AREA版「確定噛ませ犬という生き方」

#圧倒的な負け


先週日曜日、フジテレビで生中継されたRIZINのメイン、那須川天心vs皇治
K-1との契約を破棄してRIZINに参戦した皇治だが、いきなり引退試合のような
マッチメイク。

皇治の側から見れば、もし天心にKO負けすれば、そこで選手生命は終わる
「3Rを凌ぎ、終了後に立ってさえいればいい」しか、彼に選択肢は無かった。
問題は天心相手にそれが出来るのか?であったのだが、皇治は取り敢えずこの
難題やってのけた

結果を出したことは認める。
でも、試合後の「天心より武尊の方が強い」という発言を聞き、怒りと言うより
情けなさを大いに感じた。

機会があるのであれば、ぜひK-1で行われた武尊と皇治の一戦を確認して欲しい。
あの試合の時も皇治は武尊に殆ど何もさせて貰えず、レベルの違いを見せ付けら
れて完敗した。ただ、打たれても構わず前に出て一太刀を喰らわす、という気概
だけは感じた。でも・・・。

今回は違う。
天心とのレベルの差は悲しいまでに明白。相打ち覚悟で前に出ることすらさせて
貰えなかった、としか見えない試合内容。クリーンヒットはただの一つも無く、
ごく稀に振り回す手足は悉く宙を舞う。まるで大人と子どもが戦っているような
試合だった。

終盤にはドロップキックまで決め、フルマークの判定で完勝した天心だが、武尊
がダウンを奪った相手をKO出来なかったのは痛い。今後のキャリアに傷を付けか
ねない試合となってしまったワケだが、途中で闘うことすら放棄した相手を倒す
のは、さすがに難しかったのかも。

そして、皇治はこの試合できっと大事な何かを失ったハズ。
ある意味究極の選択で、「玉砕覚悟の討ち死に」より「お茶を濁す」を選んでし
まったのが今の皇治。KOされなかったことで首の皮一枚繋がった状態だが、そん
な選手の試合を、僕はもう一度観たいとは思わない

確定噛ませ犬はこんな生き方しか出来ないんだろうなぁ、と。
僕以外の多くの人も、きっとそう感じた気がする。天心が強すぎたのか、試合中
に皇治の心が弱くなったのか・・・。おそらく、後者な気がする。
ここからの巻き返しは大変だなぁ、きっと。

KNOCK OUT FIRST IMPACT

KNOCK OUT FIRST IMPACT 大田区総合体育館大会をサムライTVにて。
あの“神童”那須川天心を配し、ヒジ有効という刺激的なルールですっかり
定着したキックの大会。今回は生中継で第一試合から全てチェックした。

印象深かったのはやっぱり後ろの3試合
初代スーパーライト級王者決定トーナメント2試合壮絶な内容に・・・。

まずは水落洋祐vsマサ佐藤
恐ろしいラッシュが持ち味の水落にかなり押されながらも、果敢に打ち合い
を挑んだ琉球ファイター・マサ佐藤根性が凄い。猛攻の隙を見逃さず、パ
ンチで水落のカットした上でのTKO勝ち。どうやらマサはこの形を狙っ
ていたらしく、試合後は打たれた事を全く感じさせない飄々とした態度。
一発でファンになった!

そして不可思vs健太
驚いたことに5Rをフルに使ったテクニカルな試合となる。1Rからローを蹴
り続ける不可思に対し、ソレを全くカットせずにヒジを狙う健太。お互いの
持ち味が存分に発揮された名勝負となる。結果はスプリットの判定で不可思
の勝利となったが、正直反対の判定が出ても納得出来た気がする。この試合、
早い内に再戦が観たい!

メインは那須川天心vsスアキム・シットソートーテーウ
スアキムはルンピニースーパーバンタム級王者だったが、同じ階級では全
く敵がおらず、2階級上のスーパーフェザー級で試合をし、しかも負けない
というムエタイの猛者。もしかしたら天心が負けるかも?、というまことし
やかな噂もあったのだが・・・。

・・・確かにスアキムは凄かった
しかし、贔屓目無しで観ても、終始試合のペースを握り、有効打を当て続け
たのは、やっぱり神童・天心だった。スアキムの鋭い蹴りをほぼ完璧に避け、
ダメージを負った印象が全く無いのだから凄い。キャリアもフィジカルも上
なハズのムエタイ王者に全く自分の試合をさせない19歳。いやぁ・・・。

試合後のマイクで自ら「最強」を名乗った天心だが、コレに全く文句無し。
意義を唱える資格があるのは、K-1武尊くらいだが、双方の試合を観てい
る僕も今の天心に武尊が勝てる気がしない。コレを払拭するには、実際に闘
うしか無い気がする。なんとか実現しないかなぁ・・・。

とにかく、KNOCK OUTは内容にハズレ無し。
スーパーライト級王者決定トーナメントは、以降マサ佐藤を応援します!

KNOCK OUT vol.2

たまたまテレビを点けたらライブ放送していた「KNOCK OUT vol.2」
新日本プロレスの親会社・ブシロードが手がけるキック・ボクシングの大会
で、K-1などの他の団体と大きく違うのは、“ヒジあり”という危険なルール
あること。団体のキャッチフレーズは「殴る・蹴る・斬る」。年末のRIZIN
活躍した那須川天心のホームリングでもある。これ幸い、とばかりにそのまま
観戦。コレが結構凄い大会だった。

全6試合はどれも面白かったのだが、度肝を抜かれたのは↑↑石井一成
異名は“SUNRISE PRINCE”、福岡出身・18才のイケメン。しかし戦績は凄まじ
く、主戦場はなんと本場のタイ。昨年はこのムエタイの本場で6連続KO(!)、
2月にはやはりタイでのトーナメントを制し、True4Uフライ級タイトルを獲得。
素質は那須川に勝るとも劣らない選手、らしい。


・・・確かに凄かった
相手の矢島直弥もかなり心の強い選手で、どんな攻撃を食らっても怯まずに立
ち向かって行くのだが、正直レベルが違ったパンチ・キックヒジを加えた
恐ろしいコンビネーションに加え、相手の乱打をほぼよける動体視力の良さ。
KNOCK OUTでは最軽量級のフライ級だが、1〜2階級上の選手でも余裕で相手
を出来そう。

もしかしたら、ヒジがある分K-1より面白いかもしれない。
6試合中判定までもつれたのは1試合だけだし、選手のレベルも恐ろしく高い。
那須川と石井の試合が組まれるのであれば、一度観に行きたいかも。
武尊vs那須川とか、どこかで実現しないかなぁ・・・。