TURN

#時をかける新人 #死体ビジネス


▼TURN 東京駅おもてうら交番・堀北恵平 / 内藤了(Kindle版)

内藤了東京駅おもてうら交番・堀北恵平シリーズ、気付いたらもう第四弾
相変わらず研修中のヒロイン、新人女性警察官堀北恵平(ケッペー)ちゃ
の研修先は、生活安全課に部署を移している。

パトロール中、急な生理で動けなくなった中学生少女を助け、一瞬の充実感
に浸るケッペーちゃんだが、数時間後に同行していた友人から、助けた少女
が出血多量で死亡した事実と、彼女が違法な経口中絶薬を服用していた、と
いう事実を知る。一方その頃、東京駅付近の工事現場男性の死体が発見さ
れて・・・という内容。

前作でお得意の猟奇方向に舵を切ったこのシリーズだが、今回の事件もやた
非道い今の時代にあり得るのか?という種類の事件だが、そこに妙なリ
アリティを持ってくるのが今の内藤了の凄さ。そして圧倒的な透明感を醸し
出し始めたケッペーちゃんが本当に魅力的になってきた。

もちろん今回も謎の警官・柏村は登場するのだが、その柏村の存在感を大き
く上回る藤堂比奈子シリーズのあの人が、ケレン味たっぷりに登場。もしか
したら次回以降レギュラーとなる可能性もあるので、ファンならその辺りも
注目しておいた方がいい。

次作は春リリース。このご時世なのに、きっちりスケジュールを遵守してい
る内藤了、尊敬します! もちろん次作にも期待!

日本昭和珍スポット大全

#秘宝館


▼日本昭和珍スポット大全 / 金原みわ

「懐かしシリーズ」も残り2本。今回の題材はかなりキャッチー
なぜなら、日本国内に点在する「珍スポット」に、文字通りスポットを
当てているのだから!いやもう、大好物です、こういうの(^^;)。

大まかな題材としては【テーマパーク】【観光地】【喫茶・食堂】
【宿・温泉】【歓楽街】。このように並べると至って普通なのだけど、
扱われている題材はある種イッちゃってるモノ(^^;)ばかり。特にテーマ
パークの章では、その題材のテキトーさに連続で脱力することになる。

この本の著者はそれなりにキュートな女性。作中では惜しげも無く顔を
さらすし、昆虫食を口に運び、とんでもない下ネタをキッチリレポート
している。つまりこの人もちょっとイッちゃってる人(^^;)なのは明白。
そういう人でなければ、ここまであからさまにオカシイスポットの集大
を作成することは出来ない、と断言する。

コロナ禍の今、珍スポットに人は集まっているのか?
もしかしたら今は人もまばらかもしれないが、こういうところは人が
何人か居てナンボ。コレが落ち着いたら、この本に載ってる場所を片
っ端から訪問してみたい気がする。まずは浅草地下街からか・・・。

日本懐かしオカルト大全

#ムー #トワイライトゾーン


▼日本懐かしオカルト大全 / 寺井広樹・白神じゅりこ(著)
並木伸一郎 (監修)

今日の「懐かしシリーズ」、題材は「オカルト」
僕らの子どもの頃は心霊・超能力・怪奇現象といった各種のオカルト系
テレビ番組が多々オンエアされていた時代。考えてみたらそういうのが
成立していること自体が凄いこと。なんつったって、今はもう殆どそう
いう番組は存在しないんだから(^^;)。

内容は幾つかのカテゴリに別れているのだが、僕の場合【UFO・宇宙人】
とか【予言】【超能力】にほぼ興味は無い。代わりに思いっきり刺さ
ったのが【UMA】【都市伝説】。特にUMAに対する興味は、幼少期か
ら今に至るまで、テンションは殆ど変わらない。

ネッシー雪男ビッグフットにも夢中になったが、子どもの頃の僕の
心を鷲掴みにしたのは、比婆山脈に実在する、と言われていたヒバゴン
地元の小学生銀玉鉄砲で撃退した、という記事を読んだ時は本当に興
奮したし、なんなら親に広島旅行をねだったほど。もちろん連れて行っ
てはくれなかったけど(^^;)。

そんな、オカルトがオカルトとして黙認されていた時代がまざまざと蘇
る快作。熱心な元ムー&トワイライトゾーン読者としては、オススメせ
ざるを得ない「記録集」中岡俊哉心霊写真と、フォックス三姉妹
ラップ現象にも注目!!

