「怪物」の恐ろしいボクシング

米国・カリフォルニア州カーソンスタブハブ・センターで行われたボクシン
W世界戦セミファイナルに登場した日本井上尚弥は、米国・WBO7位の
アントニオ・ニエベスを相手に横綱相撲、自身の持つWB0世界スーパーフェザ
ー級王座を防衛、米マットで衝撃のデビューを果たした。

言ってしまえば、あまりに「恐ろしいボクシング」
中央に立つのは王者の井上で、ニエベスは足を使ってその周囲をサークリング
する、という展開が主なのだが、それほどフットワークを使用しているように
見えない井上の動きが鋭すぎる5ラウンドに炸裂したボディブローの印象は
かなり強烈。誰もがウゲェと思ったに違いない。

6ラウンド、王者のパンチを警戒した挑戦者が全く中に入って来ない。コレを
挑発する井上の姿はもう神懸かった格好良さ。ダウンこそ奪えなかったものの、
挑戦者に次のラウンドを闘う気力は無く、井上の6R終了TKO勝ち

山中の王座陥落以来、ちょっと寂しくなった感のある日本ボクシング界だが、
怪物感を増した若き王者のおかげで今後が俄然楽しみになってきた。惜しむら
くは、メインでリマッチに敗れたローマン・ゴンザレスとの試合が実現しなか
った(おそらく)ことくらい。

目指すのは三階級制覇でも、統一王者でも、どちらでもいい。
日本にはまだ、怪物・井上尚弥が居る!

獣神サンダー・ライガー自伝(上)

▼獣神サンダー・ライガー自伝(上) / 獣神サンダー・ライガー

“リビングレジェンド”という言葉が誰よりも相応しいプロレスラー、
獣神サンダー・ライガーの自伝。新日本プロレスのスマートフォンサイト
で連載されていたインタビュー集を加筆・訂正し、さらに素顔の山田惠一
時代を加えたモノ。

ライガーが山田惠一としてデビューしたのは1984年のことだから、その
キャリアは30年を余裕で超えている。同じようなキャリアの選手は他に
も居るが、決定的に違うのはライガーが今も第一線である、ということ。
例えば今、IWGPジュニアヘビー級選手権が他団体に流出するようなこと
があれば、ファンからは絶対にライガー待望論が起こるハズ。本人も認め
ている通り、体力や技術では今の若い選手には及ばないが、そういうもの
を超越した絶大なる「信用」ファンから勝ち取っているところが凄い。
そしてその状況は日本だけでなく、プロレスのある世界のあるゆる国に及
んでいるのだから、これを生ける伝説と呼ばずになんと呼ぶのか・・・。

・・・ライガーのことならもうエンドレスに書き続けることが出来るのだが、
そうなると下巻で書くことが無くなってしまうのでこのあたりで。つまり
この作品はそんなレジェンド、ライガーが語る自らの半生。自身が最高の
プロレスラーなのに、感覚は僕らと同じプロレスファンそのまま。僕らが
想像するだけだしか出来なかった「夢のカード」を、ライガーがどれだけ
実現してくれたか・・・。そんな人の話がつまらないワケが無い。

20年以上前、ある作家がライガーのことを「正しいプロレスラー」と表し
た。“正しい”という言葉の捉え方は人によって違うが、ライガーを正しい
プロレスラーとすることに異論を唱えるプロレスファンはおそらく一人も
居ない。

文字通り、「神」の言葉。読み終わればきっと、誰もが信者になっている。
・・・とにかく早く下巻を! いつなんだ、発売日(^^;)。

KAIRI SANE on MYC

WWE NetworkにてMae Young Classicが配信開始。
コレは昨年のCWCみたいなトーナメントで、参加するのは世界各国から
エントリーした女子選手。CWCでやたら熱くなったから、今回のもかな
り期待していたのだけど、残念ながらイマイチ面白くない(^^;)。
いくつかの試合は完全に早送りしちゃったのだけど・・・。

オオトリで出てきたのが、日本カイリ・セイン
我らが宝城カイリ、遂にWWE系のリングでデビュー。試合前から歓声が
もの凄く、この日の客が誰を観に来たのか、如実に解る展開。


そして、カイリはやっぱりカイリだった
対戦相手のテッサ・ブランチャードスターダムで何度か闘っている選手
であり、ジャパニーズスタイルがしっかり成立。これまでずっと退屈だっ
たリング上にいきなりを産み出したのだから凄い。


カイリのファイトスタイルは殆ど日本の頃と変わらないのだけど、やや
違ったのはフィニッシュまでの行程。肘を指さしながら観客に大見得を
切るカイリの姿に、思わずゾクゾクした。そしてなにより、彼女の代名
詞とも言えるダイビングエルボーがまた観られたのが非常に嬉しい。

トーナメントの他の試合には期待出来ないけど、カイリの試合はやっぱり
凄い。このシリーズが終わったら、きっとカイリはもうスーパースター
なっていそう。普通に優勝しそうだけど、果たして・・・。

中邑真輔、千載一遇を逃す・・・


WWE年間4大PPVの一つ、「SUMMERSLUM」
今年はニューヨーク・ブルックリンで開催。上から下までそれなりに良い
カードが揃い、大入り満員だったらしいのだけど、日本人としては注目カ
ードは一つだけ。もちろん、王者のジンダー・マハル中邑真輔が挑んだ
WWE世界ヘビー級選手権である。


挑戦者決定戦であのジョン・シナを破って上がってきた真輔は、終始ノリ
ノリで“らしさ”を魅せる。リング上での風格はもちろん、プロレスラーと
しての技術も実力も間違い無く真輔がマハルの上を行く。これは来るぞ!、
と思ってたのだけど・・・。

ジンダー・マハル、これまで全く注目していなかったのだが、この選手は
単純に“強い”気がする。フィジカルでは真輔を上回り、その強引な攻めに
やや苦戦する真輔。ただ、最後は決めてくれる、と信じていた。が・・・。

真輔がマハルのセコンドに付いたシン・ブラザーズ乱入に気を取られ、
その隙を突いたマハルのコブラクラッチバスターに轟沈。あっけなくピン
フォールを取られ、日本人2人目(←ココ拘り処^^;)のWWE王座戴冠
ならなかった。観客ももちろん、僕も呆然・・・。


真輔にしては珍しく負け方もちょっと酷く、この後遺症はしばらく残るか
もしれない。タイトル挑戦の順番待ち、もう一度最初から並び直しだ・・・。
取る、と思ってだけにあまりに悔しい。これはちょっと・・・。