米国・カリフォルニア州カーソンのスタブハブ・センターで行われたボクシン
のW世界戦。セミファイナルに登場した日本の井上尚弥は、米国・WBO7位の
アントニオ・ニエベスを相手に横綱相撲、自身の持つWB0世界スーパーフェザ
ー級王座を防衛、米マットで衝撃のデビューを果たした。
言ってしまえば、あまりに「恐ろしいボクシング」。
中央に立つのは王者の井上で、ニエベスは足を使ってその周囲をサークリング
する、という展開が主なのだが、それほどフットワークを使用しているように
見えない井上の動きが鋭すぎる。5ラウンドに炸裂したボディブローの印象は
かなり強烈。誰もがウゲェと思ったに違いない。
6ラウンド、王者のパンチを警戒した挑戦者が全く中に入って来ない。コレを
挑発する井上の姿はもう神懸かった格好良さ。ダウンこそ奪えなかったものの、
挑戦者に次のラウンドを闘う気力は無く、井上の6R終了TKO勝ち。
山中の王座陥落以来、ちょっと寂しくなった感のある日本ボクシング界だが、
怪物感を増した若き王者のおかげで今後が俄然楽しみになってきた。惜しむら
くは、メインでリマッチに敗れたローマン・ゴンザレスとの試合が実現しなか
った(おそらく)ことくらい。
目指すのは三階級制覇でも、統一王者でも、どちらでもいい。
日本にはまだ、怪物・井上尚弥が居る!