これからの村田諒太と比嘉大吾

昨夜横浜アリーナで行われたボクシングWBA世界ミドル級選手権正規王座)。
正規王者の村田諒太に挑戦したのは、同級6位・イタリアのエマヌエーレ・ブラ
ンダムラ

テクニシャンの村田だが、序盤はブランダムラのに振り回され、パンチが当た
らない、という彼にしては珍しい展開。しかし中盤以降で型を見破ったようで、
その後はいつもの村田。「責め苦」のようなボクシングにブランダムラは付いて
行くことが出来ず、8ラウンド2分56秒、左フック村田のTKO勝ち。日本人の
ミドル級世界王者で、初めて「防衛1」を達成した。

・・・とはいえ、手放しで喜べない内容なのも間違いない。
ブランダムラもそれなりに良い選手だったが、この相手に8Rもかかるようでは、
到底スーパー王者・ゴロフキンのレベルには届かない。しかし、「ゴロフキンに
勝てるとすれば村田」なのも事実。もっともっと強くなって欲しい

そしてもう一つ、セミで行われた試合で比嘉大吾9RTKO負け
減量に失敗し、試合前にWBC世界フライ級タイトル剥奪された比嘉だから、
この試合の「負け」は当然。これ以上モヤモヤしなくて済んだのは本当に良かっ
たと思う。

比嘉も希有な選手であることは間違い無いが、体重維持が難しいのであれば早め
に上の階級に移動するべきだったのかも。おそらく比嘉であれば、スーパーフラ
イ級でも、その上のバンタム級でも結果を出せる気が。まだまだ巻き返せる!

井上尚弥、制御不能な「怪物」ぶり

WBO世界スーパーフェザー級王者「怪物」こと井上尚弥の年内最終戦。
挑戦者は31連勝の同級6位、フランスのヨアン・ボワイヨ。肩書き通りなら
それなりに強豪の筈なのだが、果たして井上の対戦相手が務まるかどうか・・・。

不安的中(^^;)。
これは1Rダウンシーン。足を使いながら果敢に攻めてきた挑戦者の一発を選
び、見事な左のカウンター。もし残り時間があと30秒あったら、大晦日のビッ
グマッチは1Rで決着が付いていた筈。

井上尚弥の凄いところは、相手が警戒して消極的なボクシングを仕掛けてきて
も、高い確率でKOまで持って行けること。今回も3R3回のダウンを奪い、
見事すぎるTKO勝ち。誰がこの男に勝てるというのか・・・。

そして、以前から注目している井上の「足の運び」が今回も絶妙。
挑戦者が王者の周りをサークリングする、というのが基本形だが、相手が3歩
動く距離を井上は1歩でモノにする。井上が怪物と呼ばれる由縁は、実はこの
足の運びにある、と僕は思う。

試合後のインタビューで「来年はバンタム級に転向」と名言したモンスター。
言わずと知れた「山中の階級」だが、井上に後継者としての資格は充分以上に
ある。いや、もしかしたら神の左を超えて行くかも・・・。

井上尚弥はもちろん、ミドル級の村田諒太や本日見事なKOを魅せた拳四朗など、
楽しみな選手がやたら多い。来年のボクシングは、きっともっと面白くなる!

尾川堅一、世界取った!

ラスベガス・マンダレンベイで行われたIBF世界スーパーフェザー級王座決定戦
ランキング4位の日本・尾川堅一が、同じく5位の米国・テビン・ファーマー
12ラウンドをフルに闘い、2-1判定IBF世界王座を奪取した。
ちなみに、日本人がアメリカで世界王者になるのは36年ぶり

・・・ただ、揉めそうだなぁ、この結果(^^;)。
いや、内容は全く文句無し。両者共に「上手い」選手であり、双方ともに随所
でテクニシャン振りを発揮してくれた。尾川のパンチには無駄が無く、ダウン
こそ取れないモノの、要所で効果的なパンチを出したのが好印象。逆にファー
マーはとにかく手数が多く、全体を通すとファーマーが優勢に見えた気がする。

非常に際どいけど、僅差でファーマー・・・という結果が出ても文句が言えない
困るなぁ、本当に(^^;)。これはダイレクトリマッチがあるかもしれない。

とはいえ、アウェイの舞台で世界を取った尾川は間違い無く快挙。コレが日本
で行われた試合だったら、ちょっと物議を醸した気がするけど、敵地に乗り込
んだ上での判定勝利なのだから。胸を張って凱旋して欲しい。おめでとう!

