#大谷晋二郎
絶対にあってはならないこと。
・・・大谷晋二郎は、もっともっともっともっと報われなければならない。
こんなことでキャリアを終える選手じゃない、と信じているし、こんなことで
僕らの前から消えてしまうようなプロレスラーでもない、と信じる。
絶対にあってはならないこととは、大谷晋二郎がリングから消えてしまうこと。
だから絶対に負けるな! 絶対に無事に帰ってこい!
#爪痕
さいたまスーパーアリーナで行われたWBA・IBF世界ミドル級統一王座戦。
WBAスーパー王者の村田諒太と、IBF王者のゲンナジー・ゴロフキンの対戦は、
あまりに感動的な、歴史に残る一戦となった。
試合序盤、ペースを握ったのはなんと村田。
GGGの背筋が凍るような左ジャブをものともせず、距離を詰めた村田が強烈な
左右のボディ。あのGGGが、伝説のゲンナジー・ゴロフキンが、明らかに村田
の攻撃を嫌がり、苦痛の表情を見せる。カネロとの試合でも、GGGはこんな顔
を見せなかった気がする。
判官贔屓が凄くある見方だが、3Rまでは明らかに村田のペース・・・な気がした。
この段階で、僕は間違い無く夢を見た。もしかしたら、本当に最強のミドル級
の日本人世界王者が誕生するのではないか?と。
しかし、GGGはやはり規格外の強さ。
村田のボディを嫌いながらも、時折強烈に入る左ジャブとワンツーの効果は絶
大で、村田の顔はラウンドを重ねる毎に大きく腫れていく・・・。
間違い無く劣勢の村田だが、それでも果敢に前に出てパンチを放つ。
そんな村田の姿を観ていたら、試合の途中なのにも関わらず、涙腺が崩壊した。
9R。あのGGGを相手に、9Rまで勇敢に打ち合った村田を、誰が責められよう。
この一戦で村田はカネロやGGGと同じ土俵に居ることをしっかり証明。そして、
村田諒太というボクサーがオールタイムで最強の重量級日本人ボクサーである
ことも証明された。心から拍手を贈りたい。
おそらく今日を最後に、村田諒太はグローブを壁に掛ける。
最後の試合を生涯のベストバウトとし、負け試合にも関わらず観客を感動させ
た村田を、僕は心の底からリスペクトする。最高の試合を、ありがとう!
#大問題作
ジャンプ+で連載されていた大問題作「タコピーの原罪」。
ネットでは各所で話題になっており、僕も早い段階で上巻は読んでいた
のだが、ここに来て下巻がリリース。いいタイミングなので、物語を通
したカタチでレビューを。
ゆるキャラにしか見えない主人公の宇宙人・タコピーが放り込まれたの
は、残酷すぎるイジメの渦中に居る女の子の側。ハッピー星人であるタ
コピーは、その少女をなんとか楽しくさせようとするのだが、やること
なすことが全て裏目に出て・・・という内容。
とにかく、話題になる理由は明白。それは「イジメ」の描写がリアルを
通り越して【恐ろしさ】を感じるレベルであるから。
僕らの世代からハッキリとしたカタチを見せ始めた「イジメ」の現状は、
加担する側・される側のどちらかに、強制的に属されてしまう場合が多い。
今から思えば吐き気のする状況なのだけど、だからこそいじめている人の
気持ちも、いじめられている人の気持ちも、それなりに解ってしまう。
普通の人間なら、そこでジレンマを感じるハズ。
この作品で現出するイジメは相当酷いモノで、その加害者は因果応報と
ばかりに恐ろしい目に遭うのだが、その後に「何故そうなったのか?」が
しっかりと明らかになる。ここで生じるジレンマは、僕がこれまで味わっ
て来た同種のモノの中でも相当な根深さで、深刻なトラウマになったほど。
正直、少年マンガのカテゴリーに入れるのもどうかと思ったのだが・・・。
まさか、こういう落とし処があるとは!と思わず感心したラスト。
ある種無理矢理な感こそあるものの、この終わり方であればなんとか心の
モヤモヤを払拭できる。いや、本当に良かった、マジで。
とにかくジャンプ+の連載は要チェック。
今年の「このマンガがすごい!」、取るだろうな、きっと。
#伝説の終わり
昼過ぎに突然入ってきたニュース。
マンガ家の藤子不二雄Ⓐ(敬称略)こと、安孫子素雄さんが川崎市の自宅で死去。
自宅敷地内で倒れているところを発見された模様で、死因は今のところ不明。
遺体に目立った外傷は無し。享年88。
・・・いつかこの日が来る、とは思っていたが、事実として記事が配信されると
やはりショック。いや、ショックという言葉で片付けられないくらい、心が
ざわつき、喪失感に苛まれた。
大袈裟で無く、Ⓐ先生は僕の人生に大きな影響を与えてくれた偉大なマンガ家。
「ドラえもん」のブレイクからずっと続く藤子不二雄ブームは、その殆どが
藤子・F・不二雄先生由来だが、少年期を超えて今に至るまでずっと、僕らの
心を鷲掴みにし続けたのは、間違い無くⒶ先生その人。同じ時代を生きたF先生、
手塚治虫先生、石ノ森章太郎先生、赤塚不二夫先生、矢口高雄先生らが鬼籍に
入ってからもなお、僕らのシンボルとして君臨し続けてくれた。
あの尾田栄一郎をして「かないません!」と言わしめた最強のマンガ家。
つい最近まで現役で仕事を続け、新しい刺激をずっと送り続けてくれたことは、
感謝してもしきれない。
史上最高の天才マンガ家は、遂に新しい道へ。
まずは久しぶりにF先生と合流し、少太陽の最新号から始めてみるのはどうか?
そうであるのなら、僕もこの後に大きな楽しみができるので。
Ⓐ先生、本当にお疲れ様でした。
そして、僕に「まんが道」を、「魔太郎がくる!!」を、「怪物くん」を、
「愛・・・しりそめし頃に・・・」を、「オバケのQ太郎」を届けてくれて、本当に、
本当にありがとうございます。そして、メチャクチャ寂しいです・・・。
だからまた必ず、どこかで。アチラで読める新作を、楽しみにしています。