ご来店は火曜日に

▼ご来店は火曜日に / 虎渓理紗(Kindle版)

Unlimitedサービス徘徊中に発見した作品。
おそらくインディーズ系の作家で、虎渓理紗という作家名で検索してもこの
1作しか出てこない。さてどんなもんか?という感じで軽く読んでみた。

「火曜日だけ開店している魔法使いの居る喫茶店」というアイデアは悪く無
い。つまり舞台設定・キャラ設定はそれなりに魅力的で、起きる事件もそこ
そこ興味深いのだが、如何せんエピソードが1つ、というのはちょっと足り
ていない気がする。ここで発表するのではなく、もう2〜3エピソード分の話
を作り、連作短編にした方が間違い無く良かったんじゃないかと。力尽きち
ゃったのかなぁ、1話で。そのあたりがかなり残念だったりする。

Amazonレビューでの酷評も頷ける。ミステリーとしても恋愛小説としても、
下手すればライトノベルとしても不完全なのは否めないが、上記の通り発想
は全然悪く無い。次回はもう少し長い小説にチャレンジして欲しい。
・・・なんならコレの続編でも構わないので。

KENDO

先月発売のG SPIRITS 42号。
この本の人気連載に「ドクトル・ルチャのアリバ・メヒコ」という記事があり、
僕はコレを非常に楽しみにしている。毎回1人、伝説のルチャドールにスポット
を当て、彼らの全キャリアを追いかける、というスタイルなのだが、今回登場
したのは我々日本のファンが莫大な思い入れを持つケンドー。思わず狂喜した。

いわゆる“お調子者”キャラでブレイクしたプロレスラーは彼が初めてかも。
会場に鳴り響く「ケンドー チャチャチャ」(チャの部分は手拍子)というコー
ルに対し、自ら反応し煽りを入れる、というのは、これまで日本のプロレス界
には無かった挙動。コレは結構な発明であり、ここから観客側に「応援する」
だけでなく、「参加する」、という意識が生まれたように思う。

『まったく予想外だったのは、私への声援だった。あんな凄いケンドーコール
はメキシコでも聞いたことがなかったからね。この国の人たちには、国境も偏
見もないと思ったよ。観たこともないドミニカ人の私をこんなに愛してくれた
ことに感動し、私はマスクの中で泣いていた。』(記事より引用)

正直、この一文を読んだところで目頭が熱くなった。
もしかしたら、最初は僕らの悪ふざけだった「ケンドー チャチャチャ」に対し、
精一杯反応してくれたのは紛れもなくケンドー本人。打たれ弱さこそあったも
のの、凄まじい身体能力でとんでもない高さのトペを繰り出す勇気にも心を打
たれた。ケンドーがあの日に来日してくれなければ、僕らはずっとルチャに対
して偏見を持ったママだったと思う。ケンドーだから、我々は愛したのだ。

この連載に僕らのケンドーを登場させてくれたドクトル・ルチャこと清水勉氏
に最大級の感謝を。そして、60歳になっても未だ現役のケンドーなのだから、
また是非来日して欲しい。東京愚連隊あたりが呼んでくれると嬉しいんだけど。

▼Gスピリッツvol.42

昭和プロレス 迷宮入り事件の真相

▼昭和プロレス 迷宮入り事件の真相 / 井上譲二(監修)

なぁんとなく購入した元週刊ファイト編集長・井上譲二氏が監修する書籍。
宝島社からリリースされている本なので、いわゆる“暴露系”に偏るのは解っ
ていたが、ソコはジョージ井上、なんとか上手くまとめてくれる、と思って
いたのだが・・・。

副題に「YouTube時代に出た最終結論」とあるが、だとするならその結論
はもう何年も前に出ていたことになる(^^;)。ちょっとディープなプロレス
ファンなら全員が知っていることの羅列に過ぎず、しかもそういう人たち
しか買わない本だと思うんだけどなぁ・・・。

読み物として面白かったのは、週刊ファイトのデータがなんとか生かされ
ている「アンドレ・ザ・ジャイアントを投げた男たちは本当か?」くらい。
あとはラッシャー木村のエピソードも少しグッと来たけど・・・。

ちょっと残念な出来。ジョージじゃなくて波々伯部さんに期待した方が
いいな、きっと。

BACK

▼BACK 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子 / 内藤了(Kindle版)

内藤了・藤堂比奈子シリーズ第七弾。
前作「ONE」でシリーズ最大とも言える事件が解決したため、新章へ。
これまでの藤堂比奈子シリーズと大きく違うのは、プロローグの舞台が
「外国」であること。八王子を根城にしている猟奇犯罪捜査班をコレにど
う絡ませるのか、お手並み拝見という感じで読んだのだが・・・。

・・・いやぁ、お見事。
やはり前作はターニングポイントだったらしく、今回から構成はジワジワ系
へシフトチェンジ。もちろん、すっかりお馴染みの主要キャラたちも大活躍
するし、これまで通りにスリリングな内容ではあるのだが、犯人の正体はも
ちろん、目的すらハッキリしない状態のままジリジリ進む物語。こういう
場合、下手をすると退屈してしまう場合が多いのだが、今作全篇に漂う薄気
味悪さは一級品。全く退屈せずに読了した。が・・・。

またやってくれやがったよ、「続きは次巻」(^^;)。
そして今回のコレはもう続きが気になって気になってしょうがない(^^;)。
続編はまたもや夏のリリースが予告されているが、正直そこまで待てる自信
が全く無いんですけど、内藤先生。

とにかく待つしか無い。ちょっとでも早く出てくれるといいんだけど。

徒花・悪役ブルースを発掘!

Kindle Unlimitedサービスに登録し、週刊プロレス定額購読の体勢に入った
のだが、ついでに面白そうな小説も片っ端から読み漁っている状態。んで、
読み放題ストアで“プロレス”というワードで検索したら、興味深い作品が
多々出て来やがった。特に驚いたのは・・・。

↑↑「悪役ブルース」。
原作はタイガーマスクの梶原一騎、作画は峰岸とおる。週刊少年マガジン
で連載されていたのだが、梶センセの不祥事(^^;)でいきなり連載中止にな
った、悪い意味で“伝説”とされる幻の作品である。

将来有望な空手家がTV番組の企画で外人悪役プロレスラーに叩きのめされ、
そのままそのレスラーに弟子入り。アメリカ・メキシコに渡り、プロレスで
ヒール(悪役)として活躍する、という話なのだが・・・。

梶センセの作品によくある展開なのだが、途中から実在するプロレス団体と
リンクしてくる。上の画像はメキシコ遠征に来た初代タイガーマスクと、
作品上の主役であるザ・カミカゼ=吹雪純也が激突するシーン。まぁ、カミ
カゼはこの後タイガーにボッコボコにされてしまうのだが(^^;)。

この話は展開を見せ、カミカゼは当時悪役として絶頂だった国際軍団に入る。
さぁこれから!と言うところで連載が終わってしまったのだから、当時の僕
を含めたプロレスファンの落胆ぶりは凄まじかった(^^;)。
梶センセがご存命なら、今からでも続きを書いて欲しいくらいなのだけど・・・。

Unlimitedにはその他にも「プロレススーパースター列伝」やら「最狂超プロ
レスファン烈伝」などの読み放題コミックが多数あり。いや、マジで申し込
んでおいて良かったよ、Unlimited。

▼悪役ブルース1 /  梶原一騎・峰岸とおる(Kindle版)