TAKUMA vs TENSHIN2

#Prime Video Boxing 16


有明アリーナで行われた『Prime Video Boxing 16』。
メインイベントはWBC世界バンタム級タイトルマッチ、王者の井上拓真は
2度目の防衛戦。対戦相手は、同級1位の那須川天心。

王座決定戦でぶつかった二人のリマッチ、ということになるのだが、両者
共に決定戦の後に1試合を挟み、二度目の一騎打ち。天心は元2階級王者の
ファン・フランシスコ・エストラーダを破り、驚異的な成長を魅せたのだ
が、拓真もあの井岡一翔に何もさせずに完勝する、という凄まじい強さを
アピール。この2試合の内容から見ると、有利なのは拓真。そう考えるし
か無かった。

しかし・・・。
天心は、“那須川天心”である。二夜連続で総合格闘技の試合に出場して勝
利し、ロッタンとのせめぎ合いを制し、武尊からダウンを奪って完勝して
魅せた「神童」。根拠は無くとも、天心ならなんとかしてしまうのでは?
という気持ちが、僕の中でずっと在った。何よりも、いくら相手が名王者
となりつつある井上拓真とはいえ、天心が同じ相手に連敗を喫する、とい
うことがあってはいけない、という思いが強かった。

試合開始。
拓真には申し訳なかったのだが、今日はさすがに天心に大いなる思い入れ
を持ってライブ配信を観戦。しかし、大方の予想通り、試合の8割を支配
したのは拓真で、6ラウンドまでは完全に天心を上回った。このまま天心
が負けるのか?という絶望感に包まれたのだが・・・。

7ラウンド、リングで倒れたのは井上拓真。
高レベルな攻防の中、天心の目の覚める様な左ストレートが決まった時に
は、とんでもない大声が出てしまった。コレが出来てしまうのが、天心が
神童である由縁。後半の展開が、全く予想出来なくなった。

だが、拓真の精神力も凄かった。
明らかに致命的と思われるダウンから持ち直し、8ラウンド以降も王者ら
しいボクシングを展開。もう一度ダウンを奪わなければ勝ちの無い天心も
終盤は怒濤の攻めを魅せたが、拓真は見事にコレを完封。オープンスコア
リングシステムででほぼ解っていたこととはいえ、判定は聞くまでも無く
井上拓真。3-0、王者は文句の無い内容で二度目の防衛を果たした。

退場時、号泣する天心を見て、僕の涙腺も完全に崩壊した。
正直、天心の進退が心配でならない。前述した通り、同じ相手に連敗、
という事実は重い。しかし、世界王者からダウンを取れる才能が、ここ
で終わってしまうのはあまりに寂しい。

・・・なんとか、心を立て直して欲しい。
そして、試合後に拓真が言っていた通り、他団体の王座を獲得すれば、
“三度目の正直”、つまり、リベンジの機会も訪れるハズ。
絶対にこのままで終わるな、天心!

もう一つ。
井上拓真、“恐ろしいボクサー”のレベルまで進化したと思う。
あり得ないマッチメイクだが、井上尚弥と勝負しても勝ち目があるので
はないか?くらい思った。今の拓真なら四団体統一にも現実味がある。
何よりも、堤聖也へのリベンジを強く希望!堤がWBA正規王座に返り咲
いてくれればいいんだけなぁ・・・。

3150 FIGHT 11

#KYOSONUKE


昨日行われた亀田興毅興行『3150 FIGHT 10』。
3150はそれなりにおもしろいカードを組んでくれるので、僕の注目度
はけして低く無いのだが、さすがに今回は同じ時間帯で配信されていた
新日本プロレスを優先。Abemaのアーカイブでメインのみチェックした
のだが・・・。

メインはフェザー級10回戦。
“カシメロに勝ったけどネリに負けた男”、キョソヌケこと亀田京之介が、
“中谷潤人を大苦戦させた男”のセバスチャン・エルナンデスと対戦。
観る前から結果は解りきっていた、というのが、ライブをチョイスしな
かった理由。そしてその結果は、予想通りとなったのだが・・・。

キョソヌケ、メチャクチャ頑張った、と思う。
いや、さすがに今日は京之介と書こう。あのエルナンデスを相手に、
最後まで立っていた、という事実だけでも凄いのだが、今回は逃げ回る
だけでなく、終盤まで必死に手を出し続けた。まぁ、だからと言って
エルナンデスに危ない様子は無く、京之介が勝てそうな場面が一切無
かったのは・・・しょうがないか(^^;)。

