夜光虫

#八百長野郎!


▼夜光虫 / 馳星周(Kindle版)

馳星周アンリミッテッドからのチョイス。
随分前に紹介文熟読しており、近いうちに読むことが確定していた作品。
事前に抱いていた期待を大きく超える「非道い話」である。

主人公は台湾プロ野球で活躍する日本人投手。かつては日本のプロ野球
ノーヒットノーランを達成したこともある選手だが、故障を理由に台湾へ
流れ、今では放水・・・いわゆる八百長・・・に加担する落ちぶれピッチャー
順調にブラックマネーを稼いでいたが、ある日突然チームメイトと共に
湾ヤクザに拉致されて・・・という内容。

野球は好きだが、知っているのはNPBMLBだけな僕(^^;)。
故に台湾のプロ野球は全くピンと来ないのだが、興味は多少あった。
・・・そういう人は、絶対にこの作品を読んではいけない、と思う(^^;)。

台湾球界の描かれ方は、さながら魔窟「黒道」と呼ばれる台湾マフィア
とズブズブであり、不正試合は当然のようにまかり通る。更に、全体的な
レベルがやたら低い、という表現。現実の台湾球界がこれほど非道いとは
思わないが、ヘンな先入観が生まれる可能性あり。実際僕がそうなちゃっ
たのだから(^^;)。

その部分さえ除けば、やはり馳星周らしいノワール感満載のハードボイル
ド作品。主人公以外の登場人物の殆どが残虐にバンバン殺され、最後には
何一つ残らないし、誰も幸せにならない、という・・・。

徹底したノワールの読みたい人はぜひ!
もう一度言うが、台湾プロ野球に興味のある人は、間違っても読まないよ
うに。避けろ!!