#はぐれ王道
3年前にリリースされたプロレスラー・秋山準の著作。
タイムライン的には秋山が“仕方無く”全日本プロレスの社長に就任し、よう
やく経営を軌道に乗せた頃。秋山自身がインタビューに応えるカタチで、そ
こまでの自分のプロレス人生を語る・・・という内容。
残念ながら僕は秋山準というプロレスラーを実力者と認めてはいるが、過度
な思い入れは特に無い。根っからの新日派であり、故に全日本プロレスとい
うブランドにもほぼほぼ興味が無い。であるからこそ、この本で秋山がどん
底にあった全日本プロレスを立て直して行く様を、冷静に確認することがで
きた。
でもねぇ・・・。
この本で秋山は「これからの全日本」についての目標やあるべき姿を語って
いる。そのこと自体にきっと嘘は無いし、この本以降で秋山が頑張ったこと
もちゃんと知っている。ただ、全日本プロレスという組織が打っても全く響
かなかった、というのが大問題なのかと。
今現在、全日本に秋山準というプロレスラーは居ない。
淵以外の誰が辞めても全く問題は無いが、いちばん引き留めなければならな
い存在をかんたんに手放した全日本プロレスは、存在こそしているものの、
全く僕の琴線に触れない団体に成り下がった。宮原や諏訪魔・石川、ジェイ
クなどの才能のある選手は、早めに次のステージを考えるべきだと思う。
たった3年前、あれだけ前向きだった男の記録。
秋山のことを思うと、そんな記録が残っていること自体が可哀想だ・・・。