日本懐かし団地大全

#箱の中身


▼日本懐かし団地大全 / 照井啓太

マイブームの「懐かしシリーズ」、今回の題材は「団地」
昭和中期から後期にかけて、雨後のタケノコの如く、日本全国に建設
された団地について、ふか〜く掘り下げた内容となっている。

団地という言葉、今ではかなり広義な意味を持っており、集合住宅が
密集した街自体に「○○団地」という名前が付いていたりするのだが、
個人的には建築形態にどうしても拘ってしまう。

今現在の日本の住居形態を考えると、主流は間違いなくマンション
僕の中でのマンションと団地の違いは、【同じ形状の建物が複数】
【縦横比で言うと横が圧倒的に長い】【建物にナンバー】、そして
【エレベーターが無い】といったところ。

僕のいちばん古い記憶はこの形状の団地から始まっており、そこには
楽しい思い出しか無い。2DKでけして広くは無かったけど、友だちは
皆同じ建物に住んでおり、併設の庭で好きなように遊べて、酷いイタ
ズラをすればベランダに出された。この本に出ている写真を眺めてい
たら、そんな遠い昔のことをいろいろ思い出した。

30年ほど前、僕は仕事で関東近郊の団地を週替わりで回ったことが
ある。思った以上に各地に特色があり、その違いを見るだけでおもし
ろかったのだが、1カ所だけとんでもない団地があった。ハッキリと
書くといろいろ問題がありそう(^^;)なのでイニシャルにするが、名
称は「M団地」。場所は都内、とだけ言っておこう(^^;)。

団地の中庭のようなところで仕事をしていたのだが、隣には花壇の前
壊れたラジオを修理して売る人が居たり、土曜の昼間から泥酔して
道を転げ回っている人、それを全く気にせずに買い物に勤しむ主婦
ど、この世とは信じられない世界が展開。一緒に仕事をしていた先輩
は、終わりしなに一言「この団地は狂ってる」とつぶやいた(^^;)。

その団地はさすがに取り上げられていなかったが、それに勝るとも劣
らない魅力的な団地が多々。団地で一度でも過ごした人には絶対に響
くので、是非ご一読を。

・・・しかしすげぇ題材だなぁ、コレ(^^;)。

日本懐かし即席めん大全

#Day Dream Believer


▼日本懐かし即席めん大全 / 山本利夫

レビューがメチャクチャ溜まっている「懐かしシリーズ」
今回、7〜8冊をまとめて購入したのだけど、その中でも「本命」(^^;)
と目されているのが、この「日本懐かし即席めん大全」

元祖と言われる初代チキンラーメンから、最新のカップヌードルまで、
各種のインスタント麺類のパッケージを網羅。どれもこれもそこそこの
思い入れのある商品ばかりで、見ているだけで心が躍る本

衝撃を受けたのは「待ち時間1分!」のキャッチコピーと、当時復活した
ばかりのザ・タイガースをCMに起用したクイックワンがあっという間に
消えた理由。そもそもお湯を入れて1分という短時間が問題で、油断して
いるとすぐ伸びる、というのが原因らしい(^^;)。インスタントラーメン
の3分というのは「黄金の時間」だということを改めて認識した。

そういえば全然即席めんでは無いのだが、ラーメンのデザインを模した
冷菓、その名も「ラーメンアイス」という商品を思い出した。
アレも「中国四千年の歴史と無関係」という秀逸なキャッチのCMでやた
ら笑った記憶がある。コラムで触れてくれたら嬉しかったなぁ・・・。

しかし、インスタントラーメンもまとまると間違いなくカルチャー
サブカルと括るわけにはいかないな、ラーメンだけは。