鉄人ルー・テーズ自伝

#鉄人 #岩石落とし


▼鉄人ルー・テーズ自伝 / ルー・テーズ(著) 流智美 (訳)(Kindle版)

Kindleのリコメンドに出てきた作品。
当初、僕はもうとっくにこの本を読んでいる、とばかり思っていたのだが、
内容がとんと思い出せず。せっかくKindle版が出ているのだから、念の為
に買ってみよう、ということで手に入れたのだが、驚いたことに初見(^^;)。
こういう勘違いもあるのか、と。

誰もが二十世紀最高のプロレスラーと評価し、バックドロップという説得
力に溢れた技を駆使して、NWA世界王座6度も就いた不世出の名選手。
連勝記録936。937戦目にレオ・ノメリーニのタックルでリングアウト
負けを喫したが、すぐにリベンジ。その後も精力的に闘い続け、50代
なっても各地で世界王者になっている。

・・・というのが僕の中に小学校低学年の頃にアタマに叩き込まれたルー・
テーズの知識(^^;)。全盛期のテーズの姿はもちろんリアルタイムで観てい
ないが、少なくとも“鉄人”ルー・テーズに関する知識はかなり持っている、
と思っていた。が・・・。

知らないことばかりだった、と猛省
おそらくテーズ自身が日本のコアなファン向けに書いたと思われる文章は
無駄を全く感じないコンパクトさ。かといって手が抜かれているワケでは
なく、必要なことは全て網羅されているのが凄い。

やはり全盛期の世界王者時代の話がやたら面白く、テーズの頃のプロレス
今とは別のモノであったことを改めて認識できる。もしあの時代にMMA
が存在していたら、トップはプロレスラーが独占していたに違いない、と
確信出来る。

そして注目は章間にインサートされている翻訳者・流智美氏の解説。
時代背景を整理した上に、流氏ならではのトピックが記載されているので、
飽きることなく読める。

プロレスラーの「自伝」の類は何冊も読んできたが、コレはその中でも特
秀逸。何故読んだ気になっていたのかは、未だに謎なんだけど。