#フミヒコナラティブ
コロナ騒動でやたら読書が進むのだが、比例して予算も膨大に。
読書に関する予算は∞、と決めている僕だが、さすがにちょっと気が
とがめる(^^;)ので、Unlimitedで候補を物色。かなり読みたかった本
がリストされていたので、即ダウンロードした。
僕らの世代が強烈に憧れたプロレスジャーナリスト、フミ・サイトー
こと斎藤文彦氏の著書。著書というよりはもう完全な「研究本」の
体裁を成している。
この作品でいう「昭和プロレス史」とは、なんと活字プロレスの歴史。
力道山が日本へ持ち込んだ、とされるプロレスの「記事」を書いてい
た伝説の記者さんたちの文献を「発掘」した上で「引用」し、それに
フミ・サイトーならではの解説を付ける、という形式。アプローチの
方法から構成・組み立てまで、やたら斬新な上にアカデミック。さら
に先達へのリスペクトが端々から感じる、気持ちの良い本。
上巻の主役は力道山の記事を書いた田鶴浜弘氏、鈴木庄一氏、そして
櫻井康雄氏の3名。昭和のプロレスファンなら必ず名前を知っている
高名なプロレスライターたちが書いた記事が見事に整理され、壮大な
ノンフィクションとして成立しているのが凄い。サイトー氏がこの作
品で魅せた「ナラティブ」という表現は、今後僕のトレンドワードに
なりそうな気がする。
こんな大作をサブスクで読める、という幸運。
・・・しかし下巻は購入せねばならない。ちょっと高価だけど。