稀勢の里の決断

大相撲・第72代横綱・稀勢の里が、本日両国国技館で会見を開き、引退
を表明。横綱に昇進したのが2年前の初場所だから、在位はおよそ2年間
久々の日本人横綱は、おそらく断腸の思いで角界を去る。

全ては、17年の春場所が原因だと思う。
横綱昇進後の初の本場所で、重大な怪我をしたにも関わらず強行出場
満身創痍ながらも優勝を果たし、僕を含む相撲ファンは皆涙したワケな
のだが、今にして思えば・・・。

あの時に無理をしなければ、力士寿命はもっと長かったのではないか?
あの時の稀勢の里は、横綱としてファンの大きすぎる期待に応えざるを
得なかったのではないか?・・・だとするなら、あまりにも横綱に申し訳
ない・・・。

我々のために、限界を超えて、その上で潰れた。
事実として不名誉な記録こそ残ってしまったものの、あの17年春場所
感動を、せめて僕だけは忘れずにいようと思う次第。

誰が何と言おうと、大好きな横綱だった。
お疲れ様でした。そして、本当にありがとうございます・・・。

稀勢の里、春場所制覇!

大相撲春場所・千秋楽優勝決定戦での新横綱稀勢の里の相撲。
13日目で致命的な負傷を負い、普通なら休場となるべき土俵での見事な勝利
久々に登場した日本人横綱は、横綱としての最初の場所でこれ以上無い程の
感動を与えてくれた。

この一番前で行われた同じ照ノ富士を相手にした本割では、序盤に変化を見
せてからのはたき込み。しかし優勝決定戦ではしっかり前からぶちかまし
技ありの左小手投げ。こんなに格好いい優勝、近年では全く見られなかった。
稀勢の里、やはり只者では無い。

加えて、優勝後のインタビューに唸らされた。
インタビュアーの「今一番したいことは?」の質問に対し、新横綱の回答は
間髪を入れずに「稽古ですかね・・・」。この漢、まだまだ強くなりそう。

こういう取組があると、やっぱり燃えるなぁ、大相撲
稀勢の里が居れば、しばらくはエキサイティングな場面が続くと思う。
・・・琴奨菊豪栄道は、追いつけないだろうなぁ、きっと。

EYE OF THE WOLF

なんてカッコイイ力士なんだ・・・。
それが闘う千代の富士を最初に見た時の正直な感想だった。

千代の富士が登場するまでの大相撲は、大型力士中心の異形の世界、ハッ
キリ言ってしまえば“強いデブ”同士がその力強さを競う格闘技であった。
その中に突然現れた、筋骨隆々の身体のような鋭い目つきの勝負師。
決して恵まれていたとは言えない体格を、筋力努力で完全にカバー。
誰もが憧れたその闘う姿勢は、大相撲を「カッコイイ」というレベルまで
余裕で持って行った。

第58代横綱。ニックネームは“ウルフ”。生涯戦績1,045勝437敗159休。
肩の脱臼に悩まされながらも双葉山に迫る53連勝を達成。最後の土俵まで
狼の目を無くさなかった、偉大過ぎる横綱である。
最後の2番、貴花田戦・貴闘力戦を、僕は未だに忘れられずにいる。

千代の富士貢・享年61。
昭和の大横綱であり、稀代の格闘技者であった男が、あまりにも早く天に
召されてしまった。

あちらでは、ぜひ総合格闘技の舞台にも上がって欲しい。
相撲最強をいちばん叫ぶべき力士は、千代の富士を於いて他に居ない。
また必ず、どこかで。

琴奨菊、優勝!

大相撲初場所、大関琴奨菊が初優勝。
日本出身の力士としては2006年栃東以来、なんと10年ぶりの賜杯獲得。
すっかり沈滞気味だった国技・大相撲に、久々に明るい光が刺した。

平幕の豊ノ島に不覚こそ取ったものの、白鵬・日馬富士・鶴竜の3横綱を
下しての優勝は見事。そして、↑↑の取り組み前のパフォーマンスである
琴バウアーが話題を呼び、会場人気を独占した上での優勝。インタビュー
時のはにかんだ笑顔も含め、楽しみな力士が飛び出して来た。

次の場所に優勝したら、久々の日本人横綱が誕生するかもしれない。
こうなったらぜひ、二場所連続優勝を果たして欲しい。

そしてNHK、琴バウアーの瞬間にスッとカメラを引き、土俵全体を映す、
という、思わずニヤリとする絵作りがイカしてる。
間違い無くコレはオカダ・カズチカレインメーカーポーズ時のカメラ
ワークをパクったと思われるのだけど(^^;)。

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