家族シアター

▼家族シアター / 辻村深月(Kindle版)

本年度の本屋大賞受賞作家辻村深月の短編集。
実はかなり前から読もう!、と思っていた作品なのだが、タイミングが合わず
にここまで来てしまった(^^;)。まぁ、満を持して、という感じで。

タイトル通り「家族」の物語が7篇
どれもこれもいわゆる「あるある」系の話であり、似たような家族構成の人
ら確実に共感出来そうなエピソードばかり。ニヤッとさせつつモヤッとさせ、
さらにキュン、と来させる辻村ワールドが見事に構築されている。感心するの
は、一篇の中にキッチリした起承転結が組み込まれていること。その所為か、
一つ読み終わる度にイチイチ「納得」出来るところが凄い。

オススメは小学校6年生の息子(当時)を持つ父親のエピソードで、タイトル
「タイムカプセルの八年」。子どもを持ったことの無い僕でも、思わずグッ
と来てしまうストーリーは妙に清々しく、なんか明日も生きていけそうな気分
にさせてくれた。

この作家の「読ませ方」は本当にすばらしい。
映像化にも凄く向いている作品な気がするので、NHKあたりで連ドラにして
くれると嬉しいなぁ・・・。とにかく良作です!