#ミステリーど真ん中
▼あなたが誰かを殺した / 東野圭吾
東野圭吾の最新作は、約4年ぶりの加賀恭一郎シリーズ。
ちょっと読むのが遅くなった理由は後述。
舞台は軽井沢を思わせる別荘地。金持ちの集まる土地の一角で、今年も開
かれたバーベキューパーティー。それぞれ一癖ある人物がいつものように
参加したが、パーティー終了後にその参加者が複数殺される、という事件
が。犯人は“死刑”を望んだ男で、自首した上で無差別殺人を主張。これに
納得の行かない被害者遺族たちは、「検証会」の名目でもう一度彼の地に
集合。そこで夫を殺された看護師は、オブザーバーとして加賀に出席を依
頼する・・・という内容。
久しぶりにミステリーらしいミステリーを読んだ、という手応えが。
“事件”は既に終わっており、犯人も名乗り出ている、という状況の“矛盾”
が明らかになっていく、という展開で、物語はほぼ会議室の中だけで進む、
というのが斬新な上にユニーク。知らぬ間に貼られていた伏線が続々と回
収されていく様は本当に心地よい。さすが、としか言いようが無い。
やっぱり東野圭吾の真骨頂はミステリーだな、と改めて感じた次第。
ミステリー好きは確実に押さえておくべき作品だし、読み応えはバッチリ。
コレはいつもの面子での映像化も期待だな、うん。
ところで。
この作品は昨年の9月にリリースされたモノで、実は発売日に書店で購入
している。にも関わらず、読了が今になったのは、冒頭部分を読んだとこ
ろで目が厳しくなり、後回しになってしまったから。東野圭吾作品は速読
するのが常だった僕からすると、かなりレアなケースである。
・・・先生、お願いです!
主義に反するとは思いますが、老ファンの為に電子書籍での新作リリース
を検討していただけないでしょうか?結構切実です、コレ。