#DECADE
フミ・サイトーこと、斎藤文彦の新刊ノンフィクション。
新書でリリースされるプロレス本、というのは最近ではあまり無かった気
がする。書店で見掛けたのではなく、Amazonのリコメンドで購入。
登場するのは10人のガイジンプロレスラー。羅列すると、
“神様”カール・ゴッチ、“白覆面の魔王”ザ・デストロイヤー、“大巨人”ア
ンドレ・ザ・ジャイアント、“人間風車”ビル・ロビンソン、“爆弾小僧”ダ
イナマイト・キッド、“人間魚雷”テリー・ゴディ、“殺人医師”スティーブ
・ウィリアムス、“刺青獣”クラッシャー・バンバン・ビガロ、“皇帝戦士”
ビッグバン・ベイダー、“暴走戦士”ホーク・ウォリアー。
10人の共通項は「故人である」ということ。
この10人にはそれぞれ大いなる思い入れがある。であるからこそ、淡々と
描かれる各人の「終わりと始まり」は、びっくりするくらいスッとコチラ
に入ってくる。彼らがリングで闘う姿は今も鮮明。フミさんが書いている
通り、ファンが思いを馳せているウチはずっと彼らは生きている、と僕も
思う。
極めて冷静な文体だが、行間から滲み出る愛情を誰もが感じる筈。
プロレスとかそういうのは関係無く、フミ・サイトーのような文章は僕の
理想。こういう文章を書ける人になりたいなぁ・・・。