家鳴り

▼家鳴り / 篠田節子(Kindle版)

さっそく篠田節子短編集2冊目。
「家鳴り」は、「やなり」と読む。こないだの「コミュニティ」より
ちょっと新しい作品で、タイトルロールを含む全7篇のホラー短編集

こちらもとにかく怖い話ばかりなのだが、ドロドロの人間ドラマから
ファンタジーの香りのするものまで、振り幅はかなり広い。だからと言っ
て本質の怖さは全く損なわれておらず、どの作品もレベルが非常に高い。

印象に残ったのは、残酷な事情である施設に送られた少年の不思議な顛末
を描いた「青らむ空のうつろのなかに」と、もしかしたら自分もそうなっ
てしまうかもしれない要素満載のタイトル作「家鳴り」
ただし、他のエピソード全ても総じて面白く、一冊の中にハズレは無い。

こうなってくると気になるのは長編。誰かこの作家に詳しい人、推薦して
くれないもんだろうか?