2022・G1-32 名古屋2連戦

#G1CLIMAX32


新日本プロレス『G1 CLIMAX 32』、名古屋・ドルフィンズアリーナ
行われた2連戦をNJPW Worldにて。中盤の天王山的な二日間で、ココ
での勝敗はかなり重要

今回の注目はやっぱり初日のメイン、棚橋弘至ザック・セイバーJr.
の一騎打ち。よりによってヘナーレ戦を取りこぼしている棚橋は、他と
違って次の一敗が致命傷になりかねない。

しかし、相手はザック。勢いでは完全に棚橋の上を行き、ここまでは
危なげなく2連勝。実際、ザックは得意の複合関節技で試合の大部分の
ペースを握り、棚橋を絶体絶命のところまで追い込んだのだが・・・。

内藤戦に続き、説得力抜群の丸め込みで勝利したのは棚橋
若い頃から10年選手のような試合をしてきた棚橋だが、今の時代に
攻めるだけ攻めさせて一瞬の隙を突く、というクラシカルなプロレス
満場を納得させられるのは、棚橋弘至を於いて他に無い気が。

今大会、勝利した試合の終了後、対戦相手と語るシーンが出る棚橋。
内藤もザックも同じような負け方をしているが、妙に納得した表情
魅せているのが印象的。新日本50周年の今年、G1を取るに相応しい
選手はやっぱり棚橋弘至であるべき、という思いがまた強くなった。

・・・そして、連敗の内藤も今日遂に片目が開いた
星取り状況を見ると、脱落のボーダーライン3敗かな?まだ全員に
チャンスがあるのが凄いな、Dブロック

FMWをつくった男たち

#インディ創世記


▼FMWをつくった男たち / 小島和宏

ちょうど1年前バカ売れした『W☆ING流れ星伝説』の著者であり、
“僕らの週プロ記者”こと、小島和宏の最新作。

大仁田厚が5万円で旗揚げし、今に続く日本のインディプロレス団体
の祖となったFMW。その旗揚げ前後から、最初の川崎球場大会開催
までの2年間に奮闘した【大仁田厚以外】のFMW関係者・・・レスラー・
フロントを問わず・・・にスポットを当て、FMWが大ブレイクした要因
を探って行く、というノンフィクション。

FMWで本を出す、と考えた時、大仁田厚を除外する、という手法を、
小島氏以外の誰が実行できるのか?という事実がこの本の全てだと
思う。同じ事を思いついた人もおそらく居ると思うが、小島記者で
なければこれだけ広範囲に取材出来ないし、取材が出来たとしても
そこからとびっきりのエピソードを引っ張り出すことは絶対に出来
ない。これこそが「職人の仕事」だと思う。

正直、熱量に関しては「流れ星伝説」の方が高いかも(^^;)。
小島記者本人が「W☆INGの方が思い入れがある」と言っているから、
それはもう仕方の無いことなのだが、ちょっと残念だったのがアチラ
との『束』の差(^^;)。もっと莫大な文章量を楽しみたかった、とい
うのが正直なところ。

この本は以前レビューした「憧夢超女大戦」「W☆ING流れ星伝説」
併せ、【平成プロレスドキュメント三部作】最終作という位置づけ。
次が欲しいんだけどな、マジで。

2022・G1-32 後楽園2連戦

#G1CLIMAX32


新日本プロレス『G1 CLIMAX 32』、東京・後楽園ホール2連戦
今回もサムライTVの生中継。今年のG1、4ブロック制の弊害が出たのか、
いわゆる「捨て日」の存在が。昨日・今日の大会が正にソレで、ホール
での興行でなかったら惨憺たる入りになっていたかも・・・。

この2連戦に関しては、ちょっと問題提起をしようかと。
初日のメインでデビッド・フィンレーと闘ったジュース・ロビンソン
ついて。

この試合、主役は間違いなくフィンレー
前半をジュースが攻めに攻め、終盤で意地を魅せたフィンレーが大逆転、
というステレオタイプな展開だったのだが、コレがピリッとしない

思うに、ジュースがヒールをやるのはまだちょっと早いのでは?という。
とにかく前半、ジュースは意識して極悪ファイトを展開したのだが、
ソレが全く沸かない。悪い言葉使いも取って付けたようだし、反則行為
も正直中途半端。というか、天性のベビーフェイスをヒールターンさせ
ることに無理があったのではないか?

