日本懐かし団地大全

#箱の中身


▼日本懐かし団地大全 / 照井啓太

マイブームの「懐かしシリーズ」、今回の題材は「団地」
昭和中期から後期にかけて、雨後のタケノコの如く、日本全国に建設
された団地について、ふか〜く掘り下げた内容となっている。

団地という言葉、今ではかなり広義な意味を持っており、集合住宅が
密集した街自体に「○○団地」という名前が付いていたりするのだが、
個人的には建築形態にどうしても拘ってしまう。

今現在の日本の住居形態を考えると、主流は間違いなくマンション
僕の中でのマンションと団地の違いは、【同じ形状の建物が複数】
【縦横比で言うと横が圧倒的に長い】【建物にナンバー】、そして
【エレベーターが無い】といったところ。

僕のいちばん古い記憶はこの形状の団地から始まっており、そこには
楽しい思い出しか無い。2DKでけして広くは無かったけど、友だちは
皆同じ建物に住んでおり、併設の庭で好きなように遊べて、酷いイタ
ズラをすればベランダに出された。この本に出ている写真を眺めてい
たら、そんな遠い昔のことをいろいろ思い出した。

30年ほど前、僕は仕事で関東近郊の団地を週替わりで回ったことが
ある。思った以上に各地に特色があり、その違いを見るだけでおもし
ろかったのだが、1カ所だけとんでもない団地があった。ハッキリと
書くといろいろ問題がありそう(^^;)なのでイニシャルにするが、名
称は「M団地」。場所は都内、とだけ言っておこう(^^;)。

団地の中庭のようなところで仕事をしていたのだが、隣には花壇の前
壊れたラジオを修理して売る人が居たり、土曜の昼間から泥酔して
道を転げ回っている人、それを全く気にせずに買い物に勤しむ主婦
ど、この世とは信じられない世界が展開。一緒に仕事をしていた先輩
は、終わりしなに一言「この団地は狂ってる」とつぶやいた(^^;)。

その団地はさすがに取り上げられていなかったが、それに勝るとも劣
らない魅力的な団地が多々。団地で一度でも過ごした人には絶対に響
くので、是非ご一読を。

・・・しかしすげぇ題材だなぁ、コレ(^^;)。