希望の糸

#絆のはなし


▼希望の糸 / 東野圭吾

東野圭吾令和最初の新作は加賀恭一郎シリーズ!
・・・だが、今回はいつも主役であるハズの加賀恭一郎があまり表には出てこず、
中心は従兄弟松宮脩平刑事。もしかしたら、スピンオフ扱いで良いのかも。

著者本人が広告等で語っているとおり、こちらは「絆」の物語。
それもかなり特殊な、しかし確かにしっかりと存在する、いくつかの
「親子の絆」のお話である。

とにかく、よくぞこの設定を思いついた、としか言い様がない。
誤解を恐れずに言えば、ジュラシック・パークの初刊のようなリアリティ
溢れる素材であり、普通なら当然生じる筈の「あり得ない」を読中に全く感
じないところが凄い。そういえば東野圭吾ってそういう作家でもあったな、
と今さらながら思い出した。

もちろん加賀シリーズであるから、ミステリーの要素もふんだんに在るのだ
が、今回は最大と思われた謎が途中で解けてしまう(^^;)系。しかし、そこか
ら生まれる人間模様の描写は相変わらず見事で、細かな部分でグッと来る良作。
ヒューマンミステリーの好きな人は、きっと夢中になれると思う。

問題があるとすれば、この作品がいつもの面子ドラマ映画になった時に、
溝端淳平がしっかり演技出来るか、ということ(^^;)。心配だな、ソコ(^^;)。

2019・G1 at 札幌・北海きたえーる

#G1 #きたえーる #隙間探し


新日本プロレス「G1 CLIMAX 29」札幌・北海きたえーる
今日は期待薄Bブロック、観るべき試合も特に無い、とか思っていたのだが、
メインイベントが思わぬ「傑作」昇華した感。そのカードは・・・。

内藤哲也vsタイチ
よくよく考えてみれば、超満員札止めに膨れ上がった新日本プロレスのビッグ
マッチのメインに、タイチがラインナップされている、という事実がまず凄い。

何故に傑作かと言えば、両者が「隙間」の探り合いに終始したこと。
飯伏オカダの繰り広げる「超人マッチ」や、石井「消耗戦」も大好きなの
だが、動きの「間」だけで主導権を探り合う両者の姿から目が離せなくなった。

もちろん終盤の打撃の攻防など、今風のプロレスを感じさせる風景も多々あっ
たのだが、この試合に関しての興味は「どちらが有効な反則を駆使するか?」
この不思議な一進一退に、ちょっと今までとは違う種類の惹きを感じた。

勝負は飯塚の忘れ形見アイアンフィンガー・フロム・ヘルで内藤を殴打し、
主導権争いに勝った上で勝ち点1を挙げたタイチの大金星。反則がらみの結果
なのにも関わらず、モヤモヤ感は一切無し。なんと不可思議な試合を・・・。

タイチ、恐ろしいプロレスラーに成長したかも。
この勝ち方を許してしまった内藤、実はすげぇ悔しいんじゃないかと思う。
つまらないと思っていたBブロック、今後が気になり始めてるぞ、実は。

※リーグ戦結果
×矢野通(1勝1敗) vs. 鷹木信悟(1勝1敗)○
○ジュース・ロビンソン(2勝) vs. 後藤洋央紀(1勝1敗)×
×ジェフ・コブ(2敗) vs. ジョン・モクスリー(2勝)×
○石井智宏(2勝) vs. ジェイ・ホワイト(2敗)×
×内藤哲也(2敗) vs. タイチ(1勝1敗)○

2019・G1 at 東京・大田区総合体育館 vol.2

#G1 #大田区総合体育館(2)


新日本プロレス「G1 CLIMAX 29」大田区総合体育館2日目
今日は気になるカードが多く、本当は全てを網羅しなければならないのだが、
メインを観たらそういうワケにも行かなくなった。その試合は・・・。

棚橋弘至vsKENTA
両者、シングル初対決。KENTAがNOAHに在籍していた時は対抗戦の切札的
なカードだったのだが、現状は「遅きに失した」、ないしは「タイミングを
逃した」と表現すべき試合だと思っていたのだが・・・。


結果から言えばKENTAの勝利
どちらかと言えば・・・と言うか、完全に棚橋寄りな僕だが、そういう贔屓目
を抜きにして考えても「棚橋弘至ってすげぇ・・・」と唸らずにはいられない。
KENTAの持ち味を引き出し、全く相手を格下にせず、その上で殺伐とした
世界を崩さずに試合をする。世界中のプロレスラーが憧れる筈である。


Go2Sleepを決め、勝利したKENTAはG1で2連勝。その内訳が棚橋飯伏
という事実は凄い。試合後に棚橋に求めた握手はおそらく本音。この試合で
何かを掴んだであろうKENTAは、当分の間新日本マットの主役級で活躍でき
る気がした。

KENTA2連勝に対し、棚橋・飯伏の両名は2連敗
特に飯伏の足の怪我が深刻らしく、以降のスケジュールに耐えられるか否か。
かなり心配・・・。

※リーグ戦結果
○ランス・アーチャー(2勝) vs. バッドラック・ファレ(1勝1敗)×
○ウィル・オスプレイ(1勝1敗) vs. SANADA(1勝1敗)×
○オカダ・カズチカ(2勝) vs. ザック・セイバーJr.(2敗)×
×飯伏幸太(2敗) vs. イービル(1勝1敗)○
×棚橋弘至(2敗) vs. KENTA(2勝)×

