TYSON vs PAUL

#限界


“アイアン”こと、ボクシング元統一世界ヘビー級王者マイク・タイソン
公式戦に復帰。その模様が本日NETFLIXで世界各国へ配信されたのだが・・・。

まず、1R2分・14オンスグローブは公式戦とは言えない気がする(^^;)。
ただ、タイソンの年齢を考えるとそれも致し方無いことで、そこは大きな
問題では無い。問題なのは・・・。

4年前、ロイ・ジョーンズJr.と同じルールでエキシビションを行った時のタイ
ソンは、思わず正座してしまうくらい強くてカッコ良かった。全盛期とは言え
ないまでも、ハードなトレーニングをこなして来たことが垣間見える、見応え
タップリのパフォーマンスだった。でも今回は・・・。

・・・完全に限界、だと思った。
対戦相手はYouTuberが本業のジェイク・ポール。兄のローガンよりは真面目
にボクシングに取り組んでおり、アンデウソン・シウバなど、格闘技のレジェ
ンドたちをKOした実績もある。そのジェイクが、3Rあたりから露骨に手を抜
いた。要するに「手加減」をしたのだと思う。

思い出したのは、イベンダー・ホリフィールドのエキシビシション
あの時はホリフィールドが一方的にやられて終わったが、今回の“試合”は間違
いなくアレよりタチが悪い

もうこういうマッチメイクはマジで止めた方がいい
全盛期のタイソン、そして四年前のタイソンを知っているファンには、ちょっ
と辛すぎるので。

Lemino BOXING PHOENIX BATTLE 123

#大橋ジム


昨日後楽園ホールで行われた『Lemino BOXING PHOENIX BATTLE 123
を見逃し配信で確認。目的はメインに登場する力石政法。大橋ジム移籍後
の初戦で、世界前哨戦と目されていた試合だったのだが・・・。

力石の試合はもちろんインパクトがあったのだが、他の試合がまたすばら
しかった。大橋ジム関係のボクサーは皆しっかりしたボクシングを展開し
ているし、マッチメイクに露骨なモノも殆ど感じられない。前座からメイ
ンまで、全く退屈させない、というのは凄いことだと思う。

特に注目は、バンタム級の坂井優太
いわゆる天才肌のボクサーで、ミドルレンジで相手と結構な打ち合いをし
ているにも関わらず、被弾はほぼゼロ。まだデビュー2戦目だが、上位ラ
ンカーと試合しても普通に勝ちそうな気がする。

フェニックスバトル、興行内容が毎回凄く良い。
Lemino無料会員でも観れるので、ボクシング好きならぜひ!

CASIMERO vs SANCHEZ

#終了


Prime Boxingの初日が行われた13日横浜武道館でひっそりと開催されて
いたのが『TREASURE BOXING PROMOTION 7』。どの程度の観客動員が
あったのかは定かでは無いが、メインに行われたのが↓↓この試合。

あの悪名高きフィリピンのジョンリール・カシメロが、WBOバンタム級ラ
ンキング8位・アメリカのサウル・サンチェスと闘うスーパーバンタム級
契約の10回戦。一階級下の相手だが、カシメロが1Rに三度のダウンを奪
ってのTKO勝利となった。

・・・本当にもうどうでもいい
前日計量1回目で1kg超過、2回目でも600gオーバー。サンチェス陣営が
翌日軽量で58kgアンダーであれば試合を行う、と情けをかけてくれたおか
げで試合は行われたが、そんな試合でKO勝ちしても・・・という感じ。

カシメロに期待するファン、もしかしたらもうフィリピンにも居ないかも。
井上尚弥はもちろん、全てのちゃんとしているボクサーに対して失礼。
もし世界タイトルが欲しいのであれば、減量の心配の無いフェザー級、そ
れも無理ならスーパーフェザー級あたりに転級すればいい。そこで勝てる
かどうかはさておき、だが。

伊藤雅雪氏、このガラクタで多少は金儲け出来たんだろうか?
彼の率いるTBPにはかなり期待しているので、次に外国人を招聘するのな
ら、もう少しマシな選手を期待する。ブランドン・フィゲロアとかダメか
なぁ・・・。

Prime Boxing 10 day2

#Another Monster


Prime Boxing 10有明2days二日目
最初に第一試合、アンソニー・オラスクアガvsジョナサン・ゴンサレス
ついては、偶然のバッティングでゴンサレスが負傷、ノーコンテストとな
ったため、レビューはせず。アンソニー、次に期待!

■第二試合:WBO世界スーパーフライ級選手権
前回防衛戦が中止となった王者の田中恒成が、同級6位、南アフリカのプ
レレ・カフを迎え撃った試合。カフの情報は殆ど入ってこなかったのだが、
どんな相手でも恒成が負けるワケが無い、と思ってたのだが・・・。

カフがとにかく凄い。初めての日本であの田中恒成を相手に、全く動じる
ことなく互角の闘いを展開。恒成ももちろん互角に渡り合うが、5Rにカフ
ダウンを奪う。このダウン、かなり致命的だと思ったが、恒成はなんと
か回復。後半はかなり盛り返したが、カフからダウンを奪い返すことは出
来ず・・・。このダウンの差が判定に出た。まさか・・・。

■第三試合:WBOアジアパシフィックバンタム級選手権
この二日間で唯一の世界タイトルマッチでは無い試合。前回の目の覚める
ようなKO劇で勢いに乗る那須川天心が、2位のジェルウィン・アシロ
空位のWBOAP選手権を争う。もちろん天心のKOが期待されたが・・・。

