NJPW WORLD for fireTV

サービス開始以来、ずっと待ちわびていたアプリが遂にリリース。
Amazon fireTV用NJPW WORLD。定額で過去から現在までの
試合が見放題の新日本プロレスワールドが、遂にfireにやってきた。

家庭用のTVでNJPW WORLDを鑑賞する場合、これまではchromecast
でタブレット等の映像を飛ばす、もしくは裏技を使う、くらいしか方法
が無かった。規模こそ違えど、当面のライバルであるWWE Network
早々にfireTV用のアプリをリリースしていたことを考えると、ちょっと
遅すぎたくらい。

これで新日本のビッグマッチがTVで観られる!
・・・のだが、このアプリはまだまだチューニングが必要。動きの速い
場面ではややカクカクするし、下手すりゃちょっとプチフリする(^^;)。
WWEの方は殆どそういう現象は起こらないから、単に完成度が低い
けだと思うのだが。

まぁ、そのうちバージョンアップするでしょう、きっと。
取り敢えずリリースしてくれただけでOK。新日本プロレスに感謝!

DOMINION IWGP INTERCONTINENTAL CHAMPIONSHIP

新日本プロレス・初夏のビッグマッチとしてすっかり定着した
ドミニオン・大阪城ホール大会をNJPW Worldにて。語るべきことが多々
あった大会なのだけど、ここはセミファイナルに絞って触れておきたい。

内藤哲也の保持するIWGPインターコンチネンタル選手権に挑んだのは、
欠場明けの棚橋弘至。東京ドームで内藤の下克上を許し、2017年の上半期
を完全に棒に振ってしまったエースが、現状でいちばん説得力のある王者
とどう闘うのか?が注目された一戦。

賛否両論があるとはいえ、「タイトルを粗末に扱う」というギミックで
中邑真輔以来初めてインタコンチに色を付けた王者の内藤。方法論はとも
かく、IWGPヘビー級戦線とは違った種類の闘いを新日本のもう1つの主軸
にした功績は認められるべき、と正直思う。この試合に関してのお膳立て
全て内藤が作ったモノ。ひさびさに完全なベビーフェースとしてリング
に上がった棚橋は、本当にイキイキと怒っていた

そして、新日本の中でも1・2を争う試合巧者な2人。それぞれ起承転結
作るのが非常に上手く、刻一刻で入れ替わる攻守芸術の域。棚橋の負傷
箇所である腕を攻める内藤ゾクッと来るような笑顔。気がついてみたら、
凄いチャンピオンになっていた。


しかし、今回は全ての局面で棚橋が少しだけ内藤の上を行ったかも。
中邑ポーズからのハイフライフローを決まり手にせず、拷問式テキサス
クローバーホールドフィニッシュに持ってきた、というセンスが凄い。
内藤がタップした瞬間、思わず「おお!」と唸ってしまったほど。

やはり棚橋はベルト姿が良く似合う
出来ることなら、棚橋は中邑・内藤に続き、インタコンチに色を付けられ
3人目の王者として、長くこのベルトを巻いて欲しい。
そして内藤も、もう遠慮無くIWGPヘビー級王座を狙うべき。それも年内
の戴冠を強く願う。今年のドームのメイン、王者・内藤に、誰かが挑む
というのが正しい気がする。内藤は上半期で、そこまでのことをやった
と僕は思っているので。

ライガー最後のBOSJ

新日本プロレス「BEST OF THE SUPER Jr.2017」Aブロック最終公式戦・大阪
大会の模様をNJPW Worldにて。

BOSJ、いつもなら星取り状況に一喜一憂し、最終戦まで楽しみまくる大会な
のだが、今回はどうしてもテンションが上がらない。原因は明白。
大会前のインタビューで、獣神サンダーライガー「今年でBOSJを卒業」
明言していたから。


ここまで全敗のライガー、最終戦の相手は鈴木軍タイチ
ゴング前からセコンドの金丸デスペラードと3人がかりでライガーを蹂躙
し、序盤から獣神はフラフラな状態に。


レフェリー不在のリングで、マスクはおろかコスチュームまで破られたライ
ガーだが、最後まで闘志は衰えず。金丸・デスペラードをKUSHIDA田口
抑える間に、掌底→ライガーボム→垂直落下式ブレーンバスターのフルコー
スを爆発させ、最後のBOSJを勝利で飾って魅せた。

僕にとってライガーは本当に特別な選手
ライガーが居なければジュニアヘビー級というジャンルはもうとっくに潰れ
ていたかもしれないし、BOSJがこんなに長く続くことも無かった。取り敢え
ずは「お疲れ様です!」と言いたい。

