「神様」の貴重な映像

▼G SPIRITS Vol.45

本日発売のG SPIRITS 45号、特集はなんと「カール・ゴッチ」
我々の年代のプロレスファンはほぼ全員がゴッチを「神様」として認識し、崇拝
の対象とする人。ここ最近、UWF回顧書籍を多々読んでいるのだけど、どうやら
このMOOKがトドメになりそうな気配。

まずは初来日時のエピソードを読みつつ、伝説となっているvs吉村道明のビデオ
をYouTubeで検索。↑↑が本当にアップされており、その試合内容に驚愕する。
こういう映像の存在をさりげなく教えてくれるのがG SPIRITSという雑誌の真骨頂
ではないかと。

・・・いやぁ、すばらしい。
初来日時の詳細なエピソードに加え、アントニオ猪木を始めとする関係者への
インタビュー。圧巻なのは、13ページに渡ってビッシリと書き込まれた「カレ
ル・イスターツ全試合記録」。これはもう、本気の永久保存版である。

とにかく、全盛期と目されるゴッチの試合映像を目撃できたことが嬉しい。
G SPIRITSを読んでなかったら、全く気付かずに終わるところ。本当に感謝だ!

フツーのプロレスラーだった僕がKOで大学非常勤講師になるまで

▼フツーのプロレスラーだった僕がKOで大学非常勤講師になるまで
/ ケンドー・カシン(Kindle版)

“悪魔仮面”こと、ケンドー・カシンの半生記。
カシン自身が執筆したワケでは無く、インタビュー集。幼少期→アマレス
時代→プロレス・格闘技時代→慶応大学非常勤講師時代(プロレスラー兼
務)までを、本人が丁寧に、そしてシニカルに語っている。

そもそもカシンのプロレスは完全に予測不能であり、すれっからしのファ
ンであることを自認している僕でさえ、いつも意表を突かれてしまう
IWGPジュニア王座を戴冠した時には勝手に自前のチャンピオンベルト
造ってしまったし、最近では意味なくパンダ(FMW参戦のパンディータ
という着ぐるみ系プロレスラー)を襲いワンマッチ興行までやってしま
う、という、理解不能ながら爆笑せざるを得ない行動を取ってしまう。

・・・無論この本も、まぁ、面白い(^^;)。
皆はカシンを「へそ曲がり」とするが、事実はきっと。あまりに自分に
正直に生きているが故に、その様がへそ曲がりに見えているだけかと。
そしてカシンが“発想の天才”であることがすぐさま解る、「カシン解読マ
ニュアル」的な非常に興味深い一冊になっちゃてるから、それがもう痛快

しかし、ニッチだなぁ、この本(^^;)。
さすがにカシンを知らない人は、読んでも意味が解らない可能性アリ。
もしかしたら、爆笑するかもしれないけど。

獣神サンダー・ライガー自伝(上)

▼獣神サンダー・ライガー自伝(上) / 獣神サンダー・ライガー

“リビングレジェンド”という言葉が誰よりも相応しいプロレスラー、
獣神サンダー・ライガーの自伝。新日本プロレスのスマートフォンサイト
で連載されていたインタビュー集を加筆・訂正し、さらに素顔の山田惠一
時代を加えたモノ。

ライガーが山田惠一としてデビューしたのは1984年のことだから、その
キャリアは30年を余裕で超えている。同じようなキャリアの選手は他に
も居るが、決定的に違うのはライガーが今も第一線である、ということ。
例えば今、IWGPジュニアヘビー級選手権が他団体に流出するようなこと
があれば、ファンからは絶対にライガー待望論が起こるハズ。本人も認め
ている通り、体力や技術では今の若い選手には及ばないが、そういうもの
を超越した絶大なる「信用」ファンから勝ち取っているところが凄い。
そしてその状況は日本だけでなく、プロレスのある世界のあるゆる国に及
んでいるのだから、これを生ける伝説と呼ばずになんと呼ぶのか・・・。