アシロ思った以上にやる選手だった、という結論。
具体的には、カウンターを狙う天心にそのチャンスを殆ど与えないボクシ
ングに徹し、その距離のまま時折左右の強打を振るう、という厄介な相手
そんな相手に対し、パンチを裁いた上で9Rにはダウンを奪ったのだから、
やっぱり天心も並のボクサーでは無い。しかし、アシロがいくら良い選手
だとはいえ、あくまで東洋レベル。今のままでは現状のバンタム級世界王
者の四人に、全く届かないと思う。
それは本人もしっかり理解している気がするので、今後の2〜3試合で更な
る成長を期待。天心なら出来ると思うんだけどなぁ・・・。

■第四試合:WBC世界バンタム級選手権
“NEXT MONSTER”こと中谷潤人が、同級1位、タイのペッチ・ソー・チッ
トパッタナと二度目の防衛戦。凄いのはペッチの戦績で、77戦76勝1敗
うち53試合KO勝利。1敗は井上拓真に喫したモノ。ちなみにこれまで
一度もダウンした経験が無い

・・・レベルが違う
いやもう、最初から最後まで口アングリ状態になるくらい、中谷の強さば
かりが際立つ。これまでダウン経験の無い強打者を文字通り子ども扱いし、
ほぼほぼ被弾することなく6R二度のダウンを奪い完勝。
もし中谷に勝利する選手が居るとすれば、それはもう井上尚弥しか思い浮
かばない。同時に、井上尚弥を倒す可能性のある選手も、中谷潤人しかあ
りえない、とまで思った。この試合がいつ実現するか解らないが、仮にス
ーパーバンタム級で実現するなら五分五分、フェザー級以上で実現するな
中谷の勝ち、な気がする。
中谷は既にNEXTではなく、もう一人のモンスター。このカード、そろそ
現実味を帯びてきたかも!

Prime Boxing 10 day1

#オトウト


Live Boxing改め、Prime Boxing 10有明2days初日
どうレビューするか迷ったのだけど、殆どの試合が世界戦なので、1試合
ずつ触れていければ、と。

■第一試合:WBO世界ライトフライ級王座決定戦
出場したのは同級1位の岩田翔吉と、2位のハイロ・ノリエガ。岩田はアマ
チュア時代に井上拓真・田中恒成に勝利しているのだが、2年前に世界取り
に失敗し、同期に比べて出世が遅れていた選手。

・・・岩田すげぇ強い
前回の世界戦で感じたアマチュア臭さが完全に抜け、相手を倒すボクシン
を魅せた上での完勝劇。ここ最近の試合を観ていなかったので、この変
貌ぶりに感動さえした。
試合後は、前日にIBF同級王座に就いた矢吹正道との統一戦を示唆。この
カード、実現したら好試合必至。ちょっと楽しみにしておきます!

■第二試合:WBA世界フライ級選手権
王者のユーリ阿久井政悟が、8位のタナンチャイ・チャルンパックと二度
目の防衛戦。タイのタナンチャイ、ランキングこそ下位だが、若くてスタ
ミナに長けた選手。

僕は阿久井に対し、かなりの安心感を持っている。一発こそ無いが、相手
のパンチを上手くかわし、コツコツ有効打を当てる戦法は見事。阿久井の
凄いところはコレをフルラウンドに渡って出来ること。今回も全く予想通
りの展開で、12Rに渡ってタナンチャイを完封・・・したと思っていた。
判定がスプリットだったのが本当に疑問。どんな基準で採点したのかな?

■第三試合:WBC世界フライ級王座決定戦
二団体のライトフライ級王座を返上、フライ級でWBC1位にランクされた
寺地拳四朗が、2位のクリストファー・ロサレスといきなり王座決定戦
試合前はロサレスの体格の良さに少し不安が残ったのだが・・・。

いやぁ、見事。拳四朗は一階級上の相手に怯む様子は全く無く、多少被弾
しながらも前へ出て、相手の顔を壊す作業を淡々と繰り返す。ロサレスも
なかなかタフな選手な上に、リングサイドにはチームメイトの“カネロ”
サウル・アルバレスの姿も。しかし、11R開始後実施されたドクターチ
ェック鼻骨骨折が判明、拳四朗が転級初戦世界王者となった。
こうなるとどうしても期待してしまうのが阿久井との統一戦。メチャクチ
ャシビれる試合になると思うのだが、どっちを応援しようか迷う・・・。

■第四試合:WBA世界バンタム級選手権
王者の井上拓真に挑戦したのは、2位の堤聖也。堤は高校時代に拓真に敗れ
たことがトラウマになっており、この試合が「最終目標」である、と公言。
大きな試合こそ無いが、堤は何気に無敗。こういう選手は怖い

まず最初に言っておくと、この試合は井上拓真のベストバウトだと思う。
とにかく異様な気迫で拳を振るってくる堤を正面から迎え撃ち、もの凄い
打ち合いを魅せてくれた。10Rダウンは僕もスリップだと思うが、その
前のパンチが効いていたことも事実。堤の執念を褒めるべき。

僕は井上拓真というボクサーをかなり評価している。
どんな相手でも12R闘えるスタミナがあるし、細かなテクニックもかなり
のモノ。だからKOを狙うボクシングではなく、しっかり守るボクシング
に徹すればこの試合、勝てないまでも「負ける」ことは無かった気がする。
偉大な「兄」の存在が無ければ、とは思うが、ソレが無ければ注目されな
かったかも、と考えると複雑。リベンジして欲しいな、コレは。