#しゃちほこ固め
毎回興味深い書籍を出してくれるG SPIRITS BOOKの新作は、旧UWF
・新生UWF・UWFインターナショナルの「3つのU」に所属し、現在
もフリーとして時折リングに上がる中野巽耀の自伝。
湯水のように出てくるUWF関連の書籍はほぼ読んでいるのだが、ま
さかこの人が本を出すとは思わなかった、というのが正直なところ。
新生UWFの頃、いわゆる「密航者」であった僕は、その頃から中野
の試合を多々観ている。いや、旧UWFの後楽園ホールにも通ってい
たから、デビューの頃から、ということになるのだが、その観戦歴
の長さのワリには印象に残っている試合がそう多くない。しっかり
覚えているのは旧U時代の広松戦とUインター時代のベイダー戦くら
い。中野龍雄(旧リングネーム)というプロレスラーはちゃんと認
識しているのだが、何故かUWFと結びつかない。
逆にそんな中野の書いた本だから、ちょっとだけ期待していた。
ところが、あらゆるUWFで一匹狼的に活動していた中野には「あの
事件の真相」的な情報が一切無かったのではないか?と。
暴露的な要素は殆ど無く、淡々と自分のプロレスラー人生について
語られる内容は、残念ながら僕には響かなかった。
UWFにはもちろん思い入れはあるが、この手の書籍はもう頭打ちか
な、と感じた。次に読むつもりの柳澤健の作品の内容如何では、僕
のU卒業も近いかも・・・。