終盤、おそらくダレを感じたフィンレーが「なんとかせねば!」と奮起
したおかげで、試合はそこそこまとまったが、残念ながらG1のメイン
してはかなり物足りない。う〜ん・・・。

ジュースの才能は以前から認めているのだが、適材適所を考えるべき。
オスプレイとのシングルで、振り切って残虐ファイトを展開すれば払拭
出来るかもだけど、ジュースには似合わない気も。困ったな、コレ(^^;)。

2022・G1-32 大田区2連戦

#G1CLIMAX32


新日本プロレス『G1 CLIMAX 32』、東京・大田区総合体育館2連戦
サムライTVの生中継にて。例年に比較してG1に熱くなれていない自分
を自覚しているのだが、本日2日目の結果如何によっては「今年のG1は
もういいや・・・」と思うところだった。

初日で印象に残ったのはやっぱりジェイ・ホワイト(Bブロック)だっ
たのだが、今回は2日目のメインのみに焦点を当ててみたい。

Cブロック・棚橋弘至 vs 内藤哲也
両者共に初戦を“伏兵”に落とされており、デッドラインである0勝1敗
この試合を落とした方が、優勝争いから脱落する可能性がある。棚橋も
内藤も、こんなところで終わっていい選手では無いのだが・・・。

序盤、両者はかつての新日本を思わせる“ストロングスタイルの攻防”
展開。特に棚橋気合いは凄まじく、若さで上回る筈の内藤に食い下が
る必死のファイト。

しかし、最終的にはやはり削り合いの消耗戦に。こうなると内藤が有利
になると思われたが、ボロボロの棚橋が電光石火スモールパッケージ
大逆転。僕が今日望んだ結果を、棚橋は説得力抜群の技で自ら呼び込
んでくれた。

棚橋弘至は、今も姿の見えない敵と単身で闘っている。
そういう姿を等身大で魅せられる選手が主役になるべきだし、エース
あって然るべき。いま、世界王者・ジェイの前に立ちはだかっていちば
ん絵になるのはタナだと思うし、久しく感じていない多幸感を齎してく
れるのもタナしか居ない、と僕は思っている。

結果、苦境に立たされた内藤も心配だが、今回はタナしか居ない。
優勝してくれ、マジで

2022・G1-32 札幌2連戦

#G1CLIMAX32


新日本プロレス『G1 CLIMAX 32』札幌開幕2連戦をテレ朝chにて。
4ブロック制の今大会は、各大会にて各ブロック1試合ずつ、計4試合の
公式戦が組まれている。毎日1ブロックずつ交代してた去年までより解り
やすくて良い感じ。

もちろん2日間に渡ってライブで観たのだが、印象に残ったのは初日の
ジェイ・ホワイト(Bブロック)と、2日目のタイチ(Bブロック)。

ジェイSANADAを相手に完璧な「チャンピオンの試合」を展開。
穴らしい穴が全く見えない。まだ29なんだよね、ジェイって。末恐ろしい
ったら無い。

一方、今日が初戦のタイチは、内容で観客を唸らせる「凄い肉弾戦」
石井智宏正面突破。ここ3年くらい、タイチの試合内容は折り紙付きで
良いのだが、今日はその総決算だったかも。キャラ的に優勝は無いと思う
けど、シリーズ終了後にはなんらかのご褒美シングルのタイトル戴冠
あって然るべき。

・・・そして、初戦でアーロン・ヘナーレにまさかの敗北を喫した棚橋弘至
心配でならない。正直、今の新日本は棚橋の価値を見誤っている気がする
のだが、深く考えすぎなんだろうか?残り全勝・・・は無理かな、やっぱり。