STAR BATTLE JAPAN 2016

本当に久しぶりに後楽園ホールへ。
ここに来るのは今年4月の王道旗揚げ戦以来。物心が付いてからこれだ
け長い間プロレス観戦から遠ざかったのは下手すれば初めて(^^;)かも。

メキシコのプロレス団体・AAAが12年ぶりに団体ごと日本に上陸。
ライバルのCMLL新日本と提携し、毎年1回必ず日本で興行を打つの
だが、オポジションであるAAAは本当に久しぶり。観客のノリもやっ
ぱりCMLLとはちょっと違う。こっちの方がプロレスっぽい感じ。

注目はセミとメインの2試合。
セミファイナルは今年のトリプレマニアメインイベントと同じカード
で、前回勝利したサイコ・クラウンに雪辱を期すパガノが挑んだハード
コアマッチ。両者とも間違い無くヘビー級なのに、動きが速いこと!!

サイコはあのブラソ・デ・プラタの息子。つまりCMLLのマキシモの兄
に当たるレスラーで、おどろおどろしいマスクの割にコミカルで激しい
プロレスが特徴。対するパガノは見るからに大日本系の危険人物(^^;)。
声援を集めるサイコを振り切り、パガノがリベンジを果たすッ!

メインは日墨混成の豪華トリオが実現。
元WWE王者レイ・ミステリオJr.NOAH丸藤正道王道と組み、
ペンタゴンJr.テハノJr.ブライアン・ケイジと闘う好カード。
大中小の3人、同じコーナーに居るだけで絵になる♪

一方、AAAルード軍のキーマンはセロ・ミエドことペンタゴンJr.
王道に初来日した時から注目していたのだが、この選手相変わらず凄い
跳び技などの派手さは無いが、迸る雰囲気は正しくプロレスラー
まるでダイナマイト・キッドの試合を観ているかのよう。

フィニッシュはファンタスティック・フリップからのボディプレス
ミステリオがケイジをフォール。この2人にしか出来ないフィニッシュ。
場内は大爆発

最後は3人でこんなポーズも。
プロレスの面白さが詰まった、最高のメインイベント。なんなら、あと
20分くらいやってくれても全然良かった気がする。

終了後にマイクを持った曙は、来年AAA大会開催を宣言。コレに観客
も大歓声で応える。こりゃあ来年が楽しみになって来たぞ・・・。

最初から最後まで、本当にすばらしい興行。
しばらく観戦から離れていた所為もあるのだが、こういう試合なら何度
でも見たい。実現してくれたAAAと、NOAH・ZERO1・王道・WAVE
感謝。そして誰よりもミステリオJr.ペンタゴンJr.に感謝だ!

KING OF PRO-WRETLING 2016

新日本プロレス、秋のビッグマッチとして定着した「King of Pro-Wrestling」
両国国技館大会をNJPW Worldにてライブ観戦。
1.4東京ドームのメイン(?)が決まる、かなり重要な位置付けの大会。
今回は後ろ3つの試合を順番にレビュー。

▼第七試合:NEVER無差別級選手権 
(王者)柴田勝頼 vs カイル・オライリー(挑戦者)

新日本の流れにほぼ乗らず、「自分の世界」を構築し続ける王者の柴田
ハッキリ言えばかなりハナに付く行動なのだが、昭和の新日ファンにいちばん
響くのが柴田の試合だ、というのも明白な事実。今回も“凄い”試合だった。

柴田はもちろん凄いのだが、その柴田の世界に踏み込んでくる選手たちが本当
に魅力的。カイルはUWF・・・と言うより、バトラーツスタイルのバチバチした
展開を得意とするが、今回はそれが極まった感。これまでのNEVER選手権の中
でも屈指の好試合。両者に心より拍手!

