元柔道家・元プロレスラーにして元新日本プロレスCEO、坂口征二。
僕がプロレスに初めて触れたのはNET(現テレ朝)の中継番組「ワールド
プロレスリング」。シングルだったのかタッグだったのかはさすがに覚え
ていないが、坂口はそこでブルート・バーナードと闘っていた。つまり、
僕の40年を超えるプロレス観戦は坂口から始まった、ということ。
そんな偉大なプロレスラー・坂口征二の、本人公認バイオグラフィー。
著者の佐々木英俊氏とは、ファンクラブ「荒鷲」の会長だった人だから、
熱の入れ方が半端ない。なにしろ生誕前の坂口家の人物考察から話が始ま
り、幼少期・青年期・壮年期・老年期から現在に至るまでをしっかり取材。
結果500ページ(!)を余裕で越えるもの凄い作品を作ってしまったのだ
から、これはもう尊敬に値する仕事。
本当に「坂口の全て」が詰まった本。
柔道日本一の時代、現役プロレスラーの時代、新日本プロレス社長の時代
など、どの時期も不足の全く無い書き込みがなされており、もう唸るしか
無い程。しかも、決して事実の記述だけが続いている系の作品ではなく、
読んでいるうちに坂口征二という「人物」の大きさが解ってくる。これは
もう、ノンフィクションの手本と言って良いかもしれない。
強烈に印象に残ったのは、やはり組織としての新日本プロレスを立て直し
た時代の章。この部分はリアルに経営指南書であり、世の企業経営者皆が
参考に出来る内容だと思う。
ちなみにこの本、今日時点で発売日前なのだが、1月4日の新日本・東京ド
ーム大会の日に先行発売されていたのを入手した。他の人より早く、この
本に巡り会えて幸運だった、と素直に自慢しときます(^^;)。凄いよ、コレ。