2019・G1 at 東京・大田区総合体育館 vol.1

#G1 #大田区総合体育館(1)


新日本プロレス「G1 CLIMAX 29」、ようやくBブロック初戦
大田区総合体育館という大会場、しかも2連戦。今の新日本は完全に無双状態


国内初戦となるジュース・ロビンソンvs鷹木信悟(ジュースの勝利)に続き、
共にG1初参戦となるジョン・モクスリーvsタイチのマッチアップ。驚いたこ
とに攻めるタイチ、受けるモクスリーという状態。タイチの攻撃を受けきり、
自分の土俵に引きずり込んだモクスリー、持ち味をフルに発揮しての勝利。
さすがに元WWE王者の肩書きはダテじゃなかった。


アップセットが起こったのは、僕がBブロック首位候補に挙げている内藤哲也
矢野通を迎え撃った試合。終わってみれば最初から最後まで完全に矢野ワー
ルドが展開された、と言わざるを得ない。今後に向けて巻き返すしか無い内藤
だが、後々この一敗は効いてくるかも。矢野もたまにはマジで優勝目指しても
いいと思うんだけどなぁ・・・。


セミの消耗戦、石井智宏 vs. ジェフ・コブ(石井の勝利)を挟み、メインに組
まれたのは後藤洋央紀vsジェイ・ホワイト。スランプ状態からLA道場に渡り、
柴田と練習してきた後藤に声援が集まる展開。実際後藤の動きは良く、随所
でジェイを圧倒し、完璧な勝利

後藤は思い入れの全く無い選手なのだが、今回くらいは応援しよう、という
気にちょっとだけなった。
このG1で爪痕を残せなければ、後藤は終わってしまう気がするので。



そして今日は、前座で組まれたタッグマッチにやたら面白い試合があった。
第四試合、棚橋弘至&海野翔太&成田蓮vsKENTA&クラーク・コナーズ&
カール・フレデリックス6人タッグマッチ。タナとKENTAの絡みに期待が
集まった試合だが、主役は海野&成田野毛ヤングライオンズと、コナー
ズ&フレデリックスLAヤングライオンズの絡み。両軍、意地を剥き出し
でやりあう姿はかつての船木・野上vs安生・中野を観ているかのよう。
既に忘れていた古き良き新日本が、ココにあった気がする。

・・・しかし、やっぱりBブロックの人選はAブロックに比べて弱い気が(^^;)。
おそらく内藤・後藤・ジェイの三つ巴状態で、モスクリーがどこまでやる
のか?がポイントだが、どこまで盛り上がるか? 明日以降も注目!

GREAT BIG REVENGE

#村田諒太 #ミドル級世界戦線


エディオンアリーナ大阪で行われたWBA世界ミドル級タイトルマッチ
王者ロブ・ブラントに挑んだのは、前同級王者の村田諒太。いわゆる、
リベンジマッチである。

前回ラスベガスで行われた試合の時は、村田が「伏兵に足をすくわれる」
展開。当時のブラントはまだ無名であり、KOはともかく村田の勝利は動
かない、と予想された試合だったが、結果は村田の「惨敗」
正直、僕はあの試合が村田のラストマッチだった、と勝手に思っていた。

両者共に気合い充分
やや堅さの見える村田に対し、既に1度タイトルを防衛しているブラント
は余裕の表情。オープニングから出入りの激しい左右の連打を繰り出し、
村田の出鼻を挫こうとしていたのだが・・・!。


連打の殆どをガードで裁き、少ない手数ながらも強烈な一撃を返して行く
村田。特にボディブローは強烈で、1Rの途中からブラントの顔色が確実に
変わっていく。


こうなるともう村田の世界で、2Rはボディからの左右ワンツーが面白いよう
に当たる。1度目のダウンの時点で、事実上試合は終了していたように思う。

最後は村田の強打を浴びながら棒立ちになったブランドを見てレフェリー
が試合をストップ。見事に村田がリベンジを果たし、WBA世界ミドル級
王者返り咲いた!!

試合後のリング上で感極まった表情を魅せた村田。見ていたコチラが思わ
ず貰い泣きしてしまうくらい、感動に溢れたシーンだった。
前回を見る限り、村田の勝ち目は限りなく薄いと思われた試合だが、下馬
評を覆す見事な完勝劇。ここに来ての復活、もの凄く嬉しい。

完璧なリベンジマッチではあったが、村田は再びスタートラインに立てた
だけだと思う。本当のミドル級世界王者を名乗るのであれば、スーパー王
者のカネロ・サウス・アルバレスゲンナジー・ゴロフキン、同じ元五輪
金メダリストのWBO王者、デメトリアス・アンドラーデあたりと勝負し、
勝利する必要がある。日本人には到底届かないと思われたミドル級で、真
の王者になれるチャンスは村田にしか無い

もう一度夢を見せてくれ!>WBA世界ミドル級チャンピオン・村田諒太!