ただ、今回も“顔面パーリング”が有効だったのには正直驚いた。
この打たれ強さに関しては、何かで有効活用出来る可能性もある。
1回くらい、日本人ビッグネームとのカードを組んでも面白いかも。
・・・受けてくれる選手が居れば、だけど。

井上拓真vs那須川天心 II

#リマッチ


9月27日、トヨタアリーナ有明で行われるWBC世界バンタム級王座戦。

井上拓真vs那須川天心。
拓真は王座決定戦で天心を破り、その後に1度王座防衛。対する天心も
再起戦で勝利し、世界ランキング1位と挑戦権を獲得。もう少し間が空
いても良い気がしたのだが、試合は決まってしまった。

天心が4月にファン・フランシスコ・エストラーダをTKOで破った時は、
次に拓真とのカードが組まれれば、勝つのは天心だと思った。
対戦相手のエストラーダは噛ませ犬では無いし、何よりも圧倒的な内容。
理想は天心が他団体のタイトルを取り、その後に拓真との統一戦、とい
う感じで組まれれば、最高かと。しかし・・・。

東京ドームであの井岡一翔を完封して魅せた拓真。
あの試合は本当に圧巻で、あの井岡が本当に何もさせて貰えない、とい
う、最高の内容。正直、天心の再起戦が思いっきり霞む程の試合、と認
めざるを得ない。

判官贔屓を除いて試合展開を予想するのなら、井上拓真の判定勝ち。
だけど、今回に関しては絶対に那須川天心に勝利して欲しい、と心から
願う。おそらく天心はこの試合に文字通り全てを賭けている気がする。
だからもし、天心が負けたら・・・と考えると、絶望的な未来しか見えない。

前戦に和を掛けて怖いな、この試合・・・。

CASIMERO vs NERI

#二人目の完全終了?


ここ1ヶ月で本当にいろいろあり、開催されるかどうかも謎(^^;)だった
亀田興毅興行『3150 FIGHT 10』。まぁ、この件に関しては興毅一人が
悪い、とは正直思わないが、矢吹の世界王座防衛戦を中止としなかった
責任感は認める。取り敢えず、無事開催されて良かった、ということで。

矢吹の試合はちょっと置いておくとして、セミファイナルに注目度“だけ”
は高いカードが。元世界三階級制覇王者、フィリピンのジョン・リール・
カシメロと、元世界二階級制覇王者、メキシコのルイス・ネリが対戦。
両者共に日本のボクシングファンの殆どから嫌われている、という、あ
る意味で稀有な選手。この試合を“令和のブッチャーvsシン”と表現して
いる人を見掛けたが、ソレはブッチャーとシンに失礼。この二人の嫌わ
れぶりは全盛期の北尾光司に匹敵していると思う。
お恥ずかしいハナシ、僕もこの試合にちょっとときめいていた(^^;)。

しかし、ネリはまたしても前日計量で1kg以上のオーバー(–X)。
もう何度目か数えるのもイヤになるくらいの失態をおかし、適正体重が
バンタム級と思われるカシメロに、ライト級クラスの体重で試合に臨ん
だのだから、話にならない。まさかカシメロを(若干)応援、という心
境で試合を観ることになるとは思わなかった。ところが・・・。

体重差で圧倒的に有利、と思われたネリは、4ラウント中6回(!)も
カシメロにダウンを奪われ、TKOにて完敗。この試合、少なくともカシ
メロはしっかり準備をしており、全盛期とは言わないまでも、最初から
最後まで持ち味を全開。対するネリは「試合をする気が無いのでは?」
と勘ぐってしまうくらい無気力。このサイアクな負け方は、間違い無く
ネリのボクサー生命を事実上絶った気がする。

ルイス・ネリ、完全終了。
彼のこれまでを考えると、当然の報いであるし、4Rで6ダウン、という
ボクシング史に残るレベルの失態は、一生を通じてバカにされることに
なる。正直、ザマァ!とか思うワケだが、三段論法的な問題が(^^;)。

カシメロは、“全てのパンチを顔面でパーリングする”ことで有名(^^;)な、
キョソヌケこと、亀田京之介に破れた時点で「終わっている」選手(^^;)。
今回の勝ち方、カシメロ側から見ればすばらしい内容かもしれないが、
カシメロがキョソヌケに負けた、という事実は消えない。

