指先の戦慄

▼指先の戦慄 / 新津きよみ(Kindle版)

新津きよみの短編集。
いわゆるホラー系のお話が10篇収録されているのだが・・・。

全ての話に共通している切り口は「男女のドロドロ」
以前読んだ他の作品もこの流れが見られ、個人的には大好物な筈。
しかし、その部分があまりに妖し過ぎ、クライマックスの怖い部分若干霞む
という構成がちょっとだけ残念。

また、どの話もアイデアとストーリーの流れは凄く良いし、端々で感じる艶め
かしい程のエロも魅力的。であるが故に「もう2ページ書き込んで欲しい」
という欲求が全話から感じられてしまう。

もちろん、アダルトで読みやすいホラー短編集、としてはかなりイイ線行って
いる、とは思う。ただ、新津きよみという作家に初めて触れる人は、この作品
だけ読むと安易な評価をしてしまうかもしれない。

まずは「フルコースな女たち」あたりを読んでから、コレを読むといいかも。
才能は凄くある作家さんだと思うので。