ONE PIECE magazine Vol.11

#ONEPIECE1000LOGS


▼ONE PIECE magazine Vol.11

ONE PIECE 98巻の発売に合わせ、ONE PIECE magazineも最新号発売。
11冊目のテーマは「言葉のチカラ」。この特集にかなりやられた

著名人がこれまでのワンピースの中から印象的な「セリフ」をチョイスし、
それを解説する、という内容。コレにイチイチ反応してしまう自分がいた。

おそらくワンピース、僕にとってこの世の全ての出版物の中で【最重要】
と断言出来る物語。故に、20年以上続いた連載の重要な部分は明確に覚え
ており、言葉が一つ出てくるだけで細かいディテールまで明確に蘇る。
そうなるとどうなるのかというと・・・涙が溢れるんだ、コレが(^^;)。

年を取って明確に「ヤバイ」と感じていることが3つある。
1つ目は『人の名前が覚えられなくなったこと』、2つ目は『目がすぐに
霞むようになったこと』、そして3つ目が『すぐにウルッとくること』
最初の2つに比べれば、涙腺が弱くなったのは大したことでは無い、と思
っていたが、ワンピースマガジンを読んでるだけで号泣、というのはさす
がにちょっと(^^;)。

大泣きするのはルフィカイドウを倒すまで我慢しよう、今後は(^^;)。

週休3日宣言(上)

#どうで荘


▼週休3日宣言 / 嬉野雅道・藤村忠寿

どうでしょう班ディレクター陣嬉野雅道藤村忠寿の新作。
どうやら規模の大きな自費出版で、サブタイトルは「水曜どうでしょうハウ
スにこもって考えたこと」

昨年の緊急事態宣言発令の後、YouTubeチャンネル『藤やんうれしーの水
曜どうでそうTV』にて突如配信が始まった「水曜どうでしょうハウスで野鳥
観察の刑」。我々がステイホームを余儀なくされた時期、自らの番組企画で
建設された北海道・赤平のツリーハウスに巣ごもった藤村Dと、それを見守っ
嬉野D。彼らの【緊急事態宣言】に対するスタンスと、これから変貌せざる
を得ない【働き方】に対する考え方が記載されている。

誤解を恐れずに言えばある種の自己啓発書。降って湧いたような危機を逆手
に取り、働き方に対する考え方を新たにすべき、もともと仕事は「量」より
「能率」が重要で、少ない労働時間で大きな「成果」を上げるのが大事。
テレワークの導入でそれがもっと顕著になる筈だ、という感じか。

単純に、すげぇ人たちだなぁ、と思う。
逆にこういう考え方が出来なければ「水曜どうでしょう」をとんでもないレ
ベルのオバケ番組にすることは出来なかったし、会社員をやりながら好き勝
手ができる、という最高の立場を手に入れることは出来なかった筈。

本来僕ははこういう類の本は斜めに構えてしか読めないのだが、さすがに今
回はいろいろ共感したし、今後のヒントになる言葉をたくさん貰った。どう
やら今年中に【下巻】が出る模様。それも絶対に買い逃がさない、と心に決
めた次第。

だけど一つだけ、僕は彼らよりも先に気付き、それを上回るカタチで実行し
ていることがあった。僕の場合、「3日働いたら4日休め!」(^^;)。もちろん
完全に実践出来ているワケでは無いが、独立後はコレを心がけることで精神
が病むことは少なくなった気がする。
上回っている点は1日休みが多いこと(^^;)。勝ったな、コレは(^^;)。

EGGS

#武道館23時集合


▼EGGS / 中江嘉孝

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先週、何かの拍子に急に思い出したマンガがあった。
しかし、思い出せたのは「内容」のみ。作者はもちろん、タイトルすら
忘れており、いろんなワードを頼りにネット検索。1時間くらい頑張り、
ようやくタイトルが判明。Amazonに古本が出品されていることを知り、
速攻で注文したのがこの1993年の作品。

どんな内容かと言うと、【コンサートアルバイト】の世界を描いたモノ。
あの頃は本当にありとあらゆる世界マンガになっており、何が書かれ
ても驚かなかったのだが、さすがにコレが出て来た時は驚いた。まさか
こんなニッチな分野の青春モノが刊行されるとは、と。

僕自身、ずっとコンサートバイトをやっていたクチ。
あの頃は明確に音楽が好きで、このバイトをしてればタダでライブが観
られるんじゃないか?というあまりに不埒な理由(^^;)で始めたのだけど、
実際やってみるとそんな事が全く考えられない程にハード100kg近く
スピーカーを運ばなければならないし、照明セッティング中は数時間
舞台にただ立ち続けなければならない。警備に立てば絶対にステージの
方を振り返ることは出来ないし、弁当を食べる時間は約10分。当時流行
りの言葉で言えば、3K極地のような仕事だった。

それでも続けていたのは、そこに集まる人たちがあまりに個性的であり、
その集団の中に居るのが本当に心地よかったから。結局このバイトから
発展する形で仕事を選び、今に至っちゃってるのだから我ながら凄いと
思う。

そういう極悪だけど素敵な世界が、しっかり正直に描かれた佳作。
中江嘉孝というマンガ家は間違い無く僕らとほぼ同じ時期にこの仕事を
していた人間で、その辛さも楽しさも知っている「同志」なハズ。
残念ながらコレ以降での著作は発見出来ないけど、渾身の作品を残して
くれた、と僕は思う。

個人的にはノスタルジーに浸れるが、そうでない人にもきっと響く。
額に汗して働くことの意味がきっと解るハズなので、万人が読むべし。
古本でもなんでもいいから入手せよ!

フシギ

#イヤミスの教祖 #ミスリードメーカー


▼フシギ / 真梨幸子(Kindle版)

ちょっとビックリ、なんと真梨幸子新作
前作「聖女か悪女」からまだ3ヶ月も経っていないことを考えると、この
ペースは驚異的。そしてファンとしてはもちろん嬉しいリリース。

今回も女史最大の持ち味である「イヤミス」のテイストは全篇にしっかり
ばらまかれている。状況描写だけでグロッとした雰囲気を出せるのはさす
がと言う他無いのだが、今作はちょっと違う感想が先に来た。それが何か
と言うと・・・。

・・・完っ全に騙された(^^;)。
中山七里に代表される「どんでん返し」は大好物なのだが、それらに引け
を取らない驚愕のオチ。個人的にミステリーはそこそこ読み込んでいる、
という自負があり、最近では結末に驚くことは殆ど無いのだが、今回は久
しぶりに気持ち良いくらいビックリした。終盤、「え〜!」という言葉が
本当に口を付いて出てしまったのだから。

誤解を恐れずに書くと、今作のどんでん返し、ハッキリ言って非常によく
あると思われるパターン。にも関わらず、最後まで全く気付かなかったの
は、何重にも仕掛けられたミスリードのテクニックが【超絶】のレベルま
で上がった、ということ。

これまでは幸子サマを『イヤミスの教祖』として崇めて来たが、今回から
新たに『ミスリードメーカー』の称号を付加したい。脱帽ですよ、ええ。

だからミステリー好きはもちろん、オカルトマニアの皆様も是非。
・・・さすがにちょっと空いちゃうのかなぁ、次は(^^;)。

虚の王

#渋谷ノワール


▼虚の王 / 馳星周(Kindle版)

読むべき本がまもなくリリース、というタイミングで、繋ぎとしてチョイ
スしたのは定番・馳星周作品。これまで読んだ多くの馳作品と同様、善人
が一人も出てこないザ・ノワール

舞台は渋谷。主人公はかつて伝説のチーマーとして渋谷に君臨しながら、
現在は末端のヤクザでシャブの売人に身を落とした男。渋谷で高校生の集
団が売春を組織化していることに気付き、コレを乗っ取ろうとするのだが、
そこには得体の知れないリーダーが居て・・・という内容。

いわゆるネオ・ブランク・ジェネレーション世代の恐ろしさを描くのが狙
いなのだと思う。渋谷を根城にしている連中は昔からヤバいヤツが多かっ
たが、その「ヤバさ」極限まで誇張した内容。自分さえ良ければ平気で
仲間を裏切り、なんならカンタンに人を殺すのに、心にダメージを一切受
けない、という、完全なるサイコパスが登場してくるのが凄い。

例えば代表作の「不夜城」にも恐ろしい連中が多々登場するが、彼らは確
実に【理由】があって悪に染まっていた。しかし、この作品の「暗」を担
っているキャラには明確な理由がほぼ見えない。それ故に、底の知れない
恐ろしさが溢れ、連続して読むことが出来なかった。

馳作品の読後感の悪さは定評があるが、コレは更に一段階上の極悪作品
こういうのが大好物の僕でもちょっと引いたので、さすがに万人にオスス
メというワケには行かないかなぁ・・・。