問題なのは、このキョソヌケにネリは「勝利している」という事実(^^;)。
三段論法で考えるなら、カシメロ、ネリ、そしてキョソヌケの3名は、
現状三すくみのグー・チョキ・パー状態(^^;)。まぁ「京之介に当然勝っ
たけどカシメロにボロボロにされたネリ」と、「ネリをボコボコにした
けど京之介に負けちゃったカシメロ」の二つを考えると、どっちも完全
終了は間違い無いとは思うんだけど(^^;)。

・・・よく考えてみたら、京之介・・・間違い、キョソヌケは、凄い仕事をし
てくれたのかも。井上尚弥・拓真、中谷潤人、那須川天心らは、ネリや
カシメロが何を言っても、スルーして当然、の立場になったのだから。
まさかキョソヌケがワイルドカードになるなんてねぇ・・・。

INOUE vs NAKATANI

#MONSTER #BIG BANG


東京ドームで55,000人を集めて行われたボクシング『THE DAY』。
サブタイは「やがて、伝説と呼ばれる日」。やがてどころか、終了した瞬間
に伝説になる、という、凄まじい興行だった。

メインイベント、四団体統一世界スーパーバンタム級選手権。
王者の井上尚弥に挑んだのは、チャンピオン同様PFPにランクインしている
元バンタム級統一世界王者、中谷潤人。世界的に観てもこの日本人ボクサー
対決は“夢のカード”であり、負けた方に初黒星がつく、ある種残酷な闘い。

僕の戦前の予想は中谷勝利。
何度も書いてきたが、井上尚弥という不世出の名選手が敗れるのであれば、
それは中谷潤人以外にあり得ない、と思っていたから。もっと理由を付ける
のであれば、リーチ・体格・年齢など、フィジカルの全てで中谷に分がある、
と思わざるを得なかった。しかし、心情的にはやはり井上。この予想を覆し
て欲しい、と願いながら、この世紀の一戦を見守ったのだが・・・。

・・・すばらし過ぎる試合。
12ラウンドに渡るせめぎ合いは、正にボクシングの神髄。両選手にダウンは
無く、お互いが持ち味を充分に発揮した“ザ・ボクシング”。フィジカルでは
劣っていた筈の井上尚弥のテクニックはちょっと表現の仕方が見つからない
ほど”完璧”であり、あの中谷を圧倒したのだから凄い。

さらに凄いのは、中谷も自らの価値を全く落とさない試合をして魅せたこと。
井上尚弥とあそこまで高度なボクシングが出来た選手を、少なくとも僕は知
らない。タラレバの話になってしまうのだが、もしこの世に井上尚弥が存在
しなければ、中谷潤人がその位置に君臨していたのは間違い無い、と思う。

そして、試合の展開も予想外過ぎた。僕の展開予想は、
“中谷が序盤から飛ばし、3ラウンドまでに左の打ちおろしを当ててKO勝ちを
狙う”、そして、“もし3ラウンドまでに井上が倒れなければ、その後は動きを
覚えた井上がペースを握り、後半でKO、もしくは判定勝ち”という流れ。
しかし展開は全く逆で、中谷は得意の左を後半まで温存し、9・10ラウンド
で大鉈を振るった。逆に井上は前後に出入りの激しい基本に忠実なボクシン
グを全編で展開。自分の見る目の無さが情けなくなると共に、二人の偉大な
ボクサーを改めて心からリスペクトしてしまった。

井上尚弥、3-0の判定勝利。
KOこそ無かったモノの、観ていた全員が納得できる結果。こんな凄い試合、
一生のうちに一度観られるかどうかだと思う。

この試合、充分間を空けた状態で再戦して欲しいところ。
願わくば、フェザー、もしくはスーパーフェザーの王者になった井上尚弥に
中谷が挑戦し、王者になる、というパターンが理想。そう、ハッキリ言えば、
井上尚弥のラストマッチの相手に相応しいのは、やっぱり中谷潤人しかあり
得ない、との思いが、より強くなってしまった。

井上も中谷も、今後の展開が非常に気になる。
しかし、今は少しゆっくり休んで欲しい。あれだけの試合を魅せてくれたの
だから、それくらいは我慢するので(^^)。