アルルカンと道化師

#倍返し


▼アルルカンと道化師 / 池井戸潤(Kindle版)

昨日大好評のうちに終了したTBSドラマ「半沢直樹」。前回同様、かなり
興奮させられた名作だったのだが、ほぼ同じタイミングで池井戸潤原作の
半沢直樹シリーズ第五弾を読了した。

前作「銀翼のイカロス」でほぼ行くところまで行ってしまった半沢。この
先は【銀行幹部物語】、ないしは【ROAD TO 頭取】的な物語を展開する
しかなくなった、と思っていたら、なんと時代は過去へタイムスリップ。
半沢が東京中央銀行・大阪西支店融資課長だった頃のエピソードであり、
敵役はこの後に半沢の倍返し敢行で奈落の底に叩き落とされることになる
浅野支店長。あと、小木曽(^^;)も出て来ます。

ロスジェネ辺りから仕事が大きくなり、なんとなく遠くへ行ってしまった
感の否めない半沢だっただけに、ここで過去エピソードで繋ぐ、というの
は非常に大胆な作戦。イカロスの時の「大手航空会社の再建」に比べれば、
等身大感情移入のし易い物語が展開される。

・・・結果、半沢シリーズの中でも屈指の作品となったかも。
池井戸センセイ、良い意味でドラマのテイストを最大限に生かし、主要登
場人物をドラマのキャストでほぼ当て書きしてるのが潔い。このシリーズ、
もしかしたら日本人がいちばん感情移入出来る小説な気がする。

既に半沢ロスを感じている僕だが、出来ればこの作品を早いところドラマ
にして欲しい。下町ロケットとかは、結構早かったんだけどなぁ、映像化