新津きよみの短編集。
いわゆるホラー系のお話が10篇収録されているのだが・・・。
全ての話に共通している切り口は「男女のドロドロ」。
以前読んだ他の作品もこの流れが見られ、個人的には大好物な筈。
しかし、その部分があまりに妖し過ぎ、クライマックスの怖い部分が若干霞む、
という構成がちょっとだけ残念。
また、どの話もアイデアとストーリーの流れは凄く良いし、端々で感じる艶め
かしい程のエロも魅力的。であるが故に「もう2ページ書き込んで欲しい」、
という欲求が全話から感じられてしまう。
もちろん、アダルトで読みやすいホラー短編集、としてはかなりイイ線行って
いる、とは思う。ただ、新津きよみという作家に初めて触れる人は、この作品
だけ読むと安易な評価をしてしまうかもしれない。
まずは「フルコースな女たち」あたりを読んでから、コレを読むといいかも。
才能は凄くある作家さんだと思うので。