#1990年代のWPB
かつての週刊プレイボーイ名物編集者、佐々木徹氏の作品。
まさかこんなタイトルの本が、G SPIRITS BOOKとしてリリースされるとは夢
にも思わなかった。
80年代中盤、新生UWFがブレイクした頃の我々はとにかく「情報」を得るこ
とに貪欲だった。週刊プロレス・週刊ゴング・週刊ファイトの3誌は必ず購入
し、下手すれば駅売りの東スポも毎日買う。裕福だったワケでは無いので、
とてもじゃないが一般誌などに金は使えない。週プレにプロレスの記事が掲載
されていたとしても、それを買うことはほぼ無かった。
・・・にも関わらず!
僕はここに掲載されている記事のほぼ全てに覚えがある(^^;)。おそらく書店
での立ち読みが殆どで、手元に置かない雑誌だから余計に覚えたのかと。今に
して思うと、プレイボーイを真剣に立ち読みしている図、というのは、あまり
好ましいモノでは無かったかなぁ(^^;)。
とにかく佐々木さんの手掛けたプレイボーイのプロレス記事が、ジャンルと
時系列でしっかりまとまっている意欲作。やたら束がある上に1ページ2段組、
膨大な文字量なのにも関わらず、文章を追いかける作業が全く苦にならない。
専門誌にあるような良い意味での暑苦しさや胡散臭さからかけ離れた表現を
当時は「新鮮」に感じたのだが、今改めて読み返すと「カッコイイ」。
きっとそれがWPBプロレスの真骨頂なのだ、と思う。
章間の書き下ろしエピソードも含め、トータルで完成された一冊。
佐々木さんが相変わらずプロレスに「熱い」ことが、本当に嬉しくてならない。
もう一度、あの頃のノリでプロレスが観たいなぁ・・・。