スマホを落としただけなのに

#現代リアルサスペンス


▼スマホを落としただけなのに / 志駕晃(Kindle版)

数年前の「このミス」で話題となり、既に映画化もされている小説。
作者の志駕晃とはペンネームで、中の人はLFプロジェクト取締役
かつてニッポン放送にこの人あり、とされる程の超大物ディレクタ
で、小説をリリースする前から僕も名前だけは知っていた人。

そんなワケでかなり早い段階から興味はあったのだが、タイミング
が合わずに今の今まで読めず。読む本が尽きたところで運良く思い
出し、ようやく読むことができた。

・・・いやぁ、恐ろしい(^^;)。
物語のキッカケは主人公の女性派遣社員の彼氏がタクシーにスマホ
を置き忘れた、というタイトル通りの小さな日常ミス。我々の生活
の中でも充分に起こりうることなのに、そこから個人情報が丸裸に
されていく様は正しく「恐怖」。仮にココに書いてある通りのこと
を実践すれば、世界中の誰もがクラッカーたり得てしまう、という
事実に身震いした程。

正直、やや平淡な文体に迫力の欠ける感はあるが、反面不気味さ
増す、という理想的な構成。若干先読み出来てしまった(^^;)のだが、
ミステリーとしての伏線も各所に散りばめられ、しかもラストでし
っかり回収されているのは、評価すべきポイントだと思う。

どうやらシリーズになっているらしく、続編が幾つかある模様。
現代テクノロジーの中で生きる者としては、読んでおくべきかもし
れない。ちなみに僕はもうfacebookは絶対やりません(^^;)!コレ
を読み終えたら皆そう思う気がするな、きっと。