・・・ライガーのことならもうエンドレスに書き続けることが出来るのだが、
そうなると下巻で書くことが無くなってしまうのでこのあたりで。つまり
この作品はそんなレジェンド、ライガーが語る自らの半生。自身が最高の
プロレスラーなのに、感覚は僕らと同じプロレスファンそのまま。僕らが
想像するだけだしか出来なかった「夢のカード」を、ライガーがどれだけ
実現してくれたか・・・。そんな人の話がつまらないワケが無い。

20年以上前、ある作家がライガーのことを「正しいプロレスラー」と表し
た。“正しい”という言葉の捉え方は人によって違うが、ライガーを正しい
プロレスラーとすることに異論を唱えるプロレスファンはおそらく一人も
居ない。

文字通り、「神」の言葉。読み終わればきっと、誰もが信者になっている。
・・・とにかく早く下巻を! いつなんだ、発売日(^^;)。

G1 CLIMAX 27・優勝は・・・

新日本プロレス「G1 CLIMAX 27」最終戦・両国国技館大会をNJPW Worldで。
今年のG1、ここでは開幕戦にちょっと触れたくらい。しかし興味が薄れたワケ
では無く、出張先でも毎回NJPW Worldでチェックしていた程。

決勝戦は昨年覇者のケニー・オメガと、観客の圧倒的な支持を集めて上がって
きた内藤哲也。30分を超える熱闘を制したのは、L.I.Jの内藤であった。

・・・全く文句の無い、完璧な優勝だったと思う。
僕を含む新日ファンで今の内藤を否定する人間は殆ど居ないハズ。勝つべき
選手が最高の試合内容で優勝する、という、毎年必ずいろいろあるG1の歴史
からはちょっと外れた展開。でも、コレで良いと思う。

内藤の魅力は間違い無く受けっぷりの良さ
ケニーのやんちゃで厳しい攻めをスカすことなく受けまくり、最後はキッチリ
自分の技で勝利する。だから内藤の試合は毎回面白い。
そして今では、そんな内藤にファンがしっかり付いて来ている。内藤が頂点に
辿り着くお膳立ては、もうすっかり出来ている。

来年の1.4東京ドームは、メインイベントで内藤がオカダを破ってIWGPヘビー
のベルトを巻く姿が観られる、と強く思う。「愛してまーす!」でも「金の雨」
でもなく、「・・・デ・ハポーン!」の大合唱がドームに響くのかと思うと、ちょ
っとワクワクする。来年は久しぶりに行こうかな・・・。

G1 CLIMAX 27・札幌開幕戦

新日本プロレス真夏の本場所「G1 CLIMAX 27」札幌きたえーるで開幕。
その開幕戦で、今大会一番の注目カードが組まれた。

Aブロック公式戦・内藤哲也vs飯伏幸太
昨年から新日本を引っ張り続けてきた内藤と、これが1年半振りの新日本
復帰戦となる飯伏が久々にシングルで対戦。戦前から辛辣なコメント
繰り返していた内藤に、飯伏がどう応えるか?がテーマ。

飯伏は相変わらず飯伏
雪崩式パイルドライバーなどという危険過ぎる発想はおそらく飯伏からし
か出てこないし、簡単に実行できるのも飯伏だけ。この男の復帰を心から
歓迎する。しかし・・・。

飯伏のヤバすぎる技を受け切った上で、勝利したのは内藤
終わってみれば横綱相撲と言っても良い試合ぶり、もう見事の一言。

最近の内藤は誰と闘っても高いレベルの試合を魅せてくれるし、内容も
鉄板。こういう男がIWGP王座に就くべきだと思う。

そして、今年もやっぱり心配なのは棚橋弘至のコンディション。
初参戦のザック・セイバーJr.に負傷箇所の右腕を攻められ、なんとギブ
アップ負け・・・。今年はぜひ決勝に行って欲しいのだけど、果たして?