がん消滅の罠

▼がん消滅の罠 完全寛解の謎 / 岩木一麻

昨年の「このミス大賞」受賞作で、その頃から読みたかった作品
ちなみにこのミス、年間1位があったり、大賞があったりするのはややこし
いので、そういうのちゃんと整備して欲しいと思いますよ、ええ(^^;)。

タイトルだけ読むと、ミステリーではなく医療系ノンフィクションを予想
してしまいそう。だけど、読み終わった後には「このタイトルしか無い!」
と思わせてくれるくらい、あまりにも本格的な医療ミステリー

これがまぁ尋常でなくガッチガチの医療ミステリーだから、もちろん専門
用語の類も多々登場する。しかし、そういう難解な部分を「上手い」比喩
で説明してくれるから、ストーリーに恐ろしい程のリアリティが生ずる。

岩木一麻という作家はこれがデビュー作であり、昆虫学者からがん研究家
に転身した、というバックボーンを持つ、言わば「ホンモノ」。だから、
書いてあることが本当かどうかは正直解らない(^^;)が、説得力もかなり
凄い。コレに加え、常人では絶対に思いつかないトリックが幾つも散りば
められているのだから、審査員ほぼ全員一致でのこのミス大賞受賞も納得。
実際、ここ数ヶ月で読んだミステリーの中ではいちばん手応えがあった
強くオススメです、コレは。

嬉しいことに、4月2日(月)、TBSで3時間ドラマ化されるらしい。
それも、結構凄いキャストで。こちらもすっげえ楽しみ!