N’DAM vs MURATA 2

WBA世界ミドル級正規王座戦、タイトルは「N’DAM vs MURATA 2」
世界中に物議を醸した王座決定戦から5ヶ月、ダイレクトリマッチという形
村田諒太はリングに上がった。

今回も村田はKOを狙っていなかった、と思う。
村田のボクシングはこれまで一貫して相手にダメージを与え続けながら勝利
する、というスタイルであり、KOはそれに付いて来ただけ。下手にKOを狙
ったら逆に危ない、と思っていたのだけど、それは完全に杞憂。村田は1Rか
ら見事すぎる「ザ・ボクシング」を展開し、因縁の王者、アッサン・エンダ
心を折った上でTKO勝利WBA世界ミドル級正規王者となった。

エンダムに終始プレッシャーをかけ、殆どのパンチをガードした上に強烈な
左右のボディ。苦し紛れのストレートにはカウンターを併せるのだから、
エンダムに出来ることはクリンチ以外に無い。逆によく7R保った、と感心し
たほど。文句の余地が全く無い勝利は、ファンはもちろん村田自身がずっと
望んでいた結果だと思う。

しかし、これはあくまでステップ
しつこく書いている通り、このタイトルはあくまで「正規王座」本当の
ミドル級世界王者は、WBAスーパー王座及び、WBC・IBFの同級王座を現在
も保持し続けるカザフスタンのゲンナジー・ゴロフキンである。村田がゴロ
フキンに「挑戦」するためには、もう一つタイトルが必要だと思う。出来る
ことなら、WBO王者ビリー・ジョー・ソーンダースとの統一戦に勝利し、
リアルワールドチャンピオンシップとしてゴロフキンに挑んで欲しいところ。

僕が村田を好きなのは、現状をしっかり理解している彼の姿勢
試合後の勝利者インタビューで「僕より強い王者がたくさんいる」と明言し、
今後のチャレンジを約束してくれた。村田にそういう姿勢があり、レベルの
高いボクシングを魅せてくれる限り、僕は村田を信じようと思う。

・・・やっぱり嬉しいなぁ、村田の戴冠
このまま、てっぺんまで突っ走って欲しい!

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「怪物」の恐ろしいボクシング

米国・カリフォルニア州カーソンスタブハブ・センターで行われたボクシン
W世界戦セミファイナルに登場した日本井上尚弥は、米国・WBO7位の
アントニオ・ニエベスを相手に横綱相撲、自身の持つWB0世界スーパーフェザ
ー級王座を防衛、米マットで衝撃のデビューを果たした。

言ってしまえば、あまりに「恐ろしいボクシング」
中央に立つのは王者の井上で、ニエベスは足を使ってその周囲をサークリング
する、という展開が主なのだが、それほどフットワークを使用しているように
見えない井上の動きが鋭すぎる5ラウンドに炸裂したボディブローの印象は
かなり強烈。誰もがウゲェと思ったに違いない。

6ラウンド、王者のパンチを警戒した挑戦者が全く中に入って来ない。コレを
挑発する井上の姿はもう神懸かった格好良さ。ダウンこそ奪えなかったものの、
挑戦者に次のラウンドを闘う気力は無く、井上の6R終了TKO勝ち

山中の王座陥落以来、ちょっと寂しくなった感のある日本ボクシング界だが、
怪物感を増した若き王者のおかげで今後が俄然楽しみになってきた。惜しむら
くは、メインでリマッチに敗れたローマン・ゴンザレスとの試合が実現しなか
った(おそらく)ことくらい。

目指すのは三階級制覇でも、統一王者でも、どちらでもいい。
日本にはまだ、怪物・井上尚弥が居る!