▼セミファイナル:東京ドーム・IWGPヘビー級王座挑戦権利証争奪戦
(権利証保持者)ケニー・オメガ vs 後藤洋央紀(挑戦者)

外国人で初めてG1を制覇し、新日本のトップグループの一角に確実に食い込ん
で来たケニー。ヒール的な動きをしながらも、新日ファンから絶大な支持を得
るケニーがすんなりドーム出場成るか、という試合。

熱戦を制したのはケニー。ここはいろんな贔屓目を抜きに考える。
ビッグマッチの後藤の試合は例外無く盛り上がるし、グレードもそこそこ高い
ただ、悲しいことに誰も後藤の勝利を望んでいない、という現実を、もう少し
考えた方が良い気がする。正直、僕も後藤は好きではないのだが、いい加減か
わいそうになってきた・・・。必要なのは根本を変えること。そうでないと、後藤
が新日本の頂点に立つことはずっとない気がする。

▼メインイベント:IWGPヘビー級選手権
(王者)オカダ・カズチカ vs 丸藤直道(挑戦者)

G1公式戦でオカダを破り、勇躍両国に乗り込んだ方舟の天才・丸藤
現段階でかなりピンチなNOAHだが、ここでIWGP奪取があれば、完全な巻き返
しが可能。しかし、オカダにも負けは許されない。いろんな意味で注目度抜群
の試合。

試合のペースを終始握ったのは丸藤。自分より上背のあるオカダを相手に一歩
も引かず、要所々々で強烈な逆水平を見舞う。久しぶりにオカダがグリーンボ
ーイみ見えてしまったのだから、やっぱり丸藤のプロレスラーとしてのレベル
は高い。

試合は丸藤の攻めを最後までなんとか受けきったオカダが逆転勝利。
フィニッシュのレインメーカーに入る前に繰り出した技はNOAHファンの神経
を逆撫でするエメラルド・フロウジョン。コレ、賛否両論あるだろうなぁ・・・。

とにかく、これで1.4ドーム・IWGPヘビー級選手権のカードが確定
オカダvsケニーがメインになるか否かは、IC王者・内藤の動き次第。おそらく
組まれるであろうIC王座戦が、内藤vs棚橋になったら、もしかして・・・。

10月になっても予断を許さない新日本。2017年のドームは、どうなる???

CWC #10 Episode Final

「WWE CRUISERWEIGHT CLASSIC」、シーズンファイナル
日本に縁のある選手ばかりが残った準決勝2試合決勝1試合をライブで配信。
もちろん、優勝候補大本命飯伏幸太に注目が集まったのだが、果たして・・・。
今回は準決勝2試合と決勝1試合のみレビュー。

▼ 〇グラン・メタリック(ドラダスクリュードライバー)ザック・セイバーJr.×

元新日本プロレスマスカラ・ドラダことメタリックと、元NOAHザックの一戦。
立体殺法のエキスパート欧州スタイルのレスリングマスター、完全に対極に居る
と見られる二人が正面から激突した。

ザックの関節技にドラダは苦戦する・・・と戦前は予想していたのだが、どうしてどう
してドラダが完全にザックの動きに付いていく。メキシコ流のジャベと新日スタイル
グラウンドのミックスでザックに劣らない動きを魅せるのだからさすが。

熱戦に終止符を打ったのは必殺のドラダ・スクリュードライバー
両者共に持ち味を出し尽くした上での名勝負であり、これに勝利したドラダに
大拍手。3カウントが入った瞬間に大声を出してしまった! ドラダ、決勝進出!

▼ 〇T.J パーキンス(リバース足四の字固めwithフェイスロック)飯伏幸太×

元DDT・新日本飯伏元新日本LA道場TJ。期せずして双方新日本系であり、
これまでの両者の試合内容から期待値がかなり高かった試合。もちろん、期待に違わ
ぬ最高の試合となった。

いわゆる“噛み合う”試合。雰囲気的にはDDTで話題になった飯伏vsエル・ジェネリコ
の雰囲気に酷似した、レベルの高い空中戦。リアルに一進一退の攻防であり、両者へ
のコールが鳴り止まない凄い試合。飯伏2発目シットダウンの体制で、正直イヤな
予感がしたのだが・・・。

飯伏のフィニッシュを見事に切り返したTJが鉄壁のリバース足四の字。各社の記事で
「ニー・バー」と表記されているが、紛れもなく裏四の字。さらにフェイスロック
を加えた拷問技で飯伏、無念のタップTJが決勝に進出! 正直、残念・・・。

▼ 〇T.J パーキンス(リバース足四の字固め)グラン・メタリック×

各国から集まった32人の頂点は共に元新日勢。どちらを応援していいか迷った末に、
どちらも応援するのを止めた(^^;)。そして試合前にHHHが登場し、この試合の勝者
がWWEクルーザー級王者となることをアナウンス、ベルトまで披露。じっくり見せ
て貰いました!