しかしあくまでBOSJ卒業
まだまだ引退なんて絶対して欲しくないし、世界中のコアなファンにその姿
を焼き付けてあげて欲しい。お願いだから「辞める」とか言わないで・・・。

WAR OF THE WORLD

米国・ROH(Ring Of Honor)のビッグマッチ、「WAR OF THE WORLD」開催。
今回は新日本プロレスとの共同開催なため、NJPW WORLDで生中継があった。
さすがにリアルタイムでは見られなかったのだけど、タイムシフトで観戦。

ベストマッチはやっぱりヤング・バックスvsL.I.JROH世界タッグ選手権
内藤の人気はカッチリアメリカまで伝わっているらしく、↑↑のお得意のポーズ
を決めただけで場内は大熱狂。なんとなくだけど、雰囲気が新日本の頃の中邑に
似てきたかも。本人は嫌がりそうだけど(^^;)。

しかし、試合は王者のヤングバックスが快勝。
各国のインディに引っ張りだこのヤングバックスが、ホームのROHで負けるワケ
にはいかない。この2人をいつまで繋ぎ止めておけるか? 新日本の手腕に期待!

棚橋弘至はセミファイナルでバレットクラブアダム・コールとシングルマッチ。
タナっていちばん世界に通用しそうな選手なのに、国外での人気がイマイチと感
じるのは僕だけかなぁ?

試合巧者のコールとは手が合う所為か、大熱戦を展開。コールもこの試合を最後
にROHを離れるらしく、有終の美を飾るべく奮闘したが、最後は棚橋の得意技・
ハイフライフローがズバリと決まり、見事な勝利!

そして、試合前にIWGP US選手権の新設が発表される。
新日本の米国進出はどうやら本気なようで、真剣にWWEに闘いを挑む模様。
確かにWWEの寡占状態があまりに長く続くのはどうかと思う。考えてみれば、
新日本は既に世界で2番目の規模を誇る団体。もしかしたら、という可能性はある。
この計画、上手く行くといいなぁ・・・。

蒙古の怪人

▼”蒙古の怪人” キラー・カーン自伝  / キラー・カーン

毎号愛読しているG SPIRITSで出版が予告されてからずいぶん経った気が(^^;)。
待たされに待たされたおかげか、書店で手に取った時は思わず笑みを浮かべてし
まった程の待望の一作。“アルバトロス”こと、キラー・カーンの自伝である。

誤解を恐れずに、そして最大限のリスペクトを込めて敢えて言う。
キラー・カーンとは、「世界でいちばん有名な偽モンゴル人」生粋の日本人
ありながら後頭部に弁髪を結ってモンゴリアンを演じ続け、大袈裟で無く全米を
震撼させた最高のプロレスラーの一人。もしかしたらアメリカのオールドファン
は、今もカーンを本当のモンゴル人だと思っているかもしれない。

僕の考える「アメリカで本当にブレイクした日本人プロレスラー」は、実はそれ
ほど多く無い。思いつくままに並べてみても、ジャイアント馬場グレート・カ
ブキグレート・ムタ獣神サンダーライガーTAJIRI、最近の中邑真輔くらい
のもの。もちろんその中に、文句なくキラー・カーンも入っている。

現役時代のカーンは本当に凄いプロレスラーだった。
日本人離れした体躯に加え、あまりに恐ろしい表情。外国人相手でも一切体力負
けせず、相手が誰であろうと(例えばアンドレでも)真正面から攻撃を受け、自
らも真っ向からぶつかっていく。アルバトロス殺法と呼ばれたコーナー最上段か
両膝を落とすニードロップ説得力抜群で、一時は日本人最強かと思った程。
そんな名選手が綴る自らの半生は、やっぱり豪快面白い

印象に残ったのは、キラー・カーンという男の正直さ
カーンほど秀逸なプロレスラーがどうして全盛期にプロレスを辞めなければなら
なかったのか?とか、どうしてこれまでカーンがカール・ゴッチについて語らな
かったのか?など、思わず唸ってしまうようなエピソードが多々。この本を読み
終わる頃には、誰もが新大久保の「居酒屋カンちゃん」に行き、更に深い話を聞
きたくなるんじゃないか? そんな気がする。

そして・・・。
唯一無二のプロレスラー、キラー・カーンを引退に追い込んだ長州力を、僕はや
っぱり好きになれない、と改めて思った。あのど真ん中さえ居なければ、もっと
長くカーンの勇姿を観れたかも、と思うと、改めて腹が立つ。晩年の地獄は因果
応報なんだよな、きっと・・・。