはその方が長いのかも。
でも、やっぱりこの人が居なければ日本ロックン・ロールは根付か
なかったのかもしれない。

一瞬たりともブレなかったその人生は、間違い無く認める
内田裕也、アンタやたらカッコ良かったぜ!

glee

・・・遂に手を出してしまった米国ドラマ「glee」。ちなみにhuluの配信。
こうなることは最初から予測されていたのだが、見始めてしまったらもう
止まらない(^^;)。ここ3日間でシーズン2の中盤まで一気に見てしまった
のだから凄い。

基本、好きなんだよなぁ、合唱が。
おそらくコレは中学校時代に培った精神。僕の通っていた中学校は時代的
にも地域的にもやたら荒れていた(^^;)のだけど、何故だかクラス対抗の
合唱コンクールだけはほぼ全員が真剣にトップを狙う、という不思議(^^;)。

それはともかく。
このドラマに登場する合唱部・・・グリークラブ・・・は、そういうレベルを
余裕で超えているエンタテイメントで、何より採り上げられている楽曲
やたらイカすストーンズビートルズはもちろん、ジャーニークィー
、挙げ句はインフォメーション・ソサエティまで、いちいちビンビンく
る曲で凄いレベルのパフォーマンスを魅せてくれるから、やたら楽しめる。

ただ、高校生の色恋沙汰なんかは、正直今の僕にはもういらない要素(^^;)。
でもきっと、今リアルタイムにティーンな連中にはやたら響くんだろうな、
とは思う。あと30若ければ、もっと楽しめた気がする。

シーズン6まであっという間に観そう(^^;)。
平行してサントラを全部入手する作業も開始。楽しいね、この番組。
↓↓今のところお気に入りを2つばかり。生で観たいなぁ、こういうの。

チャンネルはそのまま! on NETFLIX

HTB開局50周年ドラマ「チャンネルはそのまま!」を観た。
ちなみにまだ本放送の前なのだけど、NETFLIX全話先行配信される、
というある種太っ腹な企画(^^;)。

総監督にヒットメーカー・本広克行の名前こそあるが、プロデューサー
や監督陣の中には藤村忠寿・嬉野雅道・多田健・坂本英樹・福屋渉とい
ったバカの皆様(^^;)にはお馴染みの名前が。今や日本でいちばん有名な
ローカルTV局が、全精力を傾けて本気の作品を作った、ということ。

視聴前からいろいろな情報を読み漁った上で観たのだが、良い意味でも
悪い意味でもHTBらしい攻めたドラマ芳根京子という最終兵器彼女
恐ろしい芝居をさせると同時に、バカならお馴染みの北海道キャラたち
が大挙出演。特にオクラホマの2名がかなり良い演技を見せてくれたの
には驚いた。

そして、影の主役はやっぱり大泉洋。今やアカデミー俳優なのだから当
たり前なのかもしれないが、演技で人を泣かせることの出来る俳優なの
が凄い。もっとも、NACS5人全員にその素養があるのだが。

そして・・・。
いちばん泣けたのは全5話を見終わった後
このドラマはHTBの旧社屋を使って撮影されている。平岸・高台公園
側にあるこの建物は、ある意味で聖地。もうあの場所にHTBが無い、と
思うと、何故だか妙に泣けてきた。一度行きたかったな、あそこは・・・。

ロスト・ケア

▼ロスト・ケア / 葉真中顕(Kindle版)

早くも3本目となる葉真中顕作品。
「介護」を題材としたミステリー小説。犯罪者・検察官・被害者・民間
の介護企業担当がランダムに語り部を勤め、伏線の貼り方からその回収、
ストーリーの構成まで、全てに於いて非常に高いレベルでまとまってい
「傑作」、と最初に言い切っておく。

・・・凄い
いや、冗談ではなく、ここ最近で読んだ本の中では最強のインパクト
現状の社会情勢そのものを思いっきり考えさせられる内容で、あまりの
リアリティ本気の震えが来た程。この作品に凡百のホラー小説が束に
なっても叶わないくらいの「怖さ」があるのは、もしかしたらかなり近
い将来、自分がこういう世界に置かれる可能性がやたら高いから。そう
なった時に、自分がどうするか?の審判を迫られた気がする。

ここからちょっとネタバレなので注意。

何が怖かったのかと言うと、例えば自分が要介護認定となった、あるい
はなりそうな場合、やっぱりなんとかして自らの命を絶とうとしてしま
う気がすること。介護・・・いや、世話をしてくれるであろう何らかの身内
にかけてしまう迷惑を思えば、それだけで「ただ生きている」ことが
えられなくなる自信がある。

もっともっと怖いのが、自分がこの作品の真犯人と同じように、重度の
介護が必要な身内を持ってしまった時、どういう感情を持つのか?とい
うこと。この作品の冒頭から出てくるワード、「安全地帯」を確保出来
るか否か・・・。ソレを考えると・・・。

とにかく葉真中顕、完全に僕の心にを打ってくれた。
今のところ著作はそれ程多くなく、近いうちに全てを読み切ってしまう
のは確実。初めてかもしれない。「恐怖」に支配されるのは。