準決勝がハードだった両者だが、疲れ微塵も見せず。初開催のCWCで王者になる、
ということは、WWEの歴史に名を残す、ということ。共に死力を振り絞った削り合
であり、本当に手に汗を握った。こういう試合、もうしばらく無いかもしれない。

最後はTJが完全無欠のリバース足四の字を極め、ドラダはタップアウト・・・。
TJCWC覇者になると共に、新設のRAW/WWEクルーザー級王座を獲得。NXT
経由せずにRAW進出となるTJ。考えてみれば、彼ほどWWE向きな選手は居ない。

10週に渡って放送されたCWC、内容的にはほぼ文句無し
正直、ココに出ていいの?的な選手も何人か含まれてはいた(^^;)が、16ヶ国から
集まった選手たちの「成り上がってやる!」感バリバリの試合は本当に面白かった。
こうなると二回目に期待するべきなのだが、今回を超えるのは難しいだろうなぁ・・・。

とにかく、充実の10週間でした! ありがとう、WWE!

CWC #09

「WWE CRUISERWEIGHT CLASSIC」9週目
準々決勝の残り2試合をオンエアし、来週の配信はライブ準決勝・決勝
先週準決勝にコマを進めたのは飯伏幸太グラン・メタリックの2人だったのだ
が、果たして今週は?? オンエア順にて。

▼ 〇ザック・セイバーJr.(変形チキンウィング)ノーム・ダー×

こちらのブロックでは観客の期待値がいちばん高かったザックが、同じ欧州・
スコットランド出身のノーム・ダーと準々決勝。ランカシャースタイルの攻防
が期待されたが、実際のところは・・・。

ハッキリ言えば、プロレスラーとしてのレベルにちょっと差があったかも。
ダーに関してはトーナメントの組み合わせに恵まれての準決勝進出と言えなく
もない状況であり、試合の主導権は全般に渡ってザック。安心して観ていられ
る試合。

ただしダーも必死でザックを追い込み、一時はあわや!という場面も作った。
トーナメントの早い段階でもう少し良い選手と当たっていれば、評価は違った
モノになったと思う。ダーにとってはベストマッチだったが、最後はもの凄く
痛そうなチキンウィングザック完勝。準決勝進出!

▼ 〇T.J パーキンス(リバース足四の字固め)リッチ・スワン×

準々決勝屈指の好カードと目されたのがこの試合。TJリッチWWN系の
EVOLVEDGUSAで何度も試合をしている筈。昨年、サンノゼで観たEVOLVE
の大会でも、この2人は絡んでいた気がする。正に鉄板カード、の筈が・・・。

前半は期待通りの展開。両者共に「今風」のプロレスラーのステレオタイプで
あり、動きが速く、打撃の当たりがキツいファイトを展開。特にTJのグラウン
ドへの入り方は新日本の香りがプンプン。アンダーソンダニエルソン中邑
と一緒に練習したLA道場のキャリアは伊達では無い。

良い試合だったのだが、リッチが場外への450°スプラッシュをTJにかわされ、
コレを着地で回避したあたりから雲行きがおかしくなってきた。リッチ、空足
を踏んだ状態で左足を負傷した模様。跳び技が思うように出ないリッチは最早
TJの敵では無く、最後は得意のリバースフィギュア4でTJ勝利。

リッチはいつも大事なところで怪我するなぁ・・・。
そういえば昨年もEVOLVEで負傷し、翌日のWrestleconへの出場が無くなった。
ライガーとのタッグだったので本当に勿体なかった。本人とちょっと話をした
のだが、やたら悲しそうな顔をしてたのを思い出す。リッチ、残念・・・。

準決勝のカードは、グラン・メタリックvsザック・セイバーJr.飯伏幸太vs
T.J パーキンスに決定。残ったメンツは新日系が3人(飯伏・メタリック・TJ)、
NOAHが1人(ザック)。そう考えると、日本でやるべきだったと思うのだよ、
CWC(^^;)。

予想は決勝が飯伏vsザック、優勝は飯伏。ただ、準決勝の飯伏vsTJは大注目。
いよいよ来週シーズンファイナル。どうなる???!

