#新宿アンダーグラウンド
Kindle Unlimitedのリコメンドにいきなり登場したノンフィクション。
このところ社会派ハードボイルド系の小説ばかり読んでいた所為か?
作者の國友公司はルポライター。後で調べたところ、名門の筑波大学
に入学しつつも、後ろ暗いアルバイトと東南アジアでの放浪に時間を
浪費し、卒業に費やした期間はなんと7年。作家デビュー作は大阪・
西成のドヤ街潜入ルポだと言うのだから、ちょっとヤバイ人(^^;)なの
かもしれない。
その西成の後に、作者が興味を持ったのがなんと新宿・歌舞伎町。
一癖ありそうなヤクザマンションに自ら入居し、歌舞伎町とそこで生
活する人々を徹底的に観察。一歩間違えば自らがアチラの世界に取り
込まれそうな状況を、ギリギリのところで泳ぎ切っているのが凄い。
おもしろかったのは「思い出の抜け道」近辺で営業する怪しいお店の
実態。基本は不法占拠であり、所有者もハッキリしないところで何年
にも渡って商売が成立しているのが凄いし、その中に“誰も踏み込めな
い場所”が今も存在している、という事実。かつて香港に存在したあの
九龍城と同じか、それ以上にインパクトのある場所が、歌舞伎町にあ
る、というだけでかなりときめいてしまう。
個人的に歌舞伎町に多大なる思い入れのある僕としては、最高に入り
込める作品。こうなったら西成の方も読むしかないかな、うん。