PLUTO on Netflix

#地上最大のロボット


Netflixで10月26日より一挙配信開始となったPLUTO -プルートゥ-
手塚治虫の代表作の一つである『鉄腕アトム』の大人気エピソードである
「地上最大のロボット」を、浦沢直樹長編としてリメイクコミック
段階でも“傑作”とされた作品が、遂に映像化された。

アニメとしての完成度は、ここで云々言う必要が全く無い。
作画はもちろん、効果や音楽も水準を軽く超えるクオリティ。それだけで
も凄いのだが・・・。

やはり、ストーリー
冗談では無く、本当に全エピソードで号泣物語圧倒的に深く全ての
言動に意味のあるシナリオが凄い。そこらへんの映画が束になっても叶わ
ないくらいのドラマ性もまた圧倒的。こんなに凄まじい物語は、今後二度
と出て来ない気がする。

やはりグッと来たのは、1話のノース2号の件と、最終話のアトムとプルー
トゥの会話のシーン。コミックで何度も読んだ場面だが、当代一流の声優
陣が声を充てると、とんでもない“作品”に仕上がってしまう。特にアトム
を演じた日笠陽子、これまでも凄い声優だと思っていたけど、この作品で
“神”の領域に足を踏み入れた、と思う。

大袈裟でなく、全人類が観て、感じて、考えるべき
間違い無く近代アニメの最高傑作。果たして何周することか・・・。

Malice Angle

#ストロベリーナイト


▼マリスアングル 警部補 姫川玲子 / 誉田哲也(Kindle版)

誉田哲也・ストロベリーナイトシリーズの新作は、予想通り長編
シリーズ前作の『オムニバス』で予告されたとおり、捜査一課・姫川班
“ザ・所轄おばちゃん”こと、魚住久江が合流。対極とも言える姫川玲子と
魚住、最初は「混ぜるな危険!」と思っていたのだが・・・。

基本は年下の上司である姫川が魚住を立てる展開(^^;)。
あの姫川玲子にそういう人間的な感覚があった、という事実が新鮮な上に、
魚住がその姫川の掌の上を縦横無尽に泳ぐ。思ったよりすばらしいコンビ
ネーションは、かつての鶴龍コンビを彷彿とさせる見事なタッグワーク

おもしろいのは、鶴田の立場が姫川であり、天龍魚住であること。
おかげでこれまで地味だった魚住が圧倒的に目立つ構成になっており、こ
の状況が非常に新鮮。コレ以降も長く続くタッグチームになって欲しいの
だが、鶴龍も短命だったんだよなぁ、実は(^^;)。

この二人の動向に注目が行きがちだが、ストーリーもかなり・・・。
前作の『ジウX』“中国”に踏み込んだ誉田哲也だが、今作でスポットが
当たるのは“在日”際どいところを突きながら、骨太スリリングなスト
ーリーを展開してしまうのが、最近の誉田哲也のスタイル。正直ヒヤヒヤ
するのだが、読み応えは抜群。個人的には大きく評価する。

少なくとも、次作までは姫川&魚住コンビが楽しめそう。
この展開が、少しでも長く続きますように!

売春島

#タイトル


▼売春島 「最後の桃源郷」渡鹿野島ルポ / 高木瑞穂(Kindle版)

Kindle Unlimitedで適当に選んだノンフィクション
高木瑞穂という作家はもちろん初めてで、コレをチョイスしたキッカケ
ストレートなタイトルにあったのだが・・・。

三重県志摩市に実在し、かつては街を挙げた「売春」行為で潤っていた
渡鹿野島に関するルポ。島のルーツや関連する人々に対する取材綿密
で、隆盛期から衰退した現在までをしっかりフォローしている。が・・・。

ちょっと前に数作一気に読んだ國友公司作品と比較すると、臨場感に欠
ける感否めず。緊迫感を煽る書き方をしているところが正直あざとく
今ひとつ盛り上がりに欠ける。タイトルがタイトルだけに、もう少し
っぽい話を混ぜることも出来た気がするが、もしかしたらそういう描写
が苦手なのでは?と勘ぐってしまう。

一応読破したが、後半はちょっと苦痛(^^;)。
他著作を調べたところ、それなりに興味を惹くモノはあるのだが、また
タイトル詐欺だったらイヤだなぁ、と。う〜ん・・・。

ホワイ・ダニット

#エンマ様


▼ホワイ・ダニット / 佐藤青南(Kindle版)

佐藤青南行動心理捜査官・楯岡絵麻シリーズ第9弾
前にレビューした『楯岡絵麻vs佐藤青南』はどうやらシリーズ外の扱い
だったらしく、本作から2Wordsのタイトルが復活。今回も定番連作
短編の体を取っている。

シリーズがここまで長くなったおかげか、かつては組織内敵対してい
同じ捜査一課のメンバーとの関係性が微妙に変化。エンマ様こと、
岡絵麻とその部下・西野が主導権を取っているのは間違い無いが、以前
は難癖を付けることしかしなかった筒井・綿貫コンビとの間に“絆”が生
まれているところが非常に微笑ましい。

ただ、ちょっと残念なのは若干のネタ切れを感じること。
連作短編ではもう出し尽くした感があるので、前作から貼られている
を生かした長編で、そろそろ決着を付けるタイミングだと思う。次は
第十弾。丁度いいよね、きっと。

ちなみに今回の旅の往路で一気に読ませていただきました!
・・・読書するには良いよな、長時間フライトって。

Cathay Pacific Heathrow Terminal Lounge・Pork BBQ Noodle

#この旅程No.1!


約一週間に渡るセビリア滞在を終え、本日は帰国移動日
また30時間以上かかる上に、朝の集合が早かったのでまともにメシも
食えていない(–X)。セビリアマドリード空港でジャンクっぽいモノ
をちょっと食べたのだが、まぁどれもクソ不味い(–X)。こんなので終わ
っちゃうのかなぁ、などと思っていたら、ステータス保持者Mさん
ヒースロー空港凄くステキなところに連れて行ってくれた。

キャセイパシフィックビジネスラウンジ・ポークBBQヌードル
キャセイ、さすがに香港系航空会社だけあり、ラウンジにはヌードル
バーが。せっかくなのでフライドライスも注文し、ラーメン+炒飯とい
うノリで食べてみた。

・・・美味い!
大袈裟でなく、この旅程でいちばん美味しい食事はココだった、と断言。
パクチーの風味が効いたスープはラーメンというよりベトナムのフォー
に近い味。コレとニンニクの効いたフライドライスの相性が非常に良く、
結果大満足の食事になった。

ちなみに↑↑はマドリードの空港で遂に食べたスペイン名物・パエリア
フライパンに乗っている時は美味しそうだったけど、注文したらソレを
皿に盛り、電子レンジに入れられた時は悲しかった。味? 聞くなよ!