CWC #07

「WWE CRUISERWEIGHT CLASSIC」7週目
トーナメント二回戦の残り3試合を一挙に放送する日だが、この3試合がどれも
大当たりな内容。今週もオンエア順でレビューをば。

▼ 〇リッチ・スワン(フェニックススプラッシュ)リンセ・ドラド×

注目のリッチがプエルトリコのリンセ・ドラドと対戦。
リンセはプエルトリコ出身だが、基本は米国インディー系のChikaraEvolve
で試合をしているらしい。同じフィールドに居たリッチとは手が合う筈、と思っ
て観ていたら、まぁこれが非常にスイングした良い試合。

両者共にいわゆるルチャ系の動きから入って行くのだが、なかなか受け身を取ら
ない(^^;)。先に背中を付けたら負け、みたいなルールの試合を観ているようで
面白かった。

最後は地力に勝るリッチが不死鳥スプラッシュを決めて勝利したが、リンセも
どんどん観たい選手。何年か前に大阪プロレスに参加したらしいのだが、WWE
からオファーが無ければ新日本ドラゲーあたりに来れないだろうか?

▼ 〇ザック・セイバーJr.(ヨーロピアンクラッチ)ドリュー・グラック×

意外にも試合前半のペースを握ったのはグラック
デスマッチ系の選手、ということしか知らなかったのだが、なかなかどうしての
グラウンドテクニック。合間に強烈な打撃を入れて来るところに感心した。

しかし、ザックテクニックはやはり2〜3歩上を行った模様。
寝技と切り返しの攻防だけで、すれっからしのCWCオーディエンスを唸らせてし
まうのだから、その所業は完全に芸術の域。

最後もグラックの必殺技、胴締めドラゴンスリーパーを完璧な欧州式エビ固め
切り返し、完全な3カウント。敗戦でアタマを抱えたグラックの表情が印象的。
・・・グラックも日本に来て欲しいけど、契約しちゃうだろうなぁ、きっと(^^;)。

▼ 〇T.J パーキンス(リバース足四の字固め)ジョニー・ガルガノ×

二回戦最後のカードは元PUMATJと、NXT現役ファイターガルガノ
内容が計算出来るくらい鉄板なカードだと思っていたが、その予想を完全に上回
って来たのだから、2人とも只者では無い

言葉で表現するならば、「いちばん良い時期のTNA X-DIVISIONマッチ」
身体能力が高く、跳び技も投げ技も固め技も正確な2人が、終始同じスピードで
タフマッチを繰り広げるのだから、コレが面白く無いワケが無い。

両者共に優勝候補とされていたのだが、明暗を分けたのはガルガノの負傷
テイクオーバーブルックリンNXTタッグタイトルマッチで負った足の怪我は、
深刻とは言わないまでも酷かった模様。それさえ無ければ、本当にどちらが勝つ
か解らない、超ハイレベルな試合だったと思う。

負傷箇所を的確に攻めたTJの勝利。やっぱりTJの関節技新日本の香りがある。
本当はザックとのシングルが観たかったんだけどなぁ・・・。

これにてベスト16の試合も全終了。準々決勝のカードは以下の通りとなる。

■飯伏幸太 vs ブライアン・ケンドリック
■T.J パーキンス vs リッチ・スワン

□戸澤陽 vs グラン・メタリック
□ザック・セイバーJr. vs ノーム・ダー

勝ち上がり予想は飯伏・リッチ・メタリック・ザック。希望的観測としては、
飯伏vsザックの決勝戦が観たい。WWEイベント大メイン新日vsNOAHになっ
たら、もう最高なのだけど。