#ワケアリの部屋
▼瑕死物件 209号室のアオイ / 櫛木理宇(Kindle版)
最近続くUnlimitedでタイトルチョイスした中の一冊。
タイトルはもちろん、表紙デザインからもそこはかとなく漂うホラー臭。
この季節にピッタリ、ということで。
とある高級マンションが舞台。ある時期、ここで陰惨にして不可思議な
事件が連続して起こる。巻き込まれたのは、全員がちょっとワケアリの
女性。その影には、必ず不思議な「少年」が居て・・・という内容。
最初に評価から書いておくと、「完成されたホラー」。
いや、お世辞抜きで状況設定から構成、アイデアの全てが本当にすばら
しい。連作短編形式で、それぞれの章で状況の異なる主人公が設定され
ているのだが、各々の“ヤバさ”の描写が秀逸で、恐ろしい程のリアリテ
ィが醸し出されている。
櫛木理宇という作家はもちろん初めてだったので、後で調べてみたとこ
ろ、ホラー専門のある種「硬派」な作家さんらしい。ある程度長いシリ
ーズモノもあるし、他の作品も読んでみるべき、と感じた。おそらく、
ホラー職人の矜恃が味わえるハズ。良い出会いだったな、コレ。