新チェキ・SQ10

フィルムカメラ完全衰退している昨今、一人勝ち状態バカ売れし続けている
プロダクトが富士フイルムチェキシリーズ。デジタルカメラ系と大きく違うの
は、撮影した画像がその場で観られるにもかかわらず、基本複製不可ということ。
地下アイドルのイベントでは、物販の必須アイテム。ツーショットチェキ1枚で
3,000円、とか普通らしい(^^;)。
そんなチェキシリーズから新製品。これがちょっと問題の品・・・。

instax SQUARE SQ10
フィルムの画角は1:1スクエアinstagramというか、懐かしきポラロイド
同じ画角で、さらにインスタントカメラっぽさを増している。しかし・・・。

このカメラ、なんとハイブリッド
microSDカードに撮影画像を保存し、背面の液晶画面で加工し、その後に出力、と。
もちろんSDからPCに画像を取り込むことも出来るらしい。チェキの進化版と言う
よりは、コンデジにプリンタが付いた感じなんじゃないかなぁ・・・。

ちなみに実売予想価格は税別で30,000円。非常に微妙な価格(^^;)。
まぁ、購入意欲はくすぐられないけど、一度プリント画質と使い勝手をチェック
してみたい気はする。チェキっぽいフワッとした感じが残ってるといいなぁ・・・。

ただ、どんな状態でもチェキシリーズを出し続けてくれる富士フィルムには心か
ら感謝。あと、銀塩フィルムもリリースし続けて欲しいなぁ、マジで。

10 löyly Challenge

ハードコアサウナーとして、一度是非挑戦したい案件がある。
名付けて「10 ロウリュチャレンジ」錦糸町・楽天地スパ毎時00分に行われ
ているロウリュ1日10回参加する耐久レースそもそも可能かどうかを検証し
てみた。

楽天地スパのロウリュ開始は午前11時。そこから1時間ごとに深夜1時まで開催
される。その数、なんと15。ということは、10回参加物理的には可能である。
問題は体力的なモノ。さすがにアレを10回となると、合間に充分な休養が必要
になると思う。で、こんな計画を立ててみた。
—–
11:30 入店
11:40 ウォーミングアップサウナ(10分、水風呂5分)
12:00 1回目のロウリュ(前後含め10分見当、水風呂5分)
12:30 通常サウナ(10分、水風呂5分)
13:00 2回目のロウリュ(前後含め10分見当、水風呂5分)
13:30 通常サウナ(10分、水風呂5分)
14:00 3回目のロウリュ(前後含め10分見当、水風呂5分)
14:30 通常サウナ(10分、水風呂5分)
15:00 4回目のロウリュ(前後含め10分見当、水風呂5分)
15:20 マッサージ(60分)
16:20 休憩・水分補給・喫煙等(20分)
16:40 ウォーミングアップサウナ10分→水風呂5分
17:00 5回目のロウリュ(前後含め10分見当、水風呂5分)
17:30 通常サウナ(10分、水風呂5分)
18:00 6回目のロウリュ(前後含め10分見当、水風呂5分)
18:30 通常サウナ(10分、水風呂5分)
19:00 7回目のロウリュ(前後含め10分見当、水風呂5分)
19:20 休憩・水分補給・喫煙等(30分)
20:00 8回目のロウリュ(前後含め10分見当、水風呂5分)
20:20 休憩・水分補給・喫煙等(30分)
21:00 9回目のロウリュ(前後含め10分見当、水風呂5分)
21:20 休憩・水分補給・喫煙等(30分)
22:00 10回目のロウリュ(前後含め10分見当、水風呂5分)
22:20 洗髪・髭剃り・洗身体・温泉(40分)
23:00 退店
—–
・・・12時間近く居続けなければならないし、食事の時間を一切取っていない、と
いう恐ろしくハードコアなスケジュール。ただし、いつものように連続でサウナ
をこなすワケでは無いから、もしかしたら多少身体的に余裕があるかも。
計画上、トータルサウナタイム170分。7回目以降に通常サウナを1本入れれば
3時間という壮大な時間になるのだが。

無理かなぁ、やっぱり(^^;)。
5回目まではこなせる自信あるんだけどなぁ・・・。

蒙古の怪人

▼”蒙古の怪人” キラー・カーン自伝  / キラー・カーン

毎号愛読しているG SPIRITSで出版が予告されてからずいぶん経った気が(^^;)。
待たされに待たされたおかげか、書店で手に取った時は思わず笑みを浮かべてし
まった程の待望の一作。“アルバトロス”こと、キラー・カーンの自伝である。

誤解を恐れずに、そして最大限のリスペクトを込めて敢えて言う。
キラー・カーンとは、「世界でいちばん有名な偽モンゴル人」生粋の日本人
ありながら後頭部に弁髪を結ってモンゴリアンを演じ続け、大袈裟で無く全米を
震撼させた最高のプロレスラーの一人。もしかしたらアメリカのオールドファン
は、今もカーンを本当のモンゴル人だと思っているかもしれない。

僕の考える「アメリカで本当にブレイクした日本人プロレスラー」は、実はそれ
ほど多く無い。思いつくままに並べてみても、ジャイアント馬場グレート・カ
ブキグレート・ムタ獣神サンダーライガーTAJIRI、最近の中邑真輔くらい
のもの。もちろんその中に、文句なくキラー・カーンも入っている。

現役時代のカーンは本当に凄いプロレスラーだった。
日本人離れした体躯に加え、あまりに恐ろしい表情。外国人相手でも一切体力負
けせず、相手が誰であろうと(例えばアンドレでも)真正面から攻撃を受け、自
らも真っ向からぶつかっていく。アルバトロス殺法と呼ばれたコーナー最上段か
両膝を落とすニードロップ説得力抜群で、一時は日本人最強かと思った程。
そんな名選手が綴る自らの半生は、やっぱり豪快面白い

印象に残ったのは、キラー・カーンという男の正直さ
カーンほど秀逸なプロレスラーがどうして全盛期にプロレスを辞めなければなら
なかったのか?とか、どうしてこれまでカーンがカール・ゴッチについて語らな
かったのか?など、思わず唸ってしまうようなエピソードが多々。この本を読み
終わる頃には、誰もが新大久保の「居酒屋カンちゃん」に行き、更に深い話を聞
きたくなるんじゃないか? そんな気がする。

そして・・・。
唯一無二のプロレスラー、キラー・カーンを引退に追い込んだ長州力を、僕はや
っぱり好きになれない、と改めて思った。あのど真ん中さえ居なければ、もっと
長くカーンの勇姿を観れたかも、と思うと、改めて腹が立つ。晩年の地獄は因果
応報なんだよな、きっと・・・。

ちょっと今から仕事やめてくる

▼ちょっと今から仕事やめてくる / 北川恵海(Kindle版)

書店の文庫コーナーに平積みされていた商品。
煽り文を読んで興味を持ち、電子書籍版を購入。果たしてこの買い方
は正しいのか?と問われると、自分でもちょっと疑問なのだけど・・・。

北川恵海という作家はもちろん初めて。平積みになっていたのは、第21回電撃
小説大賞・メディアワークス文庫賞を受賞したかららしい。この賞にはあんまり
興味は無いのだけど、帯だけ読むと最近話題になっている「事件」と同じような
世界を扱っている模様。先入観を捨ててに読んでみた。

かんたんに言えば、ブラック企業に勤務し、ニッチもさっちも行かなくなり、
無意識のうちに自ら命を絶ってしまいそうだった男が、突然現れた小学校時代の
同級生を名乗る不思議な男性に救われる、という物語。ファンタジー要素の強い
作品かと思いきや、決してそんなことは無く・・・という感じ。

それほど長い作品ではなく、文章のテンポも良いので、約半日程度で一気読み。
正直、テクニック的にはまだまだなところもあるし、読み応えという部分では
充分では無い。しかし、中身は決して軽くなく、読中にところどころで考え込
んでしまう部分が。作者が何を伝えたいのか?が非常にハッキリしており、何気
ない台詞の一つ一つが確実にこちらの胸を打ってくる。今後がさらに期待出来
る作家、と言って良いと思う。そして・・・。

下記よりちょいネタバレ注意

幸いなことに、僕は「ブラック」と感じる会社に勤務したことは無い(筈)。
だから、本当の意味では主人公に共感出来ていないと思うのだけど、作中に激務
が原因で自殺してしまった男母親「逃げ方を教えなかった」ことを悔いてい
る部分を読んで大いなるショックを受けた。もし自分が人の親になったとして、
親として「頑張れ」以外の言葉をきちんと言えるかどうか・・・。それを考えると、
本当に怖くなる。

岡村靖幸の歌に、こんな一節がある。

“寂しくて 悲しくて つらいことばかりならば
あきらめて かまわない 大事なことはそんなんじゃない”

・・・自分に近しい人がピンチに陥ったらこの歌を贈りたい、と改めて決意。
どれだけ不景気だろうと、どんなに就職難であろうと、やっぱり“たかが仕事”
自分がそれを楽しめるかどうかで、“されど仕事”になるんだと思う。

本当に辛いのなら、本人はまず逃げること
そして人の親ならば必ず子どもに「逃げ方」を教えなければならない
後から何を言っても、大事なものは絶対に戻らないんだから。

セイレーンの懺悔

▼セイレーンの懺悔 / 中山七里(Kindle版)

連続で中山七里作品。この作家、1作読むと続けて他の作品を読みたくなっちゃ
から本当に不思議。

この作品もある殺人事件を軸に進むのだが、描かれるのは警察でも犯人でもその
周辺の人物でもなく、なんとメディア。それも、ワイドショー的な番組を擁する
テレビ局女性レポーター制作スタッフが主役を張る、ちょっと変わった設定
のミステリー。

正直言えば、他の中山七里作品に比較するとミステリーとしてのレベルは決して
高くない。お得意の「どんでん返し」まで含め、中盤の段階で最後がどうなるか
見えていた。しかし、昨今の行き過ぎた取材姿勢が取りざたされがちな「報道」
という概念について、深く考えさせられる意欲作であると思う。

主人公がモラル視聴率の間で揺れる描写は切なくも凄まじい。確かに「いけな
いこと」と解っていても、我々は人の不幸が大好きだし、誰かの致命的な失敗
楽しくてしょうがない。だから、世論に追われてニュース的な切り口の番組に変
貌したかつてのワイドショーが、本当は恋しくてたまらない。しかし、自分の口
から出るのは、ワイドショーを揶揄する言葉のみ。擁護する言葉は絶対に出ない。

本当は多くの人が求めている「必要悪」を、罵倒されながらも作り続けなければ
ならない職業がある。そういう多くの人たちが、実は持っているであろう「信念」
を、作者は代弁したかったのではないだろうか。いや、もしかしたら「そうあっ
て欲しい」という願望かもしれないけど。

問題作。でも、しっかり読まずにはいられない作品であることも間違いない。
ある程度、覚悟して読むべき