THE IRON SHEIK

#鋼鉄怪人


WWEのオフィシャルWebサイトによると、同団体のHall of Famerであり、
元WWF世界ヘビー級王者“アイアン・シーク”こと、コシロ・バジリ氏が
逝去した模様。享年81

アイアン・シークの存在を初めて知ったのは、テレ朝のワールド・プロレ
スリングの画面。アントニオ猪木の海外遠征時に、当時猪木が保持してい
NWFヘビー級王座に挑戦した、凶器シューズを履いた中東人。その時は
ハッサン・ジ・アラブを名乗っていたが、数ヶ月後にアイアン・シークと
して新日本プロレスに来日した。

僕が何故この選手を強烈に覚えているのか、というと、新日本プロレスを
最初に観戦した時の参加選手だったから。坂口&長州の保持していた北米
タッグ選手権に、スーパー・デストロイヤーと組んで挑戦。いいところ無
くストレートで敗れたのだが、存在感は抜群。「ザ・昭和の外人レスラー」
というたたずまいが、本当にすばらしかった。

後に、ボブ・バックランドを破りWWF王者に。マクマホンJr.全米進行
の足がかりは正にこの時であり、絶妙のタイミングハルク・ホーガン
タイトルを引き継いだ。この後もイラン人ギミックでWWFで活躍。
“仕事人”という言葉がしっくり来る、味わい深いバイブレイヤーだった。

注目すべきは、アイアン・シークがカール・ゴッチも認める『シュート』
でもあったこと。元々はアマレスの猛者であり、それも当然なのだが、あ
のご時世でイラン人ギミックを貫くには“強さ”が絶対に必要な要件。そう
言えば、Uインターの武道館で安生洋二と闘った時の迫力も見事だった。

偉大なパフォーマーにしてワーカー、そしてシューターでもあった稀有
選手。アイアン・シークというプロレスラーが存在したことに、心からの
感謝を。また必ず、どこかで。