日テレ水10・石原さとみ主演のドラマ「地味にスゴイ!校閲ガール・河野
悦子」がすばらしく面白い。ソレきっかけで原作があることを知り、オンエ
ア前半なのにもかかわらず手を出す。果たして吉と出るか凶と出るか(^^;)。
宮木あや子作品はもちろん初めて。
わりと出版関係と近いところで仕事してたにもかかわらず、「校閲」という
仕事の存在をドラマで初めて知ったに近い僕としては、読む前から興味津々
で、テンションはかなり高かった気がする。こういう場合、「期待し過ぎた」
という状態で読了する場合が多いのだが、コレはちょっと違った。
主人公であり、語り部でもある河野悦子のセリフ回しが完全にツボ。
明日使ってみたい系のシニカルな皮肉が山のように溢れ、どこを読んでも
ニヤニヤ出来るのがポイント。
そしてネタが「校閲」であるが故に、小説内小説という形でいろんな分野の
作品の一篇が出てくるのだが、どれもこれもがそれぞれのジャンルのステレ
オタイプで、いくつかはその先が気になるくらい充実した内容。明らかに
種類の違う文章を書き分け、一冊に同居させ、さらにそこに意味づけをして
いるのだから、「良く出来たコメディ」の域を完全に超えた、凄い作品だと
思う。
原作とドラマ、登場人物とタイトルが同じだけで基本別物と考えた方がいい。
そして驚くことに、今を以て「どちらもすばらしい!」と感じている次第。
原作を読んで来週以降のドラマの展開が楽しみになったのは初めてかも。
大吉だな、今回は。
もう一つ、巻末の角田光代による解説は必読。イヤミスの大家は、こういう
作品も好きなんだ・・・。ちょっと意外だったかも。