有隣堂ヨドバシアキバ店の小説コーナーで見つけた作品。
ちなみにこのお店、煽りのPOPが本当に秀逸。POP効果で購入した本が何冊
あるか解らない程(^^;)。金額にして5万以上は軽く行ってる気が・・・。
失礼ながら蒼井上鷹という作家の名前に全く覚えが無く、初めてのつもりで
読み始めたのだが、ちょっと読んだだけで妙な既視感が。文体に非常に覚え
があり、読了前に調べてみたら、ずいぶん前に読んだことのある著作を発見。
そうか、「キリング・タイム」のあの人なのか、と妙に納得した(^^;)。
内容は・・・。
ある作家が急逝し、その作家の馴染みだったバーも建物の老朽化で閉店する
ことに。これを受けてネット上で募集された「店の跡地での追悼オフ会」に
初対面の5人が参加。マニアックで楽しい会の筈だったのに、死体やら侵入者
やらのアクシデント続出。にも関わらず、誰も地下にあるバーの跡地から出
ようとしない。いったい何故?・・・という感じ。
密室ミステリーであるのは間違い無いのだが、まぁ・・・爆笑系の作品(^^;)。
登場人物の名前の付け方から、彼ら・彼女らの置かれた状況などに至るまで、
細部にクスっとさせてくれる状況を構築し、笑わせながら話を展開させて行
く。まんまと爆笑しながらも話は随所で意外な方向に向い、最終的には見事
なオチがつく、という鮮やかな構成。いやぁ、見事だと思います、ええ。
雰囲気的には、東川篤哉をさらにブラックにした感じ、と言えば適当かな?
ニヤニヤしながらミステリーを楽しみたい人、